更新日:2013年9月19日(木)
今夜、日本では中秋の名月。今朝は、空を見る余裕も失う予想外のFOMC声明文。やはり、サプライズが起きやすい満月の日。
労働参加率が低下しており、表面上低下している失業率が実態を表していないことを懸念するバーナンキFRB議長。やはり最近の低調な経済指標がかなりネックとなった様子。
結局、昨日の予想で最も確率が低いと予想していたパターン3。それでも金相場の上昇幅は予想以上で、底堅さを示す一面も。それでも、バーナンキFRB議長によれば「緩和縮小の第一歩は年内に可能」と、縮小開始が時間の問題であることに変わりはない状況。
従って、局面的には為替もドル安・円高へと急速に進みましたが、この流れがいつまでも続くようには思えません。
FOMCメンバーの大半が2015年のゼロ金利解除を予測していること、さらに、今朝発表された日本の8月貿易収支も赤字。これで貿易赤字は14ヶ月連続となり、すっかり貿易赤字が定着してきたようです。財務省も赤字傾向が続く可能性が高いとしています。
これらの長期的な金利・需給面での円安要因が徐々にドル高・円安をサポートすることになります。
もし、12月にQE縮小開始の場合、その1ヶ月後にバーナンキFRB議長退任ということになってしまいます。イエレン現副議長が次期議長なら、QE縮小政策への引き継ぎも十分にできる、ということでしょうか。もしかすると、バーナンキFRB議長の続投という可能性も急浮上しそうです。サマーズ氏辞退のタイミングでバーナンキ議長はQE継続を内心、決めていたのかもしれません。さらに、本人がその気はないと否定するガイトナー元財務長官という線も再浮上してきているようです。
イエレン氏本命と言われる次期FRB議長の問題でも、再びサプライズの可能性も?
NY市場、金相場は終値ではわずかに続落。引け後のFOMC声明発表で1,340ドル台まで急騰、その後も上昇を続け今朝時点では1,360ドル台。FOMC終了までに一時1,290ドル台まで下げる場面もあり、大幅下落を予感させるそぶりも、QE継続で急反発へ。これで8月末から続いた短期下落トレンドは収束方向。上方向には1,390ドル、下方向へは1,300ドルが節目となり、新たな展開へ。
プラチナも終値ではわずかに反発も引後に急上昇、1,460ドル台へと40ドルほど上昇。昨日1,420ドルの下落目標に到達したことで「通常なら一度反発か揉み合いか」と、今回はそうはならないだろう、という予想に反して結果的には通常パターンに。今後は新たな短期トレンド形成へ。レジスタンスは1,500ドル、サポートラインは1,420ドル。
ドル円は1.2%反落。99円ちょうど前後の揉み合いから97円90銭台へと急落、下値メドの98円割れまできっちり下落。今朝の急落幅こそ限定的となったものの、QE継続による影響は短期的にはもう少しの円高余地をプラスした可能性も。当面の円高方向のメドは96円80銭台辺り。円安方向へのレジスタンスは100円40銭。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場9/18終値とチャート
国内、金価格7日ぶりの反発は3.86%の大幅上昇。ドル円の1.2%下落をNY金の実質4%弱の上昇が大きくリカバー。もし、QE縮小が小幅に決行されていたなら、NY市場が下落し、ドル円も下落で、今朝の上昇分がそのまま下方向へと吐出された可能性も。金相場へのQE縮小の織り込み時間が数ヶ月猶予されたことで、数ヶ月後の縮小開始時の金価格の下落リスクは今回よりも緩和されることに。サポートライン4,300円、レジスタンス4,640円、流れはまだ下向き優勢。
プラチナも7日ぶりに2.71%の大幅反発。予想外の結果により「一度下げ止まるには好都合のタイミング」で下げ止まって反発。7月から8月前半にかけて形成したレンジ相場の下限から上限付近へと急上昇したことで、ここから先は上値が重くなり易い水準。下押し圧力もまだ払拭された訳でもない状況。上方向の節目は4,990円、下方向は4,690円。
※参考:金プラチナ国内価格9/19とチャート
2013年9月19日(木)時点の相場
国内金:4,468 円 9/19(木) ▲166(3.86%)
国内プラチナ:4,818 円 9/19(木) ▲127(2.71%)
NY金:1,307.6 ドル 9/18(水) ▼1.8(0.14%)
NYプラチナ:1,425.2 ドル 9/18(水) ▲2.8(0.20%)
ドル円:97.93 円 9/18(水) ▼1.19(1.20%)
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