更新日:2017年6月5日(月)
米商務省が先週末に発表した4月の貿易収支は476.17億ドルの赤字。赤字幅は前月比5.8%拡大し、2カ月連続の拡大。2012年3月(-502.2億ドル)以来4年10カ月ぶりの大幅赤字となった今年1月(-487.86億ドル)以来の赤字額となっています。
2012年から2013年まで縮小傾向となっていた米国の貿易赤字は、2014年以降は拡大傾向が続く状態です。
輸出額は1909.75億ドルで2カ月連続の減少、4カ月ぶりの水準に。2年2カ月ぶりの高水準となった2月(1916.79億ドル)がピークとなり、2016年以降の増加傾向にも失速感が見られ始める状況に。
輸入額は2385.92億ドルとなり、3月からは0.8%の増加も2年1カ月ぶりの高水準となった1月(2402.82億ドル)は超えられず、やはり2016年以降の増加傾向もいったん頭打ちの状態。
貿易赤字の拡大傾向は続くのに対して、輸出入額はいずれも伸び悩み傾向となり、第2四半期の経済成長の足を引っ張る可能性を示唆する形となっています。
国別の収支では対中国の貿易赤字が拡大し、貿易赤字額に占める中国の割合は2月の51%から4月には58%まで拡大しています。なお、ドイツ(11.5%)、日本(10.9%)、メキシコ(13.2%)は横ばいからやや減少。
米国の貿易赤字の大半を占める中国との「100日計画」は、対中赤字拡大傾向が続くなかでのスタートとなっています。
7月の貿易収支で対中赤字額が縮小していたなら、トランプ大統領の自画自賛アピールのツイートが見られることになりそうです。
そうならなければ、外交政策などでの変化も警戒される状況にもなりかねません。
さらに、全体の輸出入額が頭打ち状態から抜け出せていないような場合には、FRBの金融政策にも大きな影響が及び始めていることにもなりそうです。
5日の国内金価格は0.23%高となって3営業日続伸。5月1日の4863円と並び、3月2日の今年高値4886円に次ぐ高値水準。週末の雇用統計が市場期待を裏切る結果となったことで急騰したNY金は今朝の東京市場でも1280ドル台を維持し、為替は1ドル=110円半ばで上値の重い状態が継続。上昇基調が続く90日移動平均線に支えられる中期上昇トレンドも継続、当面の上値目標としては今年高値を更新する可能性が高まり、4900円近辺まで。英総選挙、コミーFBI前長官の公聴会、ECB理事会などが集中する8日以降にリスク警戒感やドル安傾向が強まることになった場合には行き過ぎの展開も。第2目標水準としては2016年高値、4940円近辺まで。
プラチナ価格は1.25%、45円の大幅反発。金曜日の下落幅47円をほぼ取り戻し、下値トライスタートかと思われた流れはいったん巻き戻し。荒い値動きが続く不安定な状態にあり、中期トレンドは下方向優勢となるなかでの底値保ち合い状態が継続。NYプラチナが週末急騰後の水準950ドル台を維持できるかどうかが国内価格の方向性を左右。目先3640円を超えると、上向き優勢となって目標水準は3760円近辺へ。あらためて3590円割れの場合には下値再トライへ、目安水準は3500円を割れて3400円台半ば辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格6/5とチャート
2017年6月5日(月)時点の相場
国内金:4,863 円 6/5(月) ▲11(0.23%)
国内プラチナ:3,635 円 6/5(月) ▲45(1.25%)
NY金:1,280.2 ドル 6/2(金) ▲10.1(0.80%)
NYプラチナ:953.4 ドル 6/2(金) ▲24.4(2.63%)
ドル円:110.43 円 6/2(金) ▼0.93(0.84%)
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