更新日:2014年6月6日(金)
ECBは5日、政策金利を史上最低となる0.15%に引き下げ、銀行からECBへの預金金利をマイナス0.1%に引き下げました。さらに、的を絞った長期リファイナンスオペ(LTRO)であるTLTRO(targeted LTRO)、証券市場プログラム(SMP)の不胎化停止などの措置を決定し、資産担保証券(ABS)買い入れへの準備も進めることも合わせて発表しました。
政策金利の引き下げ幅が事前予想よりも小幅だったことで瞬間的に買われたユーロは、ECBによる一段の政策措置をこの後発表するとの報道で一転急落。ドラギ総裁会見への期待を事前に煽るようなパフォーマンスとなりました。
その後、会見で一連の緩和策を発表したことでユーロ売りが進行、対ドルでは1.3610台から1.3500台まで100ポイント以上の急落となりました。
しかし、並べ立てられた一連の緩和策は、いずれも事前に予想された内容。
主要国では初となるマイナス金利は、かつてスウェーデンとデンマンクが、ユーロ安に対する自国通貨高抑制のために導入しました。
ユーロ危機の際に実施された3年物LTROでは、3年もたたないうちに早期返済する銀行が相次ぎました。
デフレ阻止とユーロ高是正に向けて、「なんでもやる」ドラギ総裁のドラギ・マジックによって売り込まれたユーロは、その後1.3660台へと元の水準以上に買われています。単なる急落の反動か、もしくはこれが市場の評価ということでしょうか。
5日のNY市場、NYダウとS&P500が終値で最高値更新、DAXは初の1万ポイント台にタッチするなど欧米株は堅調、金相場は0.72%の反発。ECB政策発表、ドラギ総裁会見に大きく乱高下したユーロドルに連れて小幅に乱高下、結局ECBの緩和策への好感もあり、買い戻しが進行。下値目標水準1,230ドルに少し届かずに反発の流れへと転じた形ながらも、売られ過ぎ状態が緩和されたことで次のイベントへの警戒感が高まる状況。
プラチナ相場はゆっくりと買い戻しの流れで0.78%の続伸。結果的には金に追随した格好。1,437ドルで水平状態の90日移動平均線にサポートされ、1,440ドル近辺の目標水準到達後の膠着状態からようやくしっかりと反発。しかし下方向優勢の流れが変わった訳でもなく、引き続き今夜の重要イベントを経て水準が切り替わる可能性も。
ドル円は5日ぶりの反落となる0.32%の下落。ユーロ急落の局面では102円70銭台まで上昇も、その後のユーロ買い戻しの流れでのドル売りに連れて円高方向へ。小幅ながらも上昇傾向が続き、買われ過ぎの懸念も高まっていただけに適度な押し目とも。週初にブレイクしたレンジ上限102円30銭近辺まで戻しており、今度はサポートされやすい局面。近そうで遠い目先の目標水準103円10銭近辺到達には、今夜の雇用統計でのそれなりにポジティブな結果が必要か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/5終値とチャート
国内金価格は0.45%上昇し4日続伸。4日めにしてようやく明確な反発傾向を示し始め、下押し圧力もかなり後退。それでも急落する9日移動平均線にぶつかったところで上値を押さえられる可能性も。下値目標4,350円までの下落余地も残り、上下どちらにも大きく振れやすい状況。
週間ベースでは+10円(+0.23%)の反発。
プラチナは0.18%の小幅続伸。5,000円の大台手前で下げ止まり、流れが変わり始めた可能性も。しかし、値動きが徐々に縮小してきており、きっかけさえあれば大きく動き出す可能性。下値メドは4,980円近辺。
週間ベースでは-42円(-0.82%)の続落。
※参考:金プラチナ国内価格6/6とチャート
2014年6月6日(金)時点の相場
国内金:4,426 円 6/6(金) ▲20(0.45%)
国内プラチナ:5,054 円 6/6(金) ▲9(0.18%)
NY金:1,253.3 ドル 6/5(木) ▲9.0(0.72%)
NYプラチナ:1,445.1 ドル 6/5(木) ▲11.2(0.78%)
ドル円:102.41 円 6/5(木) ▼0.33(0.32%)
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