更新日:2014年12月8日(月)
内閣府発表の7-9月期GDP改定値は速報値の年率換算-1.6%から下方改定となる-1.9%に。予想では-0.5%程度までの上方修正が見込まれ、一部ではプラス転換の可能性も聞かれるなど楽観的な見方が多かった予想を大幅に下回る結果に。リセッション状態からの脱却はならず、これを受けたドル円相場は円高方向、日経平均も軟調推移へ。
しかし、先月17日の速報値発表でGDPショックとなった時ほどのインパクトはなく、午前中の段階では円安株高の巻き戻しも限定的。今朝の高値でドル円は121円80銭台、日経平均は寄り付き18,000円台といずれも2007年7月以来7年4カ月ぶりの高値を更新したことによる一服感の域を抜け切れない状況。
与党優勢が伝えられる衆院総選挙を週末に控え、再び円安株高の流れ優勢へと向かい始める可能性もまだまだ高そうです。
そうなった場合、ドル円は先週末までの7週続伸を更新し、8週続伸へ。8週続伸は8月11日の週から9月末までの週にかけても記録し、その後2週間の続落をはさんで今回の続伸状態へと続きます。それ以前では、昨年10月末から12月末までの9週続伸。さらに遡ると、2012年11月中旬から年明け1月末までの12週続伸という記録があります。ちょうど野田前首相の解散宣言から総選挙を経て安倍政権スタートの時期でした。
なお、この時は12週間かけて1ドル=79.50円から92.76円まで13.26円の円安が進行し、16.7%の上昇率となりました。
現在は、106.92円から先週末時点で121.40円まで14.48円の円安、上昇率では13.5%。
2年前は歴史的円高水準からの円安方向への急反発。円安方向へと加速する背景や状況、水準も揃っていた状況と言えます。
今回は、既に7年ぶりの円安水準へと回復した状態にあり、加速度が弱まってもおかしくはない状況とも言えそうです。
しかし、5年かけて円高方向へ進んだ値幅をわずか2年で円安方向へ取り戻した現在、政治的には似たような状況とはいえ、貿易赤字定着やGPIF、米国要因など、円安へのサポート要員(要因)は確実に増加した状況。
週間ベースでの続伸記録更新への可能性も、まだまだ高そうな状況と言えそうです。
週明け8日の国内金価格は0.32%の反発。週末の調整もほどほどに、米雇用統計を受けた円安ドル高のサポートを受けて再び直近の目標水準4,960円台へ。11月上旬から続く堅調推移は途中、急落局面をはさみながらも1カ月間継続中。そろそろ若干の調整、もしくは保ち合い状態へとトレンド変化の可能性も。上方向へは5,000円近辺が抵抗線となりやすく、下方向には4,900円、4,850円付近が軽めのサポートライン候補、その下は4,700円まで。
プラチナ価格は0.47%の上昇で5営業日続伸。9月の急落局面入り直前の9月9日以来の水準を回復したこと、今年前半の高値抵抗線水準でもある5,100近辺に到達していることから、いったんは上値を抑えられやすい展開へ。サポートラインは4,840円、4,950円もサポートされやすい水準に。
※参考:金プラチナ国内価格12/8とチャート
2014年12月8日(月)時点の相場
国内金:4,967 円 12/8(月) ▲16(0.32%)
国内プラチナ:5,094 円 12/8(月) ▲24(0.47%)
NY金:1,190.4 ドル 12/5(金) ▼17.3(1.43%)
NYプラチナ:1,219.5 ドル 12/5(金) ▼26.4(2.12%)
ドル円:121.40 円 12/5(金) ▲1.62(1.35%)
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