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「アベノリスク」

金融緩和、財政出動、成長戦略の3本柱を掲げる「アベノミクス」を揶揄する批判的な表現。
民主党から自民党への政権交代が確実となった2012年11月後半からマスコミなどで「アベノミクス」というキーワードが拡大し始めました。時を同じくして、これに反対意見を唱える人たちの間では「アベノリスク」という表現が、静かに使われ始めていきました。

新体制となった日銀の異次元緩和などを経て日経平均株価が急上昇を続け、為替の長期円高トレンドが終焉し、円安が急速に進んで行くなかでは、メディアなどで反対論がクローズアップされることは比較的少なく、「アベノリスク」という表現が使われるケースもこれまでは少なかったようです。
しかし、2013年5月23日に日経平均が前日比1,100円超の急落。急速に買われ過ぎた相場の調整とも言われたものの、その後も下落は続き、安倍首相自身が「アベノミクス」の本丸と公言していた成長戦略の第3弾を発表した翌日、6月6日時点では1万2,900円台まで下落。
5月22日の1万5,600円台から約2週間で17%もの下落となり、この間、為替も1ドル=103円台後半から99円台前半まで下落(円高)。

こうなると活気を帯びるのがアベノミクスへの批判論。アベノリスクを唱える意見にも様々ありますが、主な主張は、
1)金融緩和の行き過ぎによるハイパーインフレ懸念
2)金利上昇と財政赤字拡大による日本国債格下げ懸念
3)日銀の独立性の毀損
4)2%のインフレ目標自体が不可能
5)円安の弊害(輸入品の物価上昇)
6)財政出動、公共投資による特定団体への支出と政治献金などの癒着
7)参院選の自民党勝利に伴う憲法改正法案への懸念
8)プアーな成長戦略とこれによる円安誘導批判懸念
等々。

大小様々、一時的な問題や、考え過ぎ?、確かに、と色々懸念される問題はありますが、選挙で誕生した政権がこれまで出来なかったことをやろうとして取り組んでいることもまた事実。半年間の実績としては上出来。支持率の高さがそれを証明しています。
今後、この「アベノリスク」という言葉があまり聞かれないようになって欲しいものです。

最終更新:2013年06月06日

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