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2016年、中国のプラチナ宝飾品需要は3年連続大幅減
更新日:2016年11月30日(水)
世界のプラチナ宝飾品需要の地域別推移 2016年11月Johnson Matthey社のプラチナ需給レポート11月版によれば、2016年の世界全体のプラチナ需要は259.1トンとなり、前年比+1.1トンの小幅増が見込まれています。しかし、5月時点での見通しからは-10.8トンの大幅下方修正となっています。

この要因としては、全体の3割を占める宝飾品需要が2015年の88トンから、2016年には80トンへと大幅減少していることが挙げられます。さらにこの宝飾品需要の推移を地域別に見ると、中国での需要が大幅に減少しています。5月時点での2016年見通しでは、中国の宝飾品需要は2015年の55.9トンから57.5トンへの増加が見込まれていましたが、今回は47.1トンへと10トン超も下方修正され、前年比-8.7トン(-15.6%)の大幅減見込みとなっています。

2013年には、世界のプラチナ宝飾品需要の70%弱を占めていた中国の需要は年々減少し、5月時点では下げ止まりも予想されていたのに反し、予想以上の伸び悩みで逆に大幅減少、2016年の中国のシェアは60%割れの見込みです。中国の減少幅は、毎年欧州1年分の需要に相当し、2016年にはさらに加速、北米の1年分以上、日本の1年分に迫る水準となっています。周近平政権の反腐敗運動も大きく影響しているものと推測され、今後も中国の需要減はまだしばらく続くものと予想されます。
世界で唯一、右肩上がりの「その他」エリアに含まれ、その大半を占めるものと思われるインドとその他アジア圏でのプラチナ宝飾品需要が、今後どれだけの伸びを示すかが中国の減少分穴埋めの鍵を握りそうです。

世界のプラチナ自動車触媒需要の地域別推移 2016年11月対象的に世界のプラチナ需要を大きく支えるのは自動車触媒需要。全体の4割を占め、2016年見通しも103.2トンと前年比+1.6トンの小幅増が見込まれています。
そのなかでも、世界全体の半分を占める欧州での需要は、2016年5月時点での53.7トンから55.0トンへと小幅に上方修正され、前年比+3.4トンの増加見通しとなっています。
結果的に欧州エリアでは、昨年のVWショックによる影響を十二分に相殺する形での堅調推移となり、近年の年間増加幅は中国の1年分の需要に匹敵し、2016年の欧州自動車触媒プラチナ需要は、中国のプラチナ宝飾品需要を上回る水準となっています。
ただし、自動車の排ガス触媒需要としては、技術開発により1台当たりに使用されるプラチナの量も減少傾向とも見られ、今後の伸びは鈍化傾向となる可能性も想定されます。

需給バランスにおいても、2016年までは5年連続での供給不足見通しとはなっていますが、2017年には6年ぶりの供給過多へと転換の可能性も指摘され始めているようです。
世界のプラチナ需給動向から見たプラチナ相場への影響としては、短期的な強気材料にはやや乏しい状況となっています。

NY金・日足チャート 2016/10/28 - 11/2929日のNY金相場は0.24%の小幅反落。米7-9月期GDP改定値が速報値の+2.9%から+3.2%へと予想以上の上方改訂で2年ぶりの伸び率、11月の消費者信頼感指数も107.1と9年4カ月ぶりの高水準となるなど、米国経済の力強さが示され、リスク資産へのサポート材料に。その反面、イラン石油相の減産否定発言による原油相場急落などの波乱要因は安全資産をサポート。安全資産の金にとっては売り材料優勢の状況のなかでも一方的流れともなり切れず、トランプ相場一服後の揉み合い状態。下値は1170ドル台でサポートされ、上値も1200ドル以下で押さえられる状態が継続。OPEC総会での波乱があれば1200ドル台への反発も、無事通過で米経済指標も好結果が続くようなら若干の下値切り下げの展開も。

NYプラチナ・日足チャート 2016/10/28 - 11/29NYプラチナ相場も0.22%の小反落。920ドル台を維持して引けたたことで900ドルラインを下限にいったん下げ止まりの可能性を示した状態。しかし上値を切り下げる短期下落トレンドは抜け切れず、900ドル割れへと若干の下落余地も継続。950ドルラインの抵抗水準トライへと向うようなら徐々に流れも好転へ。

ドル円・日足チャート 2016/10/31 - 11/29ドル円は0.39%のドル高円安で3日ぶりの反発。前日安値111円台前半で切り返して押し目買い優勢の展開、欧州市場以降は米GDP上振れ期待とともに上値を切り上げて113円付近へ。期待どおりのGDP改定値上振れを確認すると113円30銭台へとジャンプアップもこれで材料出尽くし。OPEC総会への警戒感からの原油相場急落にも上値を押さえられての反落局面では、消費者信頼感指数の好結果も一時的な下げ止まり材料にしかならず、米長期金利低下にドルインデックスの反落とともにドル円の調整局面も継続の様相。111円台後半が下限となって113円前半までのレンジを形成中。上下双方向ともブレイクで1円程度のレンジ幅拡大へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/29終値とチャート

30日の国内金価格は0.22%の小幅安となって3日続落。4600円ラインを割り込んだことによる下向きの流れが徐々に進行し始めた様子で短期トレンドも下方向へと傾斜。大統領選直後の乱高下局面を除けば10月末以降1カ月に渡る保ち合いを形成しており、ここからの動き出しにはそれなりの変動幅が想定され、最大では4480円近辺まで。但し、波乱材料さえなければ急落の展開は予想し難い状況。上方向には4630円が抵抗水準となり、ここを抜けると流れも好転へ。
月間ベースでは-18円(0.39%)の小幅反落。

プラチナ価格は0.31%の反落。ゆるやかな上昇基調を維持する9-21日移動平均線に支えられての短期上昇トレンドは継続。しかし目標水準3630円近辺へと向う流れは徐々に失速傾向。短期的な方向感が金とは逆行するレアケースとなり、どちらかが間違っているか、両方とも保ち合い状態のなかで若干のブレが生じているだけか。3550円割れの場合には金に追随する展開で3500円割れへと向う可能性も。
月間ベースでは+45円(1.28%)となり、4カ月ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格11/30とチャート

2016年11月30日(水)時点の相場
国内金:4,587 円 11/30(水) ▼10(0.22%)
国内プラチナ:3,572 円 11/30(水) ▼11(0.31%)
NY金:1,187.9 ドル 11/29(火) ▼2.9(0.24%)
NYプラチナ:921.3 ドル 11/29(火) ▼2.0(0.22%)
ドル円:112.37 円 11/29(火) ▲0.44(0.39%)
→11/29(火)のその他主要マーケット指標

←OPEC減産合意でPCEも好調、インフレ加速期待でトランプ相場再開 12/01(木)
→OPEC総会を前にダラス連銀製造業活動指数も2年ぶりプラス圏へ 11/29(火)
→米10年債利回り2.35%でドル高失速、NY金は1170ドルで反発 11/28(月)
→2016年のドル円は極端な売られ過ぎから異常な買われ過ぎへ 11/26(土)

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