更新日：2017年5月22日(月)
米トランプ政権のロシアゲート疑惑が続くなか、日曜夕方には北朝鮮が今年8回目の弾道ミサイル発射。密かに警戒されていた週末のイラン大統領選では現職のロウハニ大統領が再選を果たしたことで、さらなる波乱の目が拡大することはなかったものの、米政局リスクと地政学リスクは継続状態の週明け。
時間外のNY金は1258ドル手前まで上昇してスタート後、1250ドル台前半へと値を戻す展開。ドル円は早朝オセアニア市場では111円割れも東京市場スタート後には一時111円60銭台まで反発。マーケットはリスク回避一服の反応で比較的静かな週明けを迎えています。
国内金価格の2017年ここまでの年間平均価格は4780円。2016年の年間平均4660円からは120円上昇し、過去10年間では2015年の4838円に次ぐ2番目の高水準となっています。
過去1年間の平均価格は4694円、52週移動平均では4697円。52週移動平均線は緩やかな上昇基調を描き、2016年5月30日からの週（4703円）以来、1年ぶりの水準。現在の金価格は52週移動平均線を上回る水準での推移が17週目となり、上方乖離率は2.6％。2月末と5月第1週の3％台に次いで今年3番目。
そして、2015年後半以降の主要レンジとなってきた4500円から4800円までの上限ラインとの攻防が続く状態となっています。これまでは、レンジ上限4800円を超えると、急騰・急反落のパターンで概ね3週間程度でレンジ内へと吸収され、さらに水準を切り下げるような展開が続いてきました。今年も2月末の急騰局面では従来どおりのパターンか、とも思われましたが、その後の下落幅は限定的となって4月に再び上限を超え、高値圏での保ち合い状態に。
流れは確実に変化してきているようです。下値も着実に切り上がる状態が続き、中期トレンドは本格的に強気相場入りへと向かっているかのようにも見えます。
22日の国内金価格は4営業日ぶりの反発となり0.63％高。16日の4816円をわずかに上回り、5月2日（4839円）以来20日ぶりの高値水準。右肩上がりの90日移動平均線（4784円）手前で反発し、抵抗線となりつつあった21日移動平均線（4814円）も半月ぶりに上抜け。4780円から4820円までの短期保ち合いレンジ上限に達した状態となり、もう一段上値を伸ばすことができれば、短期的には反発局面形成への流れが加速しそうな状況に。4820円超えなら5月高値を超えて3月高値付近、4880円近辺までが当面の上値目標水準に。90日移動平均線を割れて下方向へのトレンド発生への警戒感も残り、その場合には3月安値を下回り、2月初旬の水準4710円近辺までが下値目標に。
プラチナ価格の今年の年間平均は3769円。2016年の3688円からは80円ほど上昇してはいますが、2010年以降の8年間で4000円割れは2016年と今年のみ。
過去1年間の平均価格では3718円、52週移動平均は3710円。52週線は金とは対称的にゆるやかな下落基調となり、1月9日からの週（3703円）以来4カ月ぶりの低水準。この52週線を下回る状態は連続10週目となり、下方乖離率は2.5％。
中期トレンドでは軟調推移が続くプラチナ価格は、2015年末以降の主要レンジ3500円から3900円までの下限も意識される水準にあります。ただし、現状では近いうちに下限割れへと向う可能性はかなり低いものと予想されます。また、万が一下限を割り込んだ場合でも、従来どおりのパターンであれば、3週間ほどでレンジ内へと急反発する展開も期待されますが。
プラチナ価格は0.78％高となり、3日ぶりの反発。9日移動平均線（3614円）をかろうじて上抜けた程度で反発力にはそれほど力強さも見られない状況。ただし、5月に入ってからは9-21日移動平均線との攻防で3560円から3660円台まで100円の値幅での乱高下状態となっており、ピーク水準での乱高下からの反転を示唆している可能性も。ただ、反発基調が加速する為には目先の節目3660円台を上抜ける必要があり、その場合には3780円近辺を目指す短期上昇トレンド形成の可能性。逆に3580円台を割り込むようだと安値更新へと一段安の可能性、目標水準は近年の主要レンジ下限付近となる3510円近辺まで。
※参考：金プラチナ国内価格5/22とチャート
2017年5月22日(月)時点の相場
国内金：4,818 円 5/22(月) ▲30(0.63％)
国内プラチナ：3,616 円 5/22(月) ▲28(0.78％)
NY金：1,253.6 ﾄﾞﾙ 5/19(金) ▲0.8(0.06％)
NYプラチナ：940.2 ﾄﾞﾙ 5/19(金) ▲3.4(0.36％)
ドル円：111.22 円 5/19(金) ▼0.27(0.24％)