更新日:2016年6月30日(木)
英国のEU離脱ショックとなった24日、ドル円は106円81銭まで上昇して急反落、一時99円10銭台まで下落しました。その後の反発局面が続くなか、29日の高値では102円90銭台、今朝には一時103円ちょうど付近まで反発する場面もありました。24日の急落値幅7.65円に対する50%戻しが102円99銭。今朝時点で半値戻しを達成したことになります。
28日高値でも102円80銭台まで上昇しており、3日連続での半値戻し水準トライとなって、未だ超えられない状態でもあります。
ドル円との連動性が高い日経平均でも、24日高安の半値戻しとなる15626.59円を昨日29日の高値(15626.66円)で捉えていったん反落。今朝時点では再度この水準を超え、15700円台での攻防が続きます。
NYダウも同様に24日の高安値幅の半値戻し17651.49ドルの水準を、29日終値17,694.68で40ドルほど上抜けています。
なお、ショックの根源となった英国のFTSEでは24日高安値幅の半値戻しどころか、高値6338.60を、29日終値時点で上抜けてしまう全値戻しの状態です。
日経平均がさらに上値を伸ばし、61.8%戻しとなる15800円超えへと堅調に推移するようなら、ドル円も50%ラインを超えて61.8%ライン、103円80銭台辺りが視野に入るような展開も予想されるところです。
なお、リスク資産と逆行するNY金相場は、24日には100ドルを超える急騰となり、50%戻しラインは1307.7ドル。28日安値1308.2ドルでほぼ半値押しを達成。その後は調整一服後の反発となっています。
リスク回避に伴う急変動局面は、リスク資産の半値戻しと安全資産の半値押し達成で収束し、従来の流れに戻り始めた状況です。
また、長期的に見た場合、ドル円は円安トレンドスタート直前の2012年9月安値77円12銭から2015年6月高値125円84銭までの上昇幅に対する50%戻しが101円48銭。24日安値では大きくオーバーランしましたが、終値では102円台に戻し、翌27-28の安値では101円40-50銭台で反発する展開が続きました。
日経平均でも、2012年の9000円辺りから2015年の21000円寸前までの上昇幅に対する50%戻しが15,000円。24日には14800円台まで急落しましたが、翌27-28日には15000円前後が安値となって反発しています。
ドル円の101円50銭と日経平均の15000円の水準は、長期的な半値押しラインとして、下落基調が収束するのにもちょうど良い水準なのかもしれません。
なお、NY金相場の場合には2011年の史上最高値から2015年12月安値までの38.2%戻しラインが1380.9ドル。この水準にはあと一歩のところまで一時的には上昇しました。再度上値トライの流れとなった場合には、1380ドル程度までの上昇余地は十分に想定可能となり、いずれ、半値戻しとなる1480ドル付近も視野に入るような展開となってもおかしくはないかもしれません。
29日のNY金相場は0.68%の反発、終値では2014年7月11日(1337.4)以来ほぼ2年ぶりの高値水準。市場全体が英EU離脱ショックからの回復状態が続くなか、リスク回避の巻戻しに伴うドル安、EUと英国の交渉長期化への思惑と不透明感、米国の利上げ後ズレ観測などを背景に比較的堅調推移。一時1331ドルまで上昇し、1320ドル台の抵抗水準上抜けの兆しも見られたものの、今朝にかけては1310ドル台へと失速気味。高値保ち合いを形成し、改めてしっかりと上方ブレイクできれば目標水準1340ドル台辺りを目指す一段高の展開も。1310ドル台の保ち合い下限割れの場合には24日の急騰幅に対する61.8%戻しとなる1290ドル半ばが下値目安に。
NYプラチナ相場は3日ぶりの反発で3.31%の大幅高。3週間ぶりの高値水準となって大台回復、3%超の上昇は4月19日以来で今年6回目。1回しかなかった昨年からは大きく地合い改善を示す状況。この日は欧米株の大幅続伸に金の堅調推移、ドル安地合いに南アランドの大幅高などサポート材料が揃ったことにより、1000ドル手前での膠着状態から解き放たれた形。短期的には990ドルの保ち合い上限を上抜けたことによる上値余地1020ドル近辺に近い1012ドルまで急騰したことで、いったんは失速も予想される。目先は1000ドルの大台維持が課題、サポートラインは970ドル台に切り上げ。
ドル円はわずか0.07%のドル高円安で小幅続伸。金利上昇、株価上昇に堅調推移も概ね102円台後半での保ち合い状態。リスク回避の巻戻しによるドル安円安地合でドル円での円安は限定的。米5月のPCEコア・デフレーターが前年比+1.6%の予想通りで横ばい推移状態、PCEデフレーターは+1.0%予想に対して+0.9%とやや低調、悪くもないが良くもなく、インフレ上昇の兆しが見られない状態も続き、今後の米利上げに向けての支援材料にもならず。24日の高安の半値戻し、103円ラインとの攻防継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.09%の小幅高で3日ぶりの反発。今朝のNY時間外の金が失速状態にあり、円高局面からの戻りの円安も失速気味となって上値の重い状態が継続。6月半ばまでゆるやかに上昇していた90日移動平均線は下降気味に、その下で1カ月続いた下落基調から水平状態に移行してきた21日移動平均線に支えられるトレンドレス状態。4690円の抵抗線を超えることができれば、90日移動平均線の下降気味の流れを食い止める展開へ。
月間ベースでは+16円(0.35%)の小反発。鬼門の6月をわずかながらもプラス圏で切り抜けたことで、巻き返しの展開が期待される7月へ。
プラチナ価格は2.24%の大幅続伸。直近の下値目安3450円近辺到達後の反発の流れが急加速、2週間ぶりの水準となり、5月半ばから続いた下落トレンドからの脱出に向けて大きく前進。9日移動平均線と節目の3540円台を上抜けたことで、反発基調継続への可能性が高まる状況に。当面の上値目標水準は2月末と4月前半の安値揉み合い水準上限に相当する3630円近辺。
月間ベースでは-182円(4.87%)となり、大幅続落。
※参考:金プラチナ国内価格6/30とチャート
2016年6月30日(木)時点の相場
国内金:4,644 円 6/30(木) ▲4(0.09%)
国内プラチナ:3,557 円 6/30(木) ▲78(2.24%)
NY金:1,326.9 ドル 6/29(水) ▲9.0(0.68%)
NYプラチナ:1,011.3 ドル 6/29(水) ▲32.4(3.31%)
ドル円:102.83 円 6/29(水) ▲0.07(0.07%)
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