更新日:2013年11月21日(木)
昨日発表された米10月の小売売上高では前月比0.4%増と予想の0.1%増を大きく上回り、不安視された政府機関の一部シャットダウンの影響もなく、米経済を支える個人消費が今年春以降の堅調推移を維持していることを示しました。
今朝、早朝の時間帯に発表された10月末のFOMC議事要旨では、今後数回の会合で資産買い入れ縮小を決定可能という認識の存在が示されています。
つまり、12月を含む来年3月頃までのFOMCのいずれかでテーパリング開始を決定する可能性は高い、ということになりそうです。
年内開始というせっかちな見方まで出ていますが、バーナンキ議長が気にする財政問題の動向も気になるところで、議会が連邦債務上限を引き上げなければ、現在の期限2月7日から1カ月以内にデフォルトに陥る、との報道もあります。
いずれにせよ、来年春頃までのテーパリング開始は既定路線となりつつあり、その後の低金利政策からフォワードガイダンス強化なども含めた利上げフェーズへの移行をどう進めるのか、というところに議論の中心が移りつつあるようです。
これらを背景に、ドル買い金売り傾向がやや強まりつつある最近の傾向により、ユーロドルと金相場との相関関係、ドル円相場と金相場との逆相関関係が高まっています。
NY市場、金相場は1.22%の大幅反落で7月10日以来の安値圏。1,258ドルの終値から引け後のFOMC議事要旨を受けてさらに急落する展開で1,240ドル台へ。重要なサポート水準となっていた1,260ドル台を大きく下抜けたことで下値余地が拡大。当面の目標水準は大台割れの可能性も含む1,200ドル近辺。最近の採算ラインとも言われる1,200ドル台前半を下回る展開へ。
プラチナ相場も1.43%の大幅安で10月16日以来の1,400ドル割れ。金に連れ安の流れで引け後には1,390ドル丁度付近まで下落。11月9日から兆候が見られ、11月12日に点灯した下落サインの目標水準1,390ドルにようやく到達。
ドル円は0.1%の反落。FOMC議事要旨に対する為替市場の反応はドル高円高。その前の米10月小売売上高にも好感してドル高傾向となっていた為、ユーロドルなどが大きく下落したのに対してドル円の値動きは限定的。1週間前に100円台に到達したドル円はこの付近での揉み合い状態が継続。今朝になってようやく株価の上昇と共に100円台半ばまで上昇の兆しも。近くて遠い、当面の目標水準100円80銭付近にどこまで近づけるか。
※参考:金プラチナ相場とドル円11/20 NY市場終値とチャート
国内、金価格は1.99%の大幅反落。警戒水準となっていた4,220円を下抜け、10月15日以来となる4,200円の大台割れ。過熱感を高めながらも、さらにもう少し下落余地を拡大。当面の目標水準は4,130円近辺。
プラチナも1.18%の反落。昨年高値4,711円付近はサポートの役目をなさず、約1ヶ月ぶりの4,700円台割れ。下方バイアスが強まり、4,620円近辺を目指す展開。
※参考:金プラチナ国内価格11/21とチャート
2013年11月21日(木)時点の相場
国内金:4,190 円 11/21(木) ▼85(1.99%)
国内プラチナ:4,672 円 11/21(木) ▼56(1.18%)
NY金:1,258.0 ドル 11/20(水) ▼15.5(1.22%)
NYプラチナ:1,399.6 ドル 11/20(水) ▼20.3(1.43%)
ドル円:100.03 円 11/20(水) ▼0.10(0.10%)
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