更新日:2013年8月24日(土)
既定路線となりつつあった9月量的緩和縮小開始に暗雲が漂い始めたようです。
7月の米新築住宅販売件数の前月比13.4%減という数字は、2010年5月以来最大の落ち込みとなり、前月分も下方修正、新築住宅販売価格は3ヶ月連続の下落。思わぬ悪材料に、縮小開始判断は益々困難を極めることになりそうです。
バーナンキFRB議長欠席のジャクソンホールのシンポジウムにおいて、セントルイス連銀のブラード総裁はインフレ率低迷を懸念し、インフレ目標1.5%の下限設定すべきとし、緩和縮小も急ぐ必要なしと。逆にサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は、景気が腰折れしない限り年内縮小。アトランタ連銀のロックハート総裁は、経済指標の好調を条件に9月縮小開始を支持。
9月のFOMCで意見がまとまるかどうか、非常に微妙な雰囲気に。
そんな週末、連日の史上最安値更新が続いていたインドルピーは、1ドル=65ルピー台半ばまでルピー安が進んだ後、週末には64ルピー付近まで戻しています。
縮小懸念による新興国からの資金流出は一服となったものの、これでまた緩和縮小開始観測が高まれば新興国通貨安再燃の流れとなりそうです。縮小なら縮小で、ゆっくりと織り込んで行くほうが良かったのかもしれません。
NY市場、金相場は1.82%の大幅続伸。米7月の新築住宅販売件数が大幅減となったことをきっかけに、QE継続への思惑から1,360ドル台から90ドル台へと急騰。一時1,399.9ドルまで上昇し、1,400ドルの上値目標値をほぼ達成。団子天井による反落懸念は杞憂に終わり、実は上昇タイミングを図っていたかのように、1週間続いた1,380ドルの壁を突破、先週金曜日、16日に点灯した上昇シグナルに1週間で到達。
週間ベースでは+24.8ドル(+1.81%)で3週続伸。
プラチナは0.1%上昇とほぼ横ばい推移。高値では1,550ドル台の目標値にもあとわずかに迫る1,548.5ドルまで上昇後に反落、金に連れ高とはならず。金に先行して、既に4月の急落前の水準に戻してきていることもあり、上昇バイアスは縮小気味。
この1週間は+14.0ドル(+0.92%)の4週続伸。
ドル円は往って来い。99円台前半までの上昇メドどおり99円10銭台まで上昇すると、三角保ち合い上限付近の節目でもあるこの水準では頭を押さえられる展開で、超えることができれば大きく上昇、という展開も予想されたものの、住宅指標の悪化をきっかけに金と対照的に急落。99円台前半が厚めのレジスタンスとなってきた様子。
週間では+1.08円(+1.11%)となり2週続伸。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場8/23終値とチャート
なお、国内価格の1週間は、金が+105円(+2.37%)の続伸。プラチナは+118円(+2.37%)で3週続伸。
2013年8月24日(土)時点の相場
国内金:4,540 円 8/23(金) ▲93(2.09%)
国内プラチナ:5,090 円 8/23(金) ▲158(3.20%)
NY金:1,395.8 ドル 8/23(金) ▲25.0(1.82%)
NYプラチナ:1,541.6 ドル 8/23(金) ▲1.5(0.10%)
ドル円:98.71 円 8/23(金) +-0.00(0.00%)
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