更新日:2017年4月24日(月)
隠れルペンの存在、反EU派どうしの決戦投票など最悪シナリオも事前には想定されてはいたものの、その確率は極めて低いとの見方が今回は正しかったようです。
昨年2回も経験した想定外の選挙結果により、世論調査やブックメーカーの予想が当てにならない場合もあることも学習済で、市場の警戒感もそれなりに高まっていたようです。
またしても想定外の結果なら、今回も最もダメージを受けることになっていたであろう東京市場では、マクロン、ルペン両氏の決選投票進出という「想定外」を回避する結果を受けて日経平均は260円超の大幅高でのスタートとなりました。
米10年債利回りも急騰し、2週間ぶりに節目の2.3%台を回復。為替はユーロが対ドルで200ポイント弱の急騰、その他通貨に対してもドル安となってドル・インデックスは先週末の99.8ポイント近辺から98.8ポイント台まで1ポイントほどの急落スタート。ドル円だけはドル高円安となって110円台へと1円超の円安スタート、早朝シドニー時間には110円台半ばまで急騰していました。
ドルインデックス急落のドル安地合いにも関わらず、NY金は1266ドルまでの急落スタート。予想以上に強まっていた欧州政局リスクへの警戒感後退と、これに伴う米長期金利急騰を受けて金も急反落ですが、ドル安地合いにも支えられて下げ幅は限定的となり、1270ドル台半ばへと反発傾向となっています。
仏大統領選での想定外回避に伴い、金は想定内の反落となった形です。
これで市場の安心感も高まり、26日発表予定の大型減税を含む米税制改革案への期待からのリスク選考地合いへ、との安易な展開にもなかなか進みにくいようにも思われます。
北朝鮮情勢を巡る緊張感も再び高まる兆しもあり、米税制改革案が市場期待に届かない可能性もあり、その財源には不透明感がつきまとう状況。週末発表予定の米1-3月期GDP速報値が予想以上の低迷、という結果にでもなれば、今度は想定外の結果を受けて再び金価格が押し上げられるような展開も予想されそうです。
24日の国内金価格は0.21%の反落。今朝の時間外でNY金は1260ドル台半ばまで急落、為替は早朝に1ドル=110円台半ばまで急騰し、いずれも短期的な目安水準に到達したあと巻き戻しの流れとなる状況。国内金価格の下げ幅も限定的となり、4800円から4830円までの小幅レンジを維持。流れとしては上向き優勢の状況で上限突破なら今年高値再トライへの可能性も継続。
52週移動平均線は現時点で4689円となり、ゆるやかな上昇基調で5週続伸め。なお、週末価格で近年の主要レンジ上限4800を上回る状態は現在3週目。これまでもこの水準を超えると急騰・急落のパターンが多く、週末価格での4800円超は2週連続ないし4週連続まで。今回は急騰パターンとはなっておらず、ゆるやかな上昇基調で新たな展開か、もしくは力尽きての反落か、という状況に。
プラチナ価格はわずかに1円高で続伸。今朝のNYプラチナの下げ幅は金に比べてもかなり限定的となり、一時的に970ドルを割れた程度で反発。円安にも支えられ、3630円台から3690円までの保ち合いレンジ上限付近での足踏み状態に。52週移動平均線は3730円となり、ゆるやかに3週続落。目先、保ち合い上限突破できれば52週線を超えて一段高の展開へ、ただし下限割れの場合には反落の流れとなって近年の主要レンジ下限3500円も意識される展開となり、3530円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/24とチャート
2017年4月24日(月)時点の相場
国内金:4,817 円 4/24(月) ▼10(0.21%)
国内プラチナ:3,684 円 4/24(月) ▲1(0.03%)
NY金:1,289.1 ドル 4/21(金) ▲5.3(0.41%)
NYプラチナ:977.6 ドル 4/21(金) ▼3.6(0.37%)
ドル円:109.12 円 4/21(金) ▼0.20(0.18%)
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