更新日:2015年11月18日(水)
米FRBが発表した10月の鉱工業生産指数は市場予想の前月比+0.1%に対して2カ月連続の-0.2%と下振れ。
今年1月から5月まで前月比マイナス圏での推移が続き、6月の0%、7月の+0.8%、8月の+0.1%以外は全てマイナス圏。3カ月移動平均で見ても2011年以降の平均的な水準、0%から+0.4%までのレンジを下方向に抜けつつある状態となっています。
設備稼働率は昨年末の79%をピークに下降し、10月は77.5。今年6月と並び昨年2月以来の水準。
この指標でも鉱業・製造業の景気動向が弱まって来ていることを示しています。
それでも10月の内訳では、鉱業が-1.5%、光熱関連が-2.5%と足を引っ張りました。製造業は+0.4%となり、低迷状態が続く製造業の回復傾向への兆しとなる可能性もありそうです。と同時に、資源安、原油安の現状が表れている様子です。
米国の製造業の不調は続く状態ながらも、これを織り込んだ上でのドル高地合いが続き、資源安、原油安の流れも続きます。
そして、貴金属の底入れはまだ見えない状況となっています。
17日のNY金相場は1.38%の大幅反落。有事の金として短時間に買い込まれた月曜日の1097ドルが戻り高値となり、戻り売り圧力が強まると直近安値圏1080ドル前後の水準では支え切れずに安値更新。株高ドル高の流れもこれを後押し。2010年2月以来、5年9カ月ぶり安値圏でさらに水準を切り下げる形となり、7月安値と合わせたダブルボトムの形も崩れ始めつつある状態。早くも年末までの安値予想レンジ上限が意識される水準に。19日早朝のFOMC議事要旨がさらなる下落材料となる可能性も。
NYプラチナ相場も1.21%の大幅反落。2008年12月以来6年11カ月ぶり安値圏での安値更新が続く状況。直近14日間のうちで上昇したのは16日の1.8ドルのみとなったことでRSIは16日時点の14.6から1.1へ、稀に見る異常値に急低下。850ドルラインが心理的節目として若干のサポート要因となりうるかどうか。
ドル円は0.22%のドル高円安。東京時間の株高とともに1ドル=123円台半ばへと上昇後はやや上値も重く123円台前半での揉み合い状態、NY時間に再びドル高優勢の流れとなり、終値での123円40銭台は8月19日(123円80銭台)以来となるドル高水準。1週間前の高値水準を上抜け、中国ショック直前の水準を回復したことでドル高円安方向への流れが加速し易い状況に。目先の目標水準としては124円ちょうど付近。さらに強めの指標などの材料があれば125円台前半までは十分に可能性あり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/17終値とチャート
18日の国内金価格は3日ぶりの反落で1.19%の大幅安。4600円前後の今年安値圏ではサポートし切れず、年初来安値を更新、昨年11月7日以来、1年ぶり安値水準に。4580円を割り込んだことで一気に4500円台半ばまで急落した流れは、目先もう少し下げ余地を残し、4530円台辺りまで。NY金の一段安が進行した場合、国内価格も年末安値予想レンジへの早期トライとなる可能性も。
国内プラチナ価格は1.89%の大幅反落。2011年12月30日(3575円)以来、3年11カ月ぶりの安値水準。目先は当時の水準3570円台辺りまでは追加下落の可能性。急落後に比較的しっかりめの反発、そして再び安値再更新となった流れでは、さらに大きく水準を切り下げる可能性も。下値メドに向けた流れが早めに加速してしまう展開にも警戒。
※参考:金プラチナ国内価格11/18とチャート
2015年11月18日(水)時点の相場
国内金:4,551 円 11/18(水) ▼55(1.19%)
国内プラチナ:3,628 円 11/18(水) ▼70(1.89%)
NY金:1,068.6 ドル 11/17(火) ▼15.0(1.38%)
NYプラチナ:855.0 ドル 11/17(火) ▼10.5(1.21%)
ドル円:123.44 円 11/17(火) ▲0.27(0.22%)
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