更新日:2017年6月16日(金)
14日のFOMC経済見通しでは、2017年のGDP見通しを前回の2.1%から2.2%へと引き上げ、イエレン議長会見では「景気は第1四半期に減速した後、回復したもよう」との発言もありました。しかしISMの製造業、非製造業の景況感指数や各地区連銀の製造業景況指数などでは第1四半期にピークをつけて第2四半期に低迷の兆し、も見られる状況となっていました。
特にNY連銀製造業景況指数は5月に予想を大幅に下回り、7カ月ぶりの節目割れとなる-1.0の低水準となっていました。
6月には多少の反発も見込まれ、市場予想は5.0程度となっていましたが、結果は予想外の大幅上振れで19.8。2014年9月(30.2)以来2年9カ月ぶりの高水準へと急反発。内訳では出荷指数が22.3となり、これも2014年9月(25.1)以来、2年9カ月ぶりの高水準となった他、新規受注が5月の-4.4から6月は18.1へと大幅急騰。半年後の見通しを示す期待指数も4カ月ぶりの40ポイント台となる41.7へと上昇。
傾向を示す総合指数の6カ月平均も6月は10.9へと上昇し、2015年2月(11.4)以来2年4カ月ぶりの高水準となり、第2四半期に失速の兆しは一転、加速傾向を示す状況となっています。
同じ日に発表されたフィラデルフィア連銀製造業景況指数は、5月の38.8から6月は27.6へと低下。33年ぶり高水準となった今年1月の43.3からは上値を切り下げる形となってピークアウト警戒感は残るものの、今回は市場予想の24.9を上回っており、6カ月平均では5月の30.0から6月は31.4へと上昇。1984年6月(34.1)以来、33年ぶりの高水準となっています。
フィラデルフィア連銀製造業景況指数の傾向としては、歴史的高水準での高止まりが続く状況です。
また、FRBが発表した5月の鉱工業生産は、前月比+0.2%の予想に対して0.0%と下振れ。ただし、4月の+1.0%は+1.1%に上方修正され、2010年5月(1.5%)以来7年ぶりの伸び率となっていたことに。これも3カ月平均では4月に+0.5%、5月は+0.4%へとやや低下も、昨年末の-0.1%、2015年の-0.4%からは着実に上昇傾向が続く状況にあります。
FOMCでのタカ派見通しにも支えられるように、第2四半期に好調を示す指標も見られ始めています。
15日のNY金相場は1.67%の大幅反落、5月24日(1253.1)以来3週間ぶりの1250ドル台。前日引け後のFOMC直後に1280ドル台から1260ドル割れへと急落した後、いったんは1260ドル台半ばへと戻していたものの、FOMC前の水準には戻し切れず、欧州・NY市場にかけてはドルの買い戻しと金利反発の流れに押される形で軟調推移。上昇基調の90日移動平均(1250.1)に支えられて下げ止まった状態も、もう少しの下落余地を残す状況。下落基調の200日移動平均(1242.9)辺りまでが目先の下値目安に。上方向には1280ドルラインが当面の抵抗水準となり、超えると1300ドル台再トライへ。
NYプラチナ相場は3.21%の大幅反落。前日朝の930ドル台からは小幅に軟調推移の展開となってNY朝にかけて930ドル割れ、一時920ドル割れも試して5月12日(917.5)以来1カ月ぶりの安値水準。結果的には3日連続2-3%の上下動を繰り返す乱高下状態となり、この日の下落率は今年最大。不安定な動きで保ち合い下限920ドルをなんとか維持する状態。このまま下方向へと抜け出すと下げ幅拡大へ、今年安値を更新し、昨年12月安値圏となる880ドル近辺までが下値目安水準に。
ドル円は1.24%のドル高円安となって111円手前までの大幅反発。109円半ばでの揉み合い状態から、イングランド銀行の金融政策会合で利上げ支持が前回までの1人から3人に増えたことをきっかけとしたポンド買い急進で為替市場が活性化。ポンド円急騰に連れる形でドル円も買われ、NY市場での米経済指標の好結果などにも後押しされて6月1日(111.36)以来、半月ぶりの水準を回復。米金利反発で日米金利差拡大も意識される形となり、1円(1%)超の上昇は2カ月ぶりで今年4回め。52週移動平均(108.89)に支えられて反発し、短期上限となりつつあった200日移動平均(110.56)を上抜けたことで、上値余地は111円半ばまで拡大。目先は長期重要水準、20カ月移動平均(111.16)との攻防へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/15終値とチャート
16日の国内金価格は0.61%の反発。半年ぶりの90日移動平均線割れからやや下げ渋る形に。半年前には上抜けをかけた攻防が続いたのに対し、今回は下抜けをかけた攻防継続の様相に。同時に下値目安4700近辺を目指す下落基調継続か、巻き戻しをかけた攻防に。
週間ベースでは-34円(0.7%)の続落。
プラチナ価格は0.23%の小幅反落。3510円台辺りまで若干の下げ余地を残す下落基調は継続も徐々にその勢いは失速。3590円の節目超えへと反発できれば短期トレンド転換で3650円程度までの上昇局面形成へ。ただし、NYプラチナが一段安へと向うことになると、これに引っ張られる形となって3500円割れへのリスクも。
週間ベースでは-21円(0.59%)となって3週続落。
※参考:金プラチナ国内価格6/16とチャート
2017年6月16日(金)時点の相場
国内金:4,803 円 6/16(金) ▲29(0.61%)
国内プラチナ:3,542 円 6/16(金) ▼8(0.23%)
NY金:1,254.6 ドル 6/15(木) ▼21.3(1.67%)
NYプラチナ:921.3 ドル 6/15(木) ▼30.6(3.21%)
ドル円:110.92 円 6/15(木) ▲1.36(1.24%)
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