更新日:2016年10月5日(水)
三角保ち合い下方ブレイクなら、きっかけは雇用統計がポジティブ・サプライズとなった場合、との予想は見事に裏切られ、雇用統計前の下方ブレイクで大幅急落となった金相場。
4日のNY金相場は前日比-43ドル、3.28%の大幅安となって3日続落、ブレグジット直前の6月23日(1263.1)以来およそ3カ月半ぶりの安値水準に。下落率が3%を超えたのは2013年12月19日(-41.4ドル、3.35%)以来、2年10カ月ぶりのこと。なお、この時はFRBのテーパリング開始に伴う急落で1200ドルの大台割れとなった日。
時間外では、7-9月期に形成してきた三角保ち合い下限となる1310ドルの重要な節目ラインでの攻防が続き、NY市場朝にはまとまった売りが出た様子で1310ドルラインを割り込むと、1300ドルの大台ラインをスルーして1280ドルまで急落。NY市場終盤にかけて1270ドル付近までさらに値を下げる展開に。
年内利上げ観測にドル全面高、欧州銀行リスクやトランプリスク後退、さらにはECBのテーパリング観測など、背景には様々な要因があるものの、急落のきっかけとしては、3カ月間維持し続けてきた高値保ち合い状態でやや異常とも言える底堅さとなっていた1310ドルの節目ラインを下抜けたこと。これにともない、予想された下値目安1280ドル付近にも瞬間的に到達。
短期的には十分な下落幅をこなして達成感もあり、1300ドル前後が当面の上値抵抗線候補となってレンジ形成の動きも予想されるところだが、そのためには雇用統計がネガティブな結果となる必要も。そうならない場合には、一段安の展開も予想しなけらばならず、目安となりそうな水準としては1210ドル近辺。今年最安値1月4日の1061ドルから最高値7月6日の1377.5ドルまでの50%戻し(1219.3ドル)にも相当し、2月から5月までの保ち合い下限水準。
NYプラチナ相場は1.84%の大幅安で3日続落。6月28日(978.9)以来3カ月ぶりの安値水準をさらに更新し、予想通り1000ドルの大台はサポートラインとしては機能せず、下値目安990ドル台までしっかり到達。こちらも値幅としては目標水準到達で一服感も出やすいところ。当面は1030ドルが上値抵抗水準となり、下値警戒水準としては6月安値(955.3)でもあり、今年の上昇幅に対する61.8%戻し(959.7)となる960ドル付近。
ドル円は1.22%のドル高円安となって6日続伸。6日続伸は3月と8月に続いて今年3度め。東京市場午前中のうちに102円30銭台まで水準を切り上げて当面の上値目安102円台前半に到達すると、若干の揉み合い状態を経て欧州時間からNY時間にかけてもさらに上値を切り上げる展開に。ポンド安などの影響もありドル全面高の流れでドル円も9月5日(103.41)以来、1カ月ぶりのドル高円安水準。
中期的には1月末から続く下落基調の上値抵抗線と6月24日以降少しづつ切り上げてきた下値サポートラインとで形成する三角保ち合い上方ブレイクの兆し。ただし短期的には90日移動平均線や一目均衡表の雲の上限などにも上値を押さえられやすいところで雇用統計待ちへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/4終値とチャート
5日の国内金価格は2.18%の大幅反落。予想に反してNY金の早期保ち合い下方ブレイクによる急落に伴い、1月25日(4473)以来、8カ月ぶりの安値水準に。結果的に1月安値4385円から下値を切り上げ、3月高値4941円から上値を切り下げて形成してきた三角保ち合いを下方ブレイクした状態。今年安値から高値までの上げ幅に対する76.4%戻し(4516)水準を一気に下抜けたことで、さらなる下値警戒水準としては今年安値4385円から上には心理的節目4400円くらいしか見当たらない状況。ただし、短期的にはやや下げ過ぎの感もあり、若干の反発余地も。4600円が当面の抵抗水準。
プラチナ価格は0.99%の大幅続落。6月29日(3479)以来、3カ月ぶりの安値水準をさらに更新し、小さな三角保ち合い下方ブレイク後の下値目安3510円前後に到達。3600円台が当面の抵抗水準となって新たなレンジ形成へ。さらなる下値警戒水準としては6月安値3456円が意識され、2番底形成の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/5とチャート
2016年10月5日(水)時点の相場
国内金:4,497 円 10/5(水) ▼100(2.18%)
国内プラチナ:3,507 円 10/5(水) ▼35(0.99%)
NY金:1,269.7 ドル 10/4(火) ▼43.0(3.28%)
NYプラチナ:990.5 ドル 10/4(火) ▼18.6(1.84%)
ドル円:102.89 円 10/4(火) ▲1.24(1.22%)
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