更新日:2013年10月23日(水)
好結果を期待していた節もあった9月分の米雇用統計で、非農業部門雇用者数の数値がネガティブ・サプライズとなったことを受けて金相場は急騰。労働参加率の低下による改善が続いていた失業率も、今回は労働参加率維持での改善というポジティブな面はあまり重要視されなかったようです。
8月分の上方修正に対して7月分の下方修正で1桁台となったこともややインパクトがあり、10月分の結果も低調となることが予想され、テーパリング開始時期はますます先送り濃厚、という状況で株高・ドル安の流れに。ドル円こそあまり下がらなかったものの、対ユーロなどでは大きく売られました。それでも、そのドル円の急落・急反発の動きやNYダウなどの株価の小幅上昇に比べると、金相場の反応はやや極端のようにも思えなくもありません。
テーパリング開始時期が来年3月以降へとずれ込んだとしても、いずれは縮小・終了へという既定路線もあり、そう極端な流れになるとも考え難いのが実情ではあります。
株価の場合は、緩和継続も買い材料ながら、景気回復鈍化という売り材料との混在という面が、ドル円の場合には、緩和によるドル売り材料と日銀緩和など日本要因による円安材料混在という両面がある為に、一方的な流れにはなりにくいということもありそうです。
金相場にとっては、数ヶ月レンジでの買い材料、というところでしょうか。
もし、10月分の雇用統計の結果が予想に反してあまり悪くない、というポジティブな結果になった場合の金相場急落には要警戒です。
NY市場、金相場は2.04%の大幅続伸。雇用統計下振れに反応し1,310ドル付近から1,330ドル台まで急騰、抵抗線付近が限界かと思われたのは一瞬で、その後も上昇を続け、9月19日以来1ヶ月ぶり高値となる1,340ドル台へ。90日移動平均線とレジスタンスラインを大きく上抜けたことで上値余地は拡大。目標は1,410ドル台。
プラチナは0.84%上昇の5日続伸。金に追随する流れも上昇幅はやや控えめ。それでも9月11日以来となる1,450ドル超えの水準に。一方的な上昇が続いているだけに、多少の調整を挟む余地も。上値目標は1,480ドル台。
ドル円は0.05%の反落で前日比ではほぼ変わらず。しかし雇用統計の好結果を期待して98円40銭近辺まで上昇していたところから97円80銭まで急落、急反発後に元の水準へと乱高下。わずかにドル高優勢の流れも方向感喪失気味。下値リスクは96円台後半。
テーパリング先送り観測による米ドルの弱気材料と、日本の貿易赤字常態化による円安材料が当面続くことになり、90日移動平均線からはあまり離れられないような状況が続きそうです。
※参考:金プラチナ相場とドル円10/22 NY市場終値とチャート
国内、金価格は1.83%の大幅上昇。前日の変動なしを挟んで5日続伸。90日移動平均線の下-0.8%の位置から上抜けて乖離率は+1.0%へ、9月20日以来の高値圏で目標水準4,420円も目前。なだらかな右肩下がりから4,360円付近で水平状態へと移行してきた90日移動平均線が新たなサポートライン候補に。
プラチナも0.96%の反発。この6日間で5日上昇と国内金価格との連動性は急上昇中。金価格に引っ張られる形で抵抗帯と見られた4,700円の大台を一気に突破すると、0.9%下方向に乖離していた90日移動平均線4,731円もわずかに突破。そろそろ一服感も出てきそうな頃合いに。
※参考:金プラチナ国内価格10/23とチャート
2013年10月23日(水)時点の相場
国内金:4,403 円 10/23(水) ▲79(1.83%)
国内プラチナ:4,735 円 10/23(水) ▲45(0.96%)
NY金:1,342.6 ドル 10/22(火) ▲26.8(2.04%)
NYプラチナ:1,450.7 ドル 10/22(火) ▲12.1(0.84%)
ドル円:98.13 円 10/22(火) ▼0.05(0.05%)
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