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★金プラチナ短期相場観★

米11月CPIは予想通りの鈍化、コアCPIは8ヵ月連続低下
更新日:2023年12月13日(水)
CPI×コアCPI×メディアンCPI×16%トリム平均CPI×スティッキーCPI 2023年11月米11月CPIは概ね市場予想どおりの結果となり、インフレ鈍化の進行を確認。市場反応も限定的にとどめて次のテーマ、FOMCの利下げ見通しへと移行。

11月のCPIは前年比+3.14%。市場予想の3.1%と同等で10月の+3.24%からは0.1%低下、続落となって6月(2.97)以来、5ヵ月ぶりの低水準、2年8ヵ月では2番めの低水準。
コアCPIは+4.01%。市場予想(+4.0%)どおりで10月の+4.03%からはわずかに0.02%低下、小数点以下2桁で見ると8ヵ月続落となって2021年8月(4.00)以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。
セクタ別では、
モノの価格:前年比+0.0%。10月から-0.1%、9月と並び2020年7月(-0.5)以来、3年超ぶりの低水準。
サービス価格:+5.5%。10月から変わらず、2022年7月(5.5)以来、1年3ヵ月ぶり低水準で横ばい。
食品:+2.9%。2年5ヵ月ぶり低水準。
エネルギー:-5.4%。4ヵ月ぶり低水準。
主要項目では、
ガソリン:-8.9%。4ヵ月ぶり低水準。
帰属家賃:+6.7%。1年2ヵ月ぶり低水準。
賃貸住宅:+6.9%。1年3ヵ月ぶり低水準。

クリーブランド連銀発表の指標では、
メディアンCPI:前年比+5.24%。過去最高の2月(7.20)から9ヵ月続落で1年8ヵ月ぶりの低水準。
16%トリム平均CPI:前年比+4.03%。過去最高の昨年9月(7.31)から14ヵ月続落で2年2ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀発表のデータでは、
スティッキーCPI:前年比+4.75%。9ヵ月続落で1年9ヵ月ぶりの低水準。
どれも低下基調は着実に進行、しかし目標水準2%にはまだ距離を残し、足下ではコアCPI、メディアンCPIにやや下げ渋り感も。

NY金・日足チャート 2023/11/7 - 12/1212日のNY金は-0.5ドル、0.03%の小幅安で4日続落。11月22日(1992.8)以来、3週間ぶりの安値。時間外序盤から2000ドルの大台回復トライ、アジア時間には2005ドル付近まで小幅に急騰して失速、ロンドン序盤にかけての再トライでは2000ドル台前半で上値を押さえられ続け、NY朝にも再々トライ。ほぼ市場予想どおりとなった米11月CPI発表直後には一時的に2010ドル超え、インフレ鈍化も2%回帰に向けてはまだ時間を要するとの見方からか、その後は米10年債利回り上昇とドル高の流れとなって大台割れへと急反落。ただしNY午後につけた安値も1990ドル手前、前日安値も下回らずに下げ渋ってほぼ横ばい推移。10月安値(1823.5)から12月最高値(2152.3)の半値戻し(1987.9)付近に位置し、FOMC見通しがハト派傾斜なら大台回復、38.2%戻し(2026.7)方向へ、タカ派的なら61.8%戻し(1949.1)方向へ。

NYプラチナ・日足チャート 2023/11/7 - 12/12NYプラチナは+15.3ドル、1.67%の反発で12月1日(936.1)以来、10日ぶりの高値。910ドル台からの反発基調となった時間外、上昇軌道の20日移動平均線(921.6)を上抜けると一段高となってロンドン・NY朝にかけて930ドル付近まで上昇。CPI直後には金の反落に連れ安となって一時910ドル付近まで下落も午後には切り返して930ドル超へと一段高、NY引け後には930ドル台半ばへ。11月後半の保ち合い水準を回復し、短期トレンドも好転目前の様相にも。やや強めの抵抗水準となる可能性もある950ドルの節目を上抜けることができれば一段高トライへ、1000ドルの大台回復を目指す流れとなって1020ドル付近までが短期上値目標に。

ドル円・日足チャート 2023/11/8 - 12/12ドル円は71銭のドル安円高、0.49%安で3日ぶりの反落。日銀がマイナス金利解除を12月会合で事前予告?の可能性報道を受けて東京時間朝に146円10銭近辺から145円50銭台まで急落。いったんは下げ渋るも午後には一段安となって東京市場終了直後には145円20銭台まで下落。CPIへの警戒感からかNY朝にかけても軟調推移となって145円ちょうど付近へ、ほぼ事前予想通りの11月CPI結果を受けてやや乱高下、一時144円70銭台まで急落後に切り返すと145円80銭台まで反発。NY午後には145円半ばでの揉み合い推移となってFOMC待ちへと切り替え。146円20銭が目先の抵抗水準となり、FOMC見通しがタカ派傾斜ならこれを突破して反発局面形成へ、147円台半ば辺りまでが短期上値目標に。ハト派的となって軟調推移となれば144円の節目トライへ、これを維持できなければ143円程度までの一段安も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/12終値とチャート

13日の国内金価格は-43円、0.42%の続落で10月18日(10138)以来、ほぼ2ヵ月ぶり安値圏での一段安。NY金が下げ止まれば円高が下押し圧力に、逆のパターンで急騰してきた流れの巻き戻しが進行。最高値から12月6日(10465)までの下落幅(354)を12月7日(10502)を起点に減算するN計算値を適用した水準10148円近辺に到達し、テクニカル的に想定可能な最大急落局面をこなした格好に。しかしFOMC後の急変動で一段安へと向かえば90日移動平均線(10096)や10月安値(9512)から12月最高値(10819)の61.8%戻し(10011)などが意識される可能性も。反発なら38.2%戻し(10320)を目指す展開にも。

プラチナ価格は+68円、1.46%の反発で12月5日(4725)以来、1週間ぶりの高値。4670円の節目突破に伴う一段高の流れとなり、短期上値目標4730円近辺まで、もう少しの上昇余地も。多少の行き過ぎでも4700円台後半から4800円近辺までは中期三角保合い上限ラインも通過し、やや強めの抵抗水準となる可能性。下方向へは4640円が短期下値サポート、割れるようだと中期下値サポート水準となる4570円程度までの一段安も。
※参考:金プラチナ国内価格12/13とチャート

2023年12月13日(水)時点の相場
国内金:10,142 円 12/13(水) ▼43(0.42%)
国内プラチナ:4,717 円 12/13(水) ▲68(1.46%)
NY金:1,993.2 ドル 12/12(火) ▼0.5(0.03%)
NYプラチナ:931.0 ドル 12/12(火) ▲15.3(1.67%)
ドル円:145.48 円 12/12(火) ▼0.71(0.49%)
→12/12(火)のその他主要マーケット指標

←ハト派傾斜、12月FOMCドットチャートは2024年に利下げ3回 12/14(木)
→インフレ期待も鈍化継続、NY連銀消費者調査では平年並みに 12/12(火)
→大幅調整の国内金、12月の平均騰落率はマイナス転落の危機 12/11(月)
→米11月雇用統計、賃金鈍化は続くも雇用関連は予想外に堅調 12/09(土)

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