更新日:2014年3月1日(土)
昨年12月から続いていたウクライナの首都キエフを舞台とする反政府デモが収束したのが2月23日。親ロシアへと舵を切ったヤヌコビッチ政権の崩壊により首都キエフに平和が戻ると思われたのは一瞬だけだったようです。
ウクライナ国民は親EUを支持する人ばかりではなく、親ロシア派、ロシア系民族も相当数おり、その割合が最も大きい南部のクリミア半島はトゥルチノフ大統領代行の新体制への反対派の牙城。そのクリミアではシンフェロポリ国際空港と軍用空港のベルベク空港の2つを武装集団が封鎖。ロシア軍による侵略行為と批判するウクライナ暫定政府と、これを否定するロシア側。真相は不明ですが、ロシア国旗が多数立ち並ぶこの地域と周辺の緊張感は高まりつつあり、今朝には国連安保理の緊急会合も開催されているようです。
姿を消していたヤヌコビッチ元大統領がロシアで会見し、ウクライナ新政権への強硬路線をとるようにプーチン大統領に呼びかけ、メルケル首相はじめEU側は新政権への支持を表明。
財政難も問題となっているウクライナでは今後2年間で350億ドル必要と言われていますが、これも根拠不明の様子。EU側から近く専門チームが派遣され、調査と状況把握に務めるとのこと。
クリミア半島では衝突こそ起きてはいませんが、もうしばらくは緊張感が続きそうな状況。もっと続きそうなのは、ウクライナ国内情勢の安定化へ向けての模索。EUとロシアを巻き込んでの東西の綱引き状態と不透明感はそう簡単に沈静化しそうにありません。
年明け以降の日米欧10年債金利の推移を見ると、昨年までの株高の巻き戻しと米景気不安などにより買われ(金利は低下)続けた債券が、2月に一服となったものの、ウクライナのデモ収束の23日頃から再び下げ基調を強めています。
地政学リスクとしてはそれほど大きくなってはいませんが、不透明感へのリスクが安全資産買いへとつながっていると思われます。この流れが金相場のサポート材料の一つにもなっています。
NY市場、金相場は0.77%の反落。米10-12月期GDPが予想をわずかに下回り年率2.4%にとどまったものの、2月シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者態度指数などが予想を上回り、景況感の改善が見込まれたことを背景にNYダウなど株価が上昇したことに反して1,330ドル台から一時1,320ドル台割れまで下落。それでも引け後には1,320ドル台後半へと戻す底堅さも。終値では約1ヶ月間サポートされてきた9日移動平均線をわずかに下回ったものの、1,310ドル台をサポートラインに上値目標1,360ドル近辺を目指す流れは継続。
週間ベースでは-2.0ドル(-0.15%)となり、4週間ぶりの小幅反落。
プラチナ相場も0.45%の反落。前日の大幅上昇からの小幅調整も9日移動平均線にしっかりとサポートされた上昇基調が20日間ほど継続中。上値目標水準は1,470ドル近辺、1,420ドル台にサポートライン。
週間では+18.9ドル(+1.32%)と反発。
ドル円は0.25%の小幅続落、2月17日以来となる終値ベースでの102円台割れ。株高に連れてのドル高の流れも102円20銭台までと限定的。ウクライナ情勢への警戒感もあってか円買い優勢となり、安値では101円50-60銭台を何度か試す状況。終値ベースではかろうじて101円80銭のサポートラインを維持した形。上限102円70銭との間で形成するレンジ推移も下限割れ寸前の状況。このまま円高方向へと加速した場合には100円割れの可能性も。
週間ベースでは-0.67円(-0.65%)の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/28終値とチャート
2014年3月1日(土)時点の相場
国内金:4,534 円 2/28(金) ▼14(0.31%)
国内プラチナ:4,926 円 2/28(金) ▲55(1.13%)
NY金:1,321.6 ドル 2/28(金) ▼10.2(0.77%)
NYプラチナ:1,446.8 ドル 2/28(金) ▼6.6(0.45%)
ドル円:101.86 円 2/28(金) ▼0.26(0.25%)
Copyright(C) Let's GOLD