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「フラジャイル・ファイブ」

脆弱な5通貨、もしくはそれぞれの国を指し、脆弱な5ヶ国を意味するフラジャイル・ファイブ(fragile five)という言葉は、2013年5月、米国のQE3(量的金融緩和)政策の縮小観測が広がり始めて以降、マスコミを中心に使われ始めたものと思われます。
QE3が縮小に向かうという見込みだけで新興国からのマネーが米国へと逆流し、急激な通貨安に襲われた新興5ヶ国は、インド、インドネシア、トルコ、南アフリカ、ブラジル。

それぞれの通貨の対米ドル為替レートの4月から8月頃までの推移は、
トルコリラ:1ドル=1.7920トルコリラから2.0370リラまで14%のトルコリラ安。
南アフリカランド:1ドル=8.97ランドから10.27ランドへと15%のランド安。
インドネシアルピア:1ドル=9,720ルピアから11,250ルピアまで16%のルピア安。
ブラジルレアル:1ドル=2.0000レアルから2.3840レアルまで19%のレアル安。
インドルピー:1ドル=53.80ルピーから65.50ルピーまで22%のルピー安へ。

急激な自国通貨安は輸入物価の高騰を招き、自国経済への悪影響を及ぼします。史上最安値を更新し続けたインドルピーによって貿易赤字が拡大するインドでは、国民の嗜好品でもある金の輸入規制を繰り返し、貿易赤字削減へと苦闘し、インドネシアは為替介入による防戦を続けました。反政府デモなどの不安要素を抱えるトルコやブラジル、金やプラチナ鉱山などでの労働争議の問題が絶えない南アフリカ、それぞれ国内情勢に問題を抱えます。

フラジャイル・ファイブに共通するのは、経常赤字と高インフレ。
IMFによる2013年通期の経常収支見通し(10月時点、括弧内は対GDP比)は、南アフリカ:-215億ドル(-6.1%)、インドネシア:-296億ドル(-3.4%)、トルコ:-607億ドル(-7.4%)、ブラジル:-740億ドル(-3.4%)、インド:-776億ドル(-4.4%)。
いずれも大幅赤字で、その対GDP比率は同じ経常赤字でも米英の-2%台を大きく上回ります。
2013年第3四半期の消費者物価(前年同期比)は、ブラジル:6.1%、南アフリカ:6.1%、トルコ:8.3%、インドネシア:8.6%、インド:10.8%。
デフレや低インフレの打開を目指す日米欧とは正反対の状況です。

国債格付けでは、S&Pによるインドネシアとトルコに対する「BB+」のジャンク級以外は主要3社いずれからも「BBB」~「BBB-」相当の投資適格級を付与され、少し前まで世界経済の成長に寄与する新興国として注目を集めていたフラジャイル・ファイブ
テーパリング(QE3の縮小)が実際に開始された時に再び混乱に陥るのはいずれの国か?

最終更新:2013年11月28日

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QE3 テーパリング 
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