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米雇用統計は雇用者数減速を7年7カ月ぶりの賃金上昇率がカバー
更新日:2017年01月07日(土)
米雇用統計・平均時給と賃金上昇率 2016年12月12月の米雇用統計では、失業率は9年3カ月ぶりの低水準となっていた11月の4.6%からは予想通りの0.1%上昇で4.7%となり、雇用者数の伸びは予想を2万人程度下回る前月比+15.6万人。雇用者数は過去2カ月分合計で+1.9万人上方修正され、結果的に2016年の年間合計では+215.7万人。月平均+18.0万人となり、2012年以来4年ぶりの低水準にとどまりました。ただし、これは完全雇用に近い状態にあることを示す結果とも言えるようです。

完全雇用下で注目度が俄然高まりつつあり、11月には急減速していた賃金上昇率は、12月の平均時給が26.0ドルとなり、前月比で11月の-0.08%から+0.39%に急回復。前年同月比でも11月の+2.49%から+2.93%へと急上昇。2009年5月(2.93%)以来、7年7カ月ぶりの高水準となり、2年間続く上昇トレンドチャネル下限から上限へと急反発した形となっています。
11月の反動という面もあったにせよ、賃金上昇率は2007年以前の主要レンジ3%台も視野に入り、インフレ支援材料となって2017年の利上げを後押ししそうな状況となってきました。

その他の指標では、労働参加率は11月分が62.7%から62.6%へ下方修正されたこともあり、12月は62.7%へと0.1ポイントの改善。※ただし回復目安は66.1%。
長期失業者の割合は11月の24.8%から12月は24.2%に低下。2009年3月(24.2)以来7年9カ月ぶりの低水準へと改善。※回復目安19.1%。
U6失業率も11月9.3%から12月は9.2%に低下。2008年4月(9.2)以来8年8カ月ぶりの低水準に改善傾向が続きます。※回復目安8.8%。

好結果、と言える12月の雇用統計の結果を受けて、FOMCメンバーからもタカ派発言が多数聞かれます。
今年のFOMC投票権を持つメンバーでは、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁が「年3回の利上げは適切」さらに「変更の可能性も」と加速の可能性も示唆する発言。ダラス連銀カプラン総裁も「2016年下半期の経済は非常に強かった」とし、回数にこそ言及しなかったものの「2017年の利上げは適切」との発言。ハト派の代表格、シカゴ連銀エバンズ総裁も「年2回の利上げは不合理な予想ではない」し、「年内3回の利上げは信じ難くはない」との発言で3回も容認。
その他、投票権を持たないメンバーでは、タカ派のクリーブランド連銀メスター総裁も「2017年の利上げ3回は妥当」、最タカ派のリッチモンド連銀ラッカー総裁も「市場見込みより速いペースの利上げが必要となる公算も」との発言。

しかし、次週のトランプ会見、20日の政権発足を前にして、ドル高の勢いは以前ほど強まってはいない状況のようです。

NY金・日足チャート 2016/12/6 - 1/66日のNY金相場は0.67%安で4日ぶりの反落。前日の1180ドル台到達からの調整で1170ドル台半ばへ、米雇用統計の強弱入り交じる結果に対しては瞬間的に1180ドル台へと反発するも、結果的に好結果と見る向きが優勢となり、FRB高官たちの発言もドル高を支援、金はゆるやかに1170ドル台前半へと収束。11月高値から12月安値までの23.6%戻し(1174.8)付近でいったん下げ止まった形となり、この水準を維持して再度1180ドル超えへ向う展開となれば38.2%戻し(1206.0)も意識され、1200ドルの大台付近までは上値を伸ばす可能性も。再開し始めた可能性もあるドル高の流れが次週も続くようだと上値の重い展開となり、1160ドル前後が次のサポート水準候補、1150ドルを割れるようなら短期トレンド巻き戻しで12月安値圏再トライへの展開も。
週間ベースでは+21.7ドル(1.88%)となり、昨年末から2週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2016/12/6 - 1/6NYプラチナ相場は5日ぶりの反落で0.55%安。4日間で78.2ドル上昇した直後の調整はわずか5.4ドルと控えめ。雇用統計後には960ドル付近まで売られた後に970ドルまで戻しており、陰線ながらも長い下ヒゲを形成し、トレンドの強さを示す状況。ドル高の流に対して金も比較的控えめの調整にとどまる底堅さだが、現在のプラチナの底堅さはそれ以上。昨年8月高値から12月安値までの23.6%戻し(962.0)付近で反発した形となり、次週980ドルを上抜けるようなら1000ドルの大台回復トライも。但し、金との価格差は202.8ドルまで縮小し、昨年の最高値圏にあった8月11日(193.3ドル)以来。2016年以降の最低水準となったことで、従来どおりの関係性が続くなら、今後は再拡大へと向う確率が高まり、プラチナ上昇のピーク水準にあるとの見方も可能だが。
週間ベースでは+69.0ドル(7.65%)の続伸。昨年2月29日からの週(+7.78%)以来10カ月ぶりの大幅高。

ドル円・日足チャート 2016/12/7 - 1/6ドル円は1.44の大幅ドル高円安となり、3日ぶりの反発で前日の急落分をほぼ取り戻して117円付近へ。116円付近まで反発して迎えた雇用統計では瞬間的に115円60銭台まで急落後に反発。しかし116円台半ばでは伸び悩み、揉み合い形成後、複数の米地区連銀総裁のタカ派発言を受けて米10年債利回りの上昇再開とともにドル高の流れももうひと伸び。ドル高の流れ再開へと完全に流れが変わったとも言い切れない状態も、下値トライは115円ちょうどまででいったん終了し、保ち合い状態で次週のトランプ会見の様子をうかがう展開か。
週間ベースではわずかに+0.04円(0.03%)となり、3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/6終値とチャート

2017年01月07日(土)時点の相場
国内金:4,684 円 1/6(金) ▼5(0.11%)
国内プラチナ:3,849 円 1/6(金) ▲56(1.48%)
NY金:1,173.4 ドル 1/6(金) ▼7.9(0.67%)
NYプラチナ:970.6 ドル 1/6(金) ▼5.4(0.55%)
ドル円:117.01 円 1/6(金) ▲1.66(1.44%)
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