更新日:2017年2月23日(木)
全米不動産業者協会(リアルター協会【NAR:The National Association of Realtors】)が22日発表した米1月の中古住宅販売件数は、年率換算で市場予想の555万件を大幅に上回り569万件。住宅市場のピークとなっていた2007年2月以来、ほぼ10年ぶりの高水準へと急増しました。549万件から551万件へと上方修正された1月からも+3.3%の大幅増。
2015年半ば以降、540万件台を上限に横ばい推移が続いていた状態から、10月に550万件を超えてからは増加傾向が鮮明となってきました。
これを受けて堅調過ぎる推移が続くNYダウは、前日終値水準を下回る20,700ドル台前半から後半へと上昇基調を強め、一時20,780ドル台まで上昇、終値でも20,770ドル台となって9日連続の最高値更新。終値ベースで9日連続過去最高値更新となるのは1987年1月以来、30年ぶり。
なお、過去最高値更新ではない日を含めての9日続伸は、昨年7月以来半年ぶり。その前の9日続伸以上は2013年3月の10日続伸。
過熱感MAXの状態での上昇基調がとまらないNYダウに対して、米長期金利の伸び悩みとともにドルインデックスも伸び悩み、ドル円も膠着状態が強まる状況となってきました。
これまでFOMC投票権を保有する地区連銀総裁のなかではミネアポリス連銀のカシュカリ総裁を除いて早期利上げ肯定発言が聞かれ、この日はパウエル理事からも「比較的早期の利上げ適切」発言も聞かれたことを裏付けるようにFOMC議事要旨では多くのメンバーが早期利上げを支持していることが示されています。
しかし、時期を示唆する内容はなく、財政政策などトランプ政策による影響への不確実性を注視し、見極めに時間を要することなども示唆されています。
CMEフェドウォッチでの3月利上げの織り込み度合いは、1週間前の13%台から22.1%へと上昇してはいますが、依然12月の25%を下回るレベルでの推移にとどまり、本命は6月との見方は変わらない状況です。
ドル買いもドル売りも限定的となる状況に伴い、金価格も高値圏での膠着状態が続きます。
22日のNY金相場は0.45%安となり3日続落。フランス大統領選への警戒感などからユーロ安ドル安傾向が強まった欧州市場では堅調推移、NY市場朝には一時1240ドル超え。しかし、バイル氏が大統領選不出馬でマクロン前経済相を支持するとの表明で警戒感後退、ユーロ高ドル高へと買い戻され、金は1231ドルまで軟調推移。引け後のFOMC議事要旨ではドル高リスクの指摘にドル急落、これに伴い1230ドル台後半へと急反発。ただし値動きは限定的となり、1240ドル台では抵抗感も。1220-40ドル台での高値揉み合い状態で方向感模索の状態へ。下限割れで1200ドル近辺までの下押し、上限突破なら上値トライ再開で1270ドル台も視野に。
NYプラチナ相場は0.33%の下落。上下の変動幅は10ドルに満たない小動きとなり、1000ドルから1020ドル台までのレンジで上値を徐々に切り下げる形での保ち合い推移、1000ドル割れを何度か試す状態となり、下値警戒感も高まる状況に。1000ドルの大台を完全に下抜けると960ドル台辺りまでの調整局面形成へ。1020ドル台後半へと反発するようなら上昇基調再開で1050ドル近辺が上値目標に。
ドル円は0.34%のドル安円高となり3日ぶりの反落。フランス政局不安に伴うリスク回避、警戒感後退へとユーロ主導の展開で113円割れまで下落後には113円50銭台まで反発。FOMC議事要旨でのドル高懸念には再び112円90銭台までの急落。今朝にはムニューチン米財務長官の「強いドルは米経済への信頼を反映」発言などもあり113円台前半へと持ち直し。3月利上げに向けては決め手を欠き、リスク回避も強まらず、112円台後半から113円台後半へとレンジ幅を縮小する形で保ち合い状態が継続。上抜けなら115円台へ、下抜けなら111円台までの変動も見込まれる状態で目先しばらくは保ち合い継続か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/22終値とチャート
23日の国内金価格は0.1%の小幅安で3日ぶりの反落。NY金も為替も膠着感が強まる状態となり、近年の主要レンジ上限4800円を挟んでの保ち合い状態が継続中。この水準を完全に上抜けるにはそれなりに時間を要することも予想され、実際にそのとおりの状況となり、結果的には反落へ、との警戒感も高まるところ。保ち合い上方ブレイクなら、中長期的にも短期的にも大幅上昇へと向う可能性は高まり、当面の上値目標は4900円台へ。同様に下方ブレイクなら4700円近辺が当面の下値目安に。
プラチナ価格も3日ぶりの反落で0.15%の小幅安。3870円から3940円台までの広めのレンジ中央付近に位置し、こちらも近年の主要レンジ上限3900円ラインを挟んでの保ち合いから、上下に抜け出しそうで抜け出し切れない状態が継続中。やはり上抜けなら中長期的にも短期的にも大幅上昇への可能性は高まり、ダブルボトムのネックラインとなる2015年7月高値4072円トライが次なる目標に。逆に下抜けなら100円以上の大幅下落も想定され、目安水準は3700円台前半も。
※参考:金プラチナ国内価格2/23とチャート
2017年2月23日(木)時点の相場
国内金:4,817 円 2/23(木) ▼5(0.10%)
国内プラチナ:3,905 円 2/23(木) ▼6(0.15%)
NY金:1,233.3 ドル 2/22(水) ▼5.6(0.45%)
NYプラチナ:1,002.7 ドル 2/22(水) ▼3.3(0.33%)
ドル円:113.29 円 2/22(水) ▼0.39(0.34%)
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