更新日:2017年1月26日(木)
NYダウが初めて19,900ドルを超えたのが12月13日。そこから2万ドルトライに向けての攻防は延々と続き、年明け1月6日には19,999.63ドルまでの高値をつけて失速していました。そして約1カ月半に渡る攻防の末にあっさりと上抜けることになりました。トランプ大統領就任後の公約実行への動きもあり、減税や規制緩和、財政出動への期待値も一段と高まったことなどもNYダウの2万ドル超えを後押ししたようです。
NYダウが史上初の2万ドルを突破した日、NY金は1200ドルの大台割れ、そして世界最大手SPDRゴールド・シェアの金ETF残高は800トン割れとなっています。
NY金が1200ドルに到達したのは1週間前の1月17日、今回の1200ドル超えは1週間の短命に終わって反落へと向うのか、1200ドルラインの攻防を経て再び上昇トレンド再開へと向うのか、重要な分岐点に差し掛かっているようです。
同様に金ETF残高の800トン割れも重要な節目水準での攻防に入った状態と言えそうです。25日時点で799.07トンとなった金ETF残高は、昨年3月16日(795.2トン)以来、10カ月ぶりの水準となっています。11月初旬のトランプ相場スタートとともに、NY金の下落に連れて減少スピードを速め、年初の9日には810ドルを割れて805ドルまで減少していました。そして、NY金の反発とともに減少傾向も下げ止まり、13日には807.96トン、20日には809.15トンへと3カ月ぶりに増加する場面も見られはじめていました。
金ETF残高の800トンラインも、NY金の1200ドルラインと同様、過去にも抵抗水準やサポート水準となってきた節目的な水準であり、2013年から2014年にかけてもNY金のサポート、金ETFのレジスタンスラインとなっていました。
NYダウとNY金相場との関係性は、常に逆相関が強いとは限りませんが、リスクオン・オフが意識される局面では逆方向へと向うケースが多くなります。
正の部分と負の部分が交錯するトランプ政策の動向によっては、一時的に方向性が乱れる場面もありそうです。
短期的にはトランプ期待によってNYダウが節目を突破、NY金とETF残高は節目を割れる状態となっていますが、重要水準での攻防はまだしばらく続くことになるのかもしれません。
25日のNY金相場は続落で1.07%の大幅安。NY市場寄り付きと同時にダウの2万ドル突破、これに連動する形でドル高・長期金利上昇の流れとなり、金は1200ドル台後半から1190ドル台前半まで急落。ただ、トランプ相場再燃に向けたリスクオンの流れが一方的に続くことはなく、メキシコ国境の壁建設などへの大統領令に署名などマイナスイメージとのうらはら。NY引け後の時間外では1200ドルを回復しており、一方向への流れが加速しそうな状況でもなさそう。1200ドルでサポートされる状態が続くようなら1220ドルまでのレンジ形成へ、再度1200ドルをしっかり割り込むようなら1170ドル台までの下落リスク。上限突破の場合には1250ドル近辺を目指す流れへと発展する可能性も。
NYプラチナ相場は2.59%の大幅安となり4日ぶりの反落。前日の急騰からの反動で時間外には1000ドル割れとなっていた状態からNY市場朝の株高の流れに連動する形で一時的に1000ドルの大台回復。しかし、金の急落に引っ張られる形で970ドル台半ばへと急反落。結果的にNYダウ2万ドル到達の日にプラチナは1000ドルの大台割れ。上下に激しくブレる展開の後、この1月の中心レンジ980ドル前後の保ち合い水準に。目先は950ドル台から1010ドルまでの広めのレンジ内で落ち着きどころを探る展開に。
ドル円は0.45%のドル安円高へと反落。NYダウ2万ドル到達とともに113円90銭台まで上昇したのがこの日の高値となり、その後は失速。114円ラインが重くなり、ダブルボトムへの可能性を残した112円台半ばも再度意識されそうな状況に。底割れの場合には111円近辺までは下値余地拡大へ、114円超えできれば115円半ばまでの反発余地も。さらに短期的なダブルボトム、もしくはトリプルボトムのネックラインとなる115円半ばも突破できれば今年高値圏への再トライの望みも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/25終値とチャート
26日の国内金価格は1.1%の大幅反落で年初来安値。21日移動平均(4689)を若干下回ったものの、年末年始の急騰局面からの調整としては妥当な範囲か。短期的には下方向優勢へと変化しつつある状況も、昨年10月安値(4473)から今年1月高値(4758)までの38.2%戻し(4649)をまだ上回り、中期的にはゆるやかな上昇基調を維持する状態。
プラチナ価格も1.03%の大幅反落。NYプラチナの急騰局面が単発的に終わった形となっており、保ち合い上抜けに伴う急騰局面形成への動きも巻き戻され、元の保ち合い水準へと回帰。あらためて近年の主要レンジ上限3900円が当面の抵抗水準となり、再度上抜けできるようなら3900円台半ばまでの上値余地拡大へ。3820円を割り込んだ場合には3700円付近まで大幅下落の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格1/26とチャート
2017年1月26日(木)時点の相場
国内金:4,677 円 1/26(木) ▼52(1.10%)
国内プラチナ:3,856 円 1/26(木) ▼40(1.03%)
NY金:1,197.8 ドル 1/25(水) ▼13.0(1.07%)
NYプラチナ:981.7 ドル 1/25(水) ▼26.1(2.59%)
ドル円:113.28 円 1/25(水) ▼0.51(0.45%)
Copyright(C) Let's GOLD