更新日:2014年1月8日(水)
日銀は、量的緩和に伴いマネタリーベースを2年で2倍に拡大するとし、2013年末には200兆円、2014年末には270兆円という増加目標を立て、予定通りに毎月コンスタントに積み上げ続け、まずは2013年末目標の200兆円達成、とその金融政策が順調に進行していることが報じられています。
細かい話ですが、2013年3月の月中平均残高は134.7兆円。約135兆円として2倍なら270兆円。しかし、それまで月中平均残高のみを公表してきた日銀は、2013年4月から月末残高も合わせて公表し始めました。2013年12月末の月末残高では201.8兆円と確かに目標達成。
しかし、従来どおりの月中平均残高では193.5兆円。わずかに目標未達。目標達成にこだわる作為的な何かを少し感じてしまいます。
月末残なら、2013年3月末は146兆円。2倍で290兆円を目指す計算になります。
いずれにしてもほぼ予定通りの金融政策を進める黒田日銀ですが、米FRBのマネタリーベースとの関係で見ると、その差はあまり変わりません。QE縮小開始は決定したものの先月までは月間850億ドルの資産を買い入れ続けたFRBもコンスタントにマネタリーベースの増加が続きました。
2013年の3月末から年末までの増加額は、FRBの7,960億ドルに対して日銀が58.8兆円。1ドル100円換算では5,880億ドル。FRBの増加量のほうが多いことになります。それぞれの増加率のほうが重要で、単純比較はあまり意味がないかもしれませんが、この影響でソロスチャートは2013年後半には横ばい推移が続きます。
今年、米国のQE縮小がコンスタントに続き、マネタリーベース増加量の推移に変化が表れ始めると、本格的にドル円相場にとってのサポート材料となりそうです。足元でのドル円相場の円安進行は、やや先走り過ぎのようにも見えます。
NY市場、金相場は0.68%の続落。米11月の貿易収支が改善したことを受けて株価やドルがやや買われる傾向となったことに呼応するように1,240ドル手前から1,225ドル近辺まで急落。きっかけさえあれば売り圧力が強まる地合いの弱さを露呈した様子。現状では1,220-40ドル台のコアレンジを維持し、方向感はニュートラルからやや上向きの状況ながら、そう簡単に1,250-60ドル台のレジスタンスを突破できるような勢いも材料も不足気味。週末の雇用統計待ちで様子見状態継続か。
プラチナ相場はわずかに0.07%下落。5日ぶりの反落で年明け後初の下落。前日到達した1,420ドル台の目標水準にこの日も上値を押さえられ、年初の勢いも一服。90日移動平均線に沿うような動きとなり、反落か上抜けかの分岐点状態が継続。勢いは上向きながら、水準切り上げに向かう前にいったん調整も入りやすい状況。サポートラインは1,360ドル。
ドル円は0.36%の反発。とは言えこの日も安値では104円10銭台、高値は104円70銭台とレンジ状態が継続。年末に到達した目標水準の105円が大きな節目となり、現状のレジスタンスラインに。足元ではやや軟調地合いに傾きつつあり、104円20銭が軽めのサポートライン、ここを割れると103円辺りまで下落余地拡大、その下に102円台半ばのサポートライン。上方向には105円30銭のレジスタンス超えなら大幅上昇の可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/7終値とチャート
国内金価格は8日ぶりの反落となる0.3%の下落。4,170円の下限から4,340円までのレンジ内を力強く上昇してきたものの上限手前で失速。突破できれば4,400円程度まで上値を伸ばす可能性を抱きつつ、広めのレンジ内推移継続の可能性のほうが高そうな状況。9日移動平均線と21日移動平均線がほぼ水平状態をキープしていることが現在の流れを示し、中期レンジでは90日移動平均線が緩やかに下落しており、下落基調を脱しきれていないことを示す状況。
プラチナは0.24%上昇で8日続伸。予想外に上昇基調が止まらない状況。金と比較すると90日移動平均線の傾きも水平に近く、9日、21日移動平均線はいずれも上向きでゴールデンクロス。さすがに続伸記録更新の可能性はかなり低いものの、短期的な上昇の勢いが続くなら、弱めの上昇目標として4,980円辺りも。
※参考:金プラチナ国内価格1/8とチャート
2014年1月8日(水)時点の相場
国内金:4,300 円 1/8(水) ▼13(0.30%)
国内プラチナ:4,914 円 1/8(水) ▲12(0.24%)
NY金:1,229.6 ドル 1/7(火) ▼8.4(0.68%)
NYプラチナ:1,415.4 ドル 1/7(火) ▼1.0(0.07%)
ドル円:104.59 円 1/7(火) ▲0.38(0.36%)
Copyright(C) Let's GOLD