更新日:2016年2月1日(月)
サプライズとなった日銀のマイナス金利は株価急騰と円安をもたらし、週明けの国内金価格、プラチナ価格も大きく押し上げる結果となりました。
国内金価格は、昨年1月23日につけた高値5298円から今年1月15日の4385円まで913円、17.2%の下落となっていました。この間、一定のレンジ内での上下動を繰り返す弱気トレンドを形成しています。そのなかで、1月後半からは短期的な反発基調が続き、日銀サプライズによってレンジ上限付近へと急騰。
昨年来の弱気トレンドが継続するなら、そろそろ反落警戒水準に到達することになります。その重要ポイントは今週の4700円台前半から次週にかけて4700円前後へと切り下がります。この右肩下がりの上値抵抗線をしっかりと超えるような展開となるようなら、昨年来の弱気トレンド脱却、トレンド転換へと向かうことになります。
国内プラチナ価格も同じような展開で、昨年1月高値5193円から今年1月19日の3334円まで1859円、35.8%も水準を切り下げる急落トレンドが継続中。
プラチナ価格の急反落か、トレンド転換かをかけた重要な分岐点は、今週の3700円台後半から次週3700円付近へと切り下がります。
マイナス金利による円安効果が持続するなら、円安圧力に伴い相対的なドル高圧力も高まることにつながります。
ドル高圧力は、単体ではNY金の売り材料とはなりますが、米経済の足かせにもなり、これによってFRBの利上げシナリオ鈍化へと繋がることになります。結果、金の売り圧力も後退、逆にサポート要因となることも十分に予想されます。
日銀の金融政策発表後、NY金相場は株高円安の流れのなかでも大きく売られることはなく、底堅く推移する状態が続いています。
NY金相場自体も短期上昇トレンド継続の可能性も想定できる状況となっています。
マイナス金利の効果と弊害が議論されるところではありますが、デフレ脱却を目指すマイナス金利効果の一つとして、国内金・プラチナ価格の下落トレンド脱却、トレンド転換という副産物をもたらす可能性が生じてきたようです。
1日の国内金価格は2.37%の大幅反発。昨年1月19日(+125円、2.48%)以来1年ぶりの急騰で、昨年11月4日(4676円)以来3カ月ぶりの水準を回復。円安の流れと金の底堅さという好条件が想定を超えたことで目標水準4610円台を大きく超え、第2目標4670円台も目前に。円安傾向がもうしばらく続くようなら次の目標水準は4750円付近。
国内プラチナ価格も2.62%の大幅反発。調整フェーズから反落基調への続落も警戒されていた状態を日銀に救われた形で1月6日(3666円)以来の水準へと急騰。反落への流れがストップしただけでなく、上昇トレンド再加速を示唆する形に。円安サポートが続くなら上値余地3800円付近も。その手前3700円が抵抗水準となりやすく、サポートラインは3540円台。割れると3480円台辺りが下値メドに。
※参考:金プラチナ国内価格2/1とチャート
2016年2月1日(月)時点の相場
国内金:4,663 円 2/1(月) ▲108(2.37%)
国内プラチナ:3,640 円 2/1(月) ▲93(2.62%)
NY金:1,116.4 ドル 1/29(金) ▲0.8(0.07%)
NYプラチナ:874.3 ドル 1/29(金) ▲6.4(0.74%)
ドル円:121.04 円 1/29(金) ▲2.22(1.87%)
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