更新日:2014年12月13日(土)
NY原油相場は12日終値で1バレル=57.81ドル。一時57.34ドルまで売り込まれ、2009年5月以来5年7カ月ぶりの安値水準に。年初来では40ドル超の下落で41.3%の下落率。
とどまるところを知らない原油安の継続で、エネルギー価格の下落は景気のサポート要因、との声も聞かれなくなり、逆に警戒感は増すばかり。足元1週間では12%超もの大幅下落となったNY原油相場に追随するように、日米欧の主要株も3%超の下落、とりわけドイツDAXは-4.88%、英FTSEは-6.56%と大きく値を下げています。
そのなかで、原油安にピタリと追随するように大きく下落しているのがロシアの通貨ルーブル。
年初の1ドル=32ルーブル台から12月12日終値での58ルーブル台まで、実に76.9%ものドル高ルーブル安。
ドル高に伴う新興国安が進んだなかでも下落率が目立つ南アランドの10.4%安、ブラジルレアルの12.37%安とは比較にもならず、例外とも言えるアルゼンチンペソの31.21%安をもはるかに凌ぎます。
なお、原油価格が1バレル当たりの単価で表現される為、これに表記を合わせ、1ルーブル当たりの単価に直した場合、年初来騰落率は43.5%の下落となり、原油の年初来騰落率とほぼ同等。また、原油価格とドルルーブル(USDRUB)相場との過去1年間の相関係数は-0.9225。90日間では-0.9735と非常に強い逆相関関係を示します。90日の相関係数ではドル円と日経平均、NYダウと日経平均、NY金と銀との関係よりも強い数値となっています。
ロシア中銀による相次ぐ為替介入でも歯止めが効かず、まさに、原油価格が下落した分だけロシアルーブルの対ドルレートも同じだけ安くなる状態。
米国のシェールオイルの採算コストとも言われる1バレル=40ドル程度までの下落もあるのではないか、との予想も出始めるなか、過去にも原油価格の下落でデフォルトに陥ったロシアの現在の国家予算では原油価格を100ドル程度で見込んでおり、60ドル割れの状態が続けばデフォルトの可能性も、との懸念も高まります。
そんな警戒感の高まりを示すように、VIX指数も世界同時株安となった10月15日以来の20超の水準へと跳ね上がっています。
12日のNY金相場は0.25%の小幅安で3日続落。しかし、週初2日間の上昇値幅約40ドルに対して足元3日間の下落幅合計は10ドル弱と限定的。11月以降続く上昇トレンドは足元でその勢いを増し、上値を伸ばしやすい状況。株価やドル高の調整など外的要因もサポート傾向にあり、1,260ドル近辺の上値目標へと向かう流れを維持。総選挙の結果を受けて予想以上の円安ドル高進行など極端な流れとなった場合には下値警戒感が高まることも。当面のサポートライン1,190ドルを下抜けるようなら今年最安値圏トライへの可能性も。
週間ベースでは+32.1ドル(+2.7%)で続伸。
プラチナ相場も0.86%安で3日続落。上下動の激しい動きでのゆるやかな上昇トレンドは継続中。しかし、1,250ドル近辺の重要な分岐点を抜け切れない状態が続き、上値を抑えられての反落基調がスタートした可能性も。目先は1,260の目標水準を超えて1,300ドルを目指す流れも期待されるものの、その確率が徐々に低下し、ニュートラルな状態へと向かいつつある様子。1,210ドル台のサポートラインを明確に割れた場合には大幅下落の可能性が高まる。
週間ベースでは+12ドル(+0.98%)の続伸。
ドル円は0.1%の小幅続伸。下落トレンドスタート直後の一服、となった可能性も。安値では118円を割れることなく底堅さも見せたものの、119円台では上値も重い状況。総選挙による乱高下の可能性はあるものの、チャート形状は日足の三羽烏、週足は抱き線となり、反落の可能性が非常に高まる状況。117円台後半のサポートライン割れで115円台半ばが当面の円高目安に。
週間ベースでは-2.65円(-2.18%)で前週上昇分を帳消し、8週間ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/12終値とチャート
2014年12月13日(土)時点の相場
国内金:5,007 円 12/12(金) ▲39(0.79%)
国内プラチナ:5,054 円 12/12(金) ▲43(0.86%)
NY金:1,222.5 ドル 12/12(金) ▼3.1(0.25%)
NYプラチナ:1,231.5 ドル 12/12(金) ▼10.7(0.86%)
ドル円:118.75 円 12/12(金) ▲0.11(0.10%)
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