米国や日本などの国債が売られると国債金利は上昇し、買われると金利は下落します。米国債金利の上昇時、つまり国債が売られると、相対的に米ドルは買われ易くなります。
さらに、米国債よりも低金利の日本国債との金利差が拡大すると、ドル高円安が強まる傾向にあります。
世界的にリスクを回避するようなケースでは日米などの国債金利は低下します。
2012年の春から夏にかけての欧州債務危機不安が高まった時期には株などのリスク資産から米国や日本、ドイツなど安心と思われる国の国債に資金が流れました。
その結果、国債利回り(金利)は低下しました。
2012年11月以降、米国10年債金利は上昇傾向、ドル円もドル高円安傾向が強まります。2013年夏には米国の量的緩和縮小開始への思惑から米10年債金利は上昇の勢いを強めますが2014年以降は低下傾向が続きます。
2015年の米10年国債金利は年前半には1.8%から2.4%まで上昇、年後半には2.2%前後での推移が続きました。日本の10年債金利は年前半の0.4%前後から後半には0.3%付近で推移。
日米10年債金利差とドル円相場の推移は、常に相関関係が強いとは言えませんが、ある程度似通った動きとなる時期が多いのも事実です。
2012年初から2013年初までの相関係数は0.47とそれほど高くはありませんでしたが、2013年3月半ばまでで見ると、その数値は0.74となっています。2013年に入って、両者の相関関係は高まりました。
日銀による量的質的緩和により、国債の大量購入が決まった4月前後には一時その関係が崩れましたが、夏以降は再び両者の相関関係は強まりました。
2014年後半にはドル円の急上昇に対して日米金利差は緩やかな縮小を続け、相関関係は崩れました。2015年7月には一時相関性が強まる時期もありました。
2016年6月後半から急速に相関関係が強まり、12月14日には日米金利差は2.51%まで拡大。90日間相関係数は2017年1月13日に0.9736まで上昇。2018年11月7日には3.11%まで拡大。
2020年は年初から急縮小、4月以降は金利差0.5%から0.7%台までで推移。8月4日には金利差0.497%で2012年以降で最小、11月には0.9%台、2021年3月に1.6%台まで拡大、2023年10月には4.14%台。2012年以降での最大を更新。
※相関係数:1から-1の数値で表され、1に近いほど正の相関、-1に近ければ逆相関、0付近なら相関性は弱い。
最終更新日:2024/11/16