更新日:2016年4月15日(金)
米労働省発表の3月消費者物価指数(CPI)は、前月比では+0.1%となり、2月の-0.2%からプラスに転換したものの市場予想+0.2%には届かず。食料品とエネルギー関連を除いたコアCPIも前月比+0.1%となり、市場予想の+0.2%を下回り、昨年8月以来の低水準に。
前年比で見たCPIは今年1月の+1.4%をピークに2月+1.0%、3月+0.9%へ。コアCPIも2012年5月以来3年9カ月ぶり高水準となる+2.3%となった2月からは0.1ポイント低下して+2.2%。いずれも予想を下回り、低インフレ状態からの脱却へと進み始めていた流れが失速した状態に。
物価上昇の兆しは一時的の可能性があることを懸念し、3月末には「持続可能性への判断は時期尚早」としていたイエレン議長発言どおりの結果となったようです。
CPIの発表と前後して、アトランタ連銀のロックハート総裁は「4月利上げを支持しない」ことを表明しました。中立派と見られるロックハート総裁が4月利上げの可能性に言及し、セントルイス連銀のブラード総裁他、タカ派支持発言が相次いだことでドル高の流れとなった3月後半には、インフレ上昇がその根拠、条件として挙げられていました。
これで4月FOMCではもちろん、6月FOMCに向けてもタカ派勢力の勢いが失速しかねない状況となり、市場の織り込みどおり年末に1回の利上げがあるかどうか、というレベルに収束しそうな気配です。
ただし、PCE(個人消費支出)の物価動向も見極める必要があり、2月のコアPCE失速、3月のコアCPI失速のほうが一時的となる可能性も残されており、その動向を年央にかけて見極めることになります。
14日のNY金相場は1.75%の大幅続落。ドル買い優勢の流れに軟調な展開が継続。2日前に1260ドルの節目付近でコマ足を残して反落した流れが加速した形となり、今年3番目の下げ幅。3月23日の1.97%下落では今回と同水準となる1220ドル台まで急落し、2日後の1210ドル台までジリ安後に反発。2月16日の2.52%下落時には1210ドル近辺までの急落となり、翌日に1200ドル付近まで下げて反発。1200ドルを超えた2月以降、1200ドル前半への急落後に下げ渋って反発を繰り返してきたパターンが今回も繰り返されるなら、現状サポート水準1220ドル近辺までで耐えて反発へ。割り込んでしまった場合には勢い余って1200ドル割れへと下げ幅を拡大する可能性も。
NYプラチナ相場は1.01%安となり、6日ぶりの反落。1000ドルの大台維持はならなかったものの、高値圏で下げ渋る状態となり、金との価格差は1月上旬以来3カ月ぶりとなる230ドル台まで縮小。再び切り返して高値更新となった場合にはレンジが一段上へと切り上げられるような展開もあり得るものの、現状ではその可能性は低く、失速気味の状態から金に追随する形でいったん調整局面入りへ。
ドル円はわずかに0.05%の小幅高で3日続伸。ドル高優勢地合いで109円台半ばまでジリ高推移後には、熊本地震による円買いと米3月CPI下振れに伴うドル売りで109円割れ。しかしこれも限定的となり、新規失業保険申請件数の好調さやロックハート発言を受けて持ち直し。今朝には109円台後半へと水準を戻し、再び上値トライの様相に。当面の反発目安として110円60銭近辺を目指す展開継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/14終値とチャート
15日の国内金価格は0.28%の小幅続落。NY金の軟調推移に伴い、4630円から4690円台までの保ち合いレンジ下限に到達。いったんはサポートされた状態ながら、下落トレンド継続中の現状からは、耐え切れず、続落パターン優勢。下値目安としては4550円台。17日のドーハ産油国会合の結果を受けた月曜朝の市場変動にも警戒。
週間ベースでは-5円(0.11%)の小幅続落。
国内プラチナ価格は0.32%安となり5日ぶりの小反落。90日移動平均線がゆるやかに上昇し始め、中期的な流れも堅調地合いへ。短期的にも目線は上方向、しかしNYプラチナに失速の兆候が見られることから、若干の調整幅拡大の可能性も。金との価格差900円割れは1月7日以来。
週間ベースでは+150円(4.18%)と大幅反発。
※参考:金プラチナ国内価格4/15とチャート
2016年4月15日(金)時点の相場
国内金:4,634 円 4/15(金) ▼13(0.28%)
国内プラチナ:3,735 円 4/15(金) ▼12(0.32%)
NY金:1,226.5 ドル 4/14(木) ▼21.8(1.75%)
NYプラチナ:992.9 ドル 4/14(木) ▼10.1(1.01%)
ドル円:109.39 円 4/14(木) ▲0.06(0.05%)
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