更新日:2014年5月7日(水)
日本のゴールデンウィーク明けとともに日本株安と円高が加速しそうな動きとなっています。
先週末の米雇用統計は予想以上の好結果だったにもかかわらず、最近の米経済指標が概ね好調を示唆し始めているにもかかわらず、ウクライナ情勢悪化もそれほど大事には至らないだろうとの見方も多いにもかかわらず、それでも米国債が買われて金利は低下、米ドルは全面安傾向、欧米株の高値圏での減速傾向もあり連休明けの日経平均は大幅安。
米経済の好調さと労働市場の回復は緩和政策の早期終了と引き締め時期の前倒し懸念を誘発することで株価の重しに。しかし労働市場では労働参加率の低下や賃金の低さ、不完全失業率などイエレンFRB議長が不十分と見る指標もあり、緩和縮小完了後のゼロ金利長期化を裏付ける材料も。
ウクライナでの暫定政府派と親ロシア派との衝突は続き、25日に予定される大統領選挙が予定どおり行われるのか、これに反対するロシアの出方、欧米側とロシアの経済制裁合戦の行方を含め、事態収束に向けては全く不透明。
そして日本では日銀の追加緩和期待と政府の成長戦略期待の剥落とともに海外投資家の日本株離れが進行。日本株を買わないからヘッジとしてのドル買い円売りも縮小。そんな悪循環も円高株安をサポート。
市場をとりまく様々な不透明感により、安全資産の国債や円が買われる傾向を強めているようです。
いつまでもこの状態が続くとも思えませんが、目先はこの状況が加速し、円高株安が進行し、それぞれ今年安値トライを目指し、ドル円は100円割れ、日経平均は14,000円割れの可能性も高まってきたように見えます。
NY市場、金相場は0.05%の小反落。落ち着かないウクライナ情勢を背景に1,300ドル台で下値が支えられる状態に。流れは上方向で4月高値1,330ドルが第一目標となり、さらに1,360ドル近辺まで上値を伸ばす可能性も。サポートラインは1,280ドル。1,300ドルの節目には短期移動平均線が集中し、サポートされやすい水準に。
プラチナ相場は0.67%高となり3日続伸。南アフリカの鉱山労使交渉難航が続く状態を背景に堅調推移が継続。プラチナ大手のインパラはこれ以上の操業停止が続けば3-4ヶ月以内に出荷量を最大60%削減見込みとのこと。供給不足懸念により、上方向への節目となる1,470ドルも見えてきた状態で、ここを超えると昨年9月以来の1,500ドルの大台トライへ。下方向には1,400ドルが厚めのサポートラインとなり、1,420ドル付近も軽めのサポート水準に。
ドル円は3日続落となる0.45%の下落。101円台半ばまで下値余地が拡大していたことで一時101円49円まで下落。終値でも上値は限定的となり、ぎりぎり持ち堪えていた102円10銭台のサポートラインを明確にブレイク。さらなる円高進行の可能性が高まり、当面の目標水準は100円台前半、30銭前後。一時的には大台を割れて99円80銭辺りまで下押しの可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/6終値とチャート
4連休明けの国内金価格は4営業日ぶりの反発となる1.37%の大幅高。ゆるやかな下落トレンドからの脱出傾向を強めつつはあるものの円高傾向に足を引っ張られ、やや勢いを削がれた格好。4,440円近辺までの下落リスクはまだ継続。4,600円の節目を超えることができれば流れが変わる可能性。
プラチナは3営業日ぶりの反発で1.52%の大幅上昇。抵抗線となっていた5,020円を大きく上抜け。上方ブレイク後の最初の節目となる5,070円まで既に上昇してしまったことと円高進行により反落の可能性も高まる状態。ただし流れは好転しており、5,140円近辺までの上値余地も。サポートラインは4,990円。
※参考:金プラチナ国内価格5/7とチャート
2014年5月7日(水)時点の相場
国内金:4,579 円 5/7(水) ▲62(1.37%)
国内プラチナ:5,070 円 5/7(水) ▲76(1.52%)
NY金:1,308.6 ドル 5/6(火) ▼0.7(0.05%)
NYプラチナ:1,458.1 ドル 5/6(火) ▲9.7(0.67%)
ドル円:101.68 円 5/6(火) ▼0.46(0.45%)
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