更新日:2013年12月19日(木)
市場の半分程度以上にとっては予想外となったテーパリング決定に、声明発表直後は乱高下の反応となり、NYダウも一瞬急落したもののすぐに急反発し大幅上昇。終値では再び史上最高値を更新、日経平均も大幅上昇で追随。ドル高に対して株価は軟調との予想に反した流れに。
小幅の縮小に留めたことや、失業率が6.5%以下に低下しても当面は低金利を継続する見込みなどを好感したようで、ハト派寄りのメッセージを市場にうまく伝えたFRBが市場の混乱回避に成功した様子。株高にドル高円安、VIX指数も大幅下落となるリスクオン地合いとなりました。
5月の縮小発言で市場の混乱を招いてから7ヶ月、バーナンキ議長も最後になんとかノルマを果たし、イエレン次期議長へと託した格好です。
経済活動と労働市場の見通し改善を理由に緩和規模縮小を決め込んだFRBの、残る懸念材料は低インフレ。バーナンキFRB議長は最後の会見で「インフレは経済が成長すると2%へ戻る、インフレが動くには時間がかかる、インフレが加速しなければFOMCは行動へ」とインフレへの懸念を示しました。
今回のテーパリング見送り予想の理由の一つでもあった低インフレの問題は、やはりFRBにとっても重要な懸念材料であり、物価がなかなか上昇しないことはFRBにとっても予想外のことだったと思われます。
低インフレ懸念を残したまま出口戦略へと向かい始めたFRBに対し、2年で2%の物価上昇の達成が困難となれば追加緩和も辞さない構えの日銀。その日銀の金融政策決定会合も今日から始まっていますが、こちらは今回現状維持で、来年春の消費増税時期の追加緩和が有望視されます。
低インフレを懸念する日米の中央銀行の方針転換がいよいよ鮮明となりつつあり、ドル高円安傾向も当面サポートされることになりそうです。
NY市場、金相場は0.4%の反発。しかし引け後のFOMC声明、バーナンキ会見を経て1,210ドル台へと下落。声明発表直後は株価や為替の乱高下に合わせて上下に振れたものの、底堅さも見せる動き、しかし徐々に進むドル高に伴って急落。結局はテーパリング開始決定を素直に受け止めた形で軟調推移。1,220ドルを下回った状態が続くようなら大幅下落の可能性が浮上することに。但し、緩和縮小幅が小幅となったこと、既に今年安値圏に位置すること、今朝の値動きを見る限りは意外と底堅い一面も。
プラチナ相場はわずかに0.14%下落し、6日続落。引け後は1,330ドル台へとさらに下落し、サポートラインを完全に割り込んだ状態。このまま1,340ドル台へと回復出来なければ下値余地が拡大することに。
ドル円は4日ぶりの反発で1.56%の大幅上昇。終値104円台は2008年10月3日以来の高値水準。FOMCでのテーパリング開始決定は、1週間の揉み合い状態から上方ブレイクする絶好のタイミングとなり、上値目標水準105円を目指す展開が再加速。サポートラインは102円台半ば。
※参考:金プラチナ相場とドル円12/18 NY市場終値とチャート
国内、金価格は0.64%の反発。4,250円のサポートラインをわずかにオーバーランしたところからは持ち直し。下限4,190円から上限4,340円付近までの広めのレンジから、下限を4,250円に切り上げた形で足場を固めるような動きに。方向性は上向き優勢を維持しているものの、しばらくはレンジ推移の様相も。
プラチナも0.22%の小幅反発で6日ぶりの上昇。ドル円の急騰にサポートされた形で下げ止まったものの、流れは下向きで4,620円のサポートラインが意識される状態。上方向には4,750円が節目。
※参考:金プラチナ国内価格12/19とチャート
2013年12月19日(木)時点の相場
国内金:4,276 円 12/19(木) ▲27(0.64%)
国内プラチナ:4,646 円 12/19(木) ▲10(0.22%)
NY金:1,235.0 ドル 12/18(水) ▲4.9(0.40%)
NYプラチナ:1,342.7 ドル 12/18(水) ▼1.9(0.14%)
ドル円:104.26 円 12/18(水) ▲1.60(1.56%)
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