更新日:2014年10月17日(金)
タカ派のブラード・セントルイス連銀総裁による量的緩和終了先送りへの言及により、リスク回避的な株価の下落にも歯止めがかかり、金相場も一時急上昇。しかしブラード総裁には今年も来年もFOMC投票権がないことに加え、米新規失業保険申請件数が14年ぶりの低水準へと改善したこと、鉱工業生産やフィラデルフィア連銀の製造業景気数の好結果もあり、ドル高優勢の流れを変えるまでには至らず。
16日のNY金相場は1,240ドルをはさんでの揉み合いの結果0.29%の小幅安で4日ぶりの反落。反発基調が続いたなかでの小幅調整、という状況。
それに対してプラチナ相場は相変わらずのマイペースぶり、月初の急落局面からの反発も長続きせず、既に腰折れ状態となり0.71%の続落。欧州景気下振れリスクの影響も大きく、金に連動する場面とそうでない場面が混在し、独自の動きとなりつつある状況に。下値目標1,230ドル近辺まで再下落の可能性も高まっています。
そして金との価格差は10.7ドルまで縮小、昨年4月以来1年半ぶりとなる価格差逆転の可能性も高まります。
過去に金とプラチナの価格差が逆転(金>プラチナ)していたのは、2011年夏以降の金相場急騰局面以降。その後しばらく逆転状態が続き、一時的な解消状態をはさみ、最終的に逆転解消状態となったのが2013年4月15日。金相場が140ドル、9.34%の暴落となった日。同じ日のプラチナが4.75%の下落にとどまったことで一気に63.7ドルのプラチナ高へと切り替わりました。
この時の金相場の200日移動平均乖離率は-18.17%と異常な乖離幅となっていました。なお、プラチナは-9.57%。これでも十分行き過ぎと言えます。
現在、金相場の200日移動平均乖離率-3.35%に対して、プラチナは-12.29%。10月3日には-14.33%まで拡大していました。
今回はプラチナ相場が異常な乖離幅ととなっています。
金相場が歴史的高値圏にあった2011夏以降の2年弱は、長期的に見て金の買われ過ぎ状態だったことを、金とプラチナの価格差逆転状態が示していました。そして、金相場の200日移動平均乖離率の異常値がその終焉を示しました。
そして今、再び価格差逆転状態に限りなく近づいたことで、今度はプラチナの売られ過ぎ状態を示し、プラチナの200日移動平均乖離率の異常値がそのクライマックスを迎えようとしていることを示唆している可能性も高まります。
ドル円は0.4%の反発。ブラード総裁発言による影響は限定的、米経済指標の好結果を受けた反発地合いが優勢。前日の105円10銭台に続き、この日も105円50銭台の安値をつけて反発したことで、この10月の調整局面での安値となる可能性もやや高まる状況に。しかしドル高方向への抵抗線107円10銭まで距離を残し、下押し圧力が強い状態も継続、104円台前半の下値目標水準も継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/16終値とチャート
17日の国内金価格は0.29%の小反発。夏場以降、徐々に上値を切り下げる流れが続き、4,478円まで下落した10月6日以降は下値も切り上げる展開。方向感が定まらず、主要レンジは4,510円台から4,550円台まで縮小。上方向へと抜け出せば4,600円近辺を、下方向なら4,400円台半ばを目指す流れが加速する可能性。
週間ベースでは-10円(-0.22%)の小幅反落。
プラチナ価格は0.59%の反発。下落トレンド中の戻り局面、ただし夏場以降、コンスタントに続き過ぎた下落基調もそろそろ終盤となる可能性も。4,570円台のサポートライン割れなら4,500円付近を目指す可能性が高まり、ニ番底形成へ。
週間ベースでは-76円(-1.62%)となり、4週続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/17とチャート
2014年10月17日(金)時点の相場
国内金:4,530 円 10/17(金) ▲13(0.29%)
国内プラチナ:4,605 円 10/17(金) ▲27(0.59%)
NY金:1,241.2 ドル 10/16(木) ▼3.6(0.29%)
NYプラチナ:1,251.9 ドル 10/16(木) ▼9.0(0.71%)
ドル円:106.33 円 10/16(木) ▲0.42(0.40%)
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