2014年2月、米FRBの第15代議長に就任したジャネット・イエレン氏の持論とも言われる、政策金利決定手法。
従来のFRBにおける政策金利の決定ルールに影響を与えてきた手法は「テイラー・ルール」と言われるもので、インフレ率やGDPなどの経済変数に基づいて適正金利を公式に基づいて算出する手法。これに対し「最適コントロール(最適管理)」とは、政策金利の変動を抑えつつ、失業率やインフレ率のFOMC目標値からの乖離を最小限とする為に、最適な政策金利水準をコンピュータを駆使して探る手法。
現時点では、インフレ率が目標の2%を超えることを一時的に容認したほうが、しない場合と比較して失業率の早期低下につながる可能性が高いのだそうです。
このことが、イエレン氏を「ハト派」と見る理由の一つとなっています。
従来の手法なら、ゼロ金利解除の時期は2013年末。最適コントロールなら2015年後半から2016年とも言われます。量的緩和の縮小完了時期が2014年後半以降と見込まれる現状では、既にFOMCの方向性は、イエレン氏の最適コントロールという手法の影響を受け始めているものとも考えられます。
しかし、FOMCのメンバーも入れ替えが発生し、ハト派優勢の2013年から、2014年はタカ派が増えて勢力は拮抗する見込み。
異例の金融政策からの出口コントロールと、平常時への回帰という使命を受けたイエレンFRB体制は、まだスタートしたばかり。今後、大物副議長の就任も予定され、その方向性はまだ不透明な部分も多く、今後のイエレンFRB議長の発言や、FOMC動向などに注目し、その方向性を探らなければなりません。
最終更新:2014年02月06日
イエレン証言で緩和縮小ペース変更の可能性なら金相場は一段高(2014/02/11)
最適コントロールを標榜するイエレン議長としては、この数値を変更、または表現の変更の可能性は十分に考えられそうです。
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