更新日:2014年9月13日(土)
米10年債利回りが2.6%台へと上昇してきました。2ヶ月ぶりの水準となり、年初の3%付近からの騰落率は-13%とまだまだ金利は低迷中とも言えますが、昨年来では+48.6%とかなりの高水準へ。日本の10年債利回りも追随し、足元では上昇傾向を強めてはいますが依然0.5%台の超低水準。結果的に日米金利差は急拡大。ドル円の上昇基調に追随する形で連動性を高めています。
日米金利差が拡大すればドル円は上昇(ドル高円安)、縮小すると下落(ドル安円高)傾向となりやすく、非常に強い相関関係にあったはずの両者の関係性が、この夏には大きく崩れていましたが、ようやく関係修復に動き始めたようです。
日米10年債の金利差は、ほぼ米10年債金利の動向に置き換えることが可能であり、ドル円と米10年債金利の推移も同じような流れとなっています。ドル円と米10年債金利との相関係数の推移を見ると、7月前半までの強い相関関係が冷め始めると、8月末には30日でも90日でも逆相関の関係にまで乖離していました。
そして9月に入って急速に、寄りを戻すように30日相関係数は正相関を示す0.5台へ。90日の相関係数ではまだ戻しきれてはいないものの、ようやく底打ちの兆し。
FOMCでの声明文が前回よりもタカ派寄りになるのではないか、との思惑から債券価格が低下し、金利が上昇している、と見られますが、同じ理由で既に先行するドル円は急速にドル高円安傾向が強まっています。
今回ばかりは金利上昇、日米金利差拡大ならドル高、ではなく、ドル高円安の流れが金利上昇、日米金利差拡大を牽引する形になっています。
同じようなケースは過去にもありました。2012年以降の日米10年債金利差とドル円推移チャートを見ると、2013年3月から5月にかけて、ドル円は急上昇、日米金利差は縮小という状態となり、6月以降に寄りを戻す形になっています。
この時は日銀の異次元緩和スタート時期でもあり、急速な円安と一時的な日本10年債金利急騰も重なった為。日本発の要因で円安が急速に進行したことが影響しました。
特殊なイベントなどによる影響が落ち着けば、長期的には、両者の関係性は強めの相関関係を示すことになりそうです。
異例の長期膠着状態から解き放たれたドル円相場が、ようやく本来の動きを取り戻したことにより、金利差との関係性は、今後さらに絆を深めることになるのかもしれません。
12日のNY市場、金相場は0.61%安となり5日続落。FOMCへの警戒感が続くなか、米8月の小売売上高や9月のミシガン大学消費者態度指数などの好結果をきっかけに1,230ドル割れを試す展開に。1月後半のサポート水準でもある1,230ドル近辺で下げ渋る状況のようにも見えるものの、少しのきっかけで1,200近辺までの下落余地も。反発方向には1,270ドル台がレジスタンスライン、その下1,250ドル台半ばまで下げてきた9日移動平均線が目先の抵抗水準となり易いところ。
週間ベースでは-35.8ドル(-2.82%)の続落。
プラチナ相場はわずか0.2ドル安で5日続落。安値では一時1,356ドルまで下げて年初来安値を更新。しかし、このところの売られ過ぎ状態からの反発で長い下ヒゲを残す形となり、いったん下げ止まる可能性を示唆。
週間ベースでは-40.5ドル(-2.87%)で続落。1月27日の週の-3.7%以来、今年2番めの下げ幅。
ドル円は0.25%高で5日続伸。米経済指標の好結果にも反応は限定的。FOMCを控えての警戒感、高値警戒感、というよりも利益確定売りと追撃買いとの交錯で107円20銭近辺を中心とした小幅推移に終始。ここまでの流れと水準は、重要イベント前でなければ反落必至の状況。FOMCで声明文に変化がなく、FF金利予想も従来から変化がないなどの失望売りなら106円割れ、さらにはサポートライン104円70銭近辺となる105円付近までの急落の可能性にも警戒。
週間ベースでは+2.32円(+2.2%)の大幅上昇で続伸。昨年6月17日からの週(+3.85%)以来の上げ幅。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/12終値とチャート
2014年9月13日(土)時点の相場
国内金:4,571 円 9/12(金) ▼19(0.41%)
国内プラチナ:5,039 円 9/12(金) ▼35(0.69%)
NY金:1,231.5 ドル 9/12(金) ▼7.5(0.61%)
NYプラチナ:1,370.5 ドル 9/12(金) ▼0.2(0.01%)
ドル円:107.37 円 9/12(金) ▲0.27(0.25%)
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