更新日:2017年7月10日(月)
~そして、新たなトレンド形成へ~
国内金価格の週足で見る21週標準偏差は、6月末と7月第1週には29となり、今週10日時点では30へとわずかに拡大の兆し。2009年以降、8年半での最低水準にあり、40を下回ったのも2014年11月に39まで低下した1度だけ。国内金価格は歴史的低ボラティリティとなり、トレンドレス状態にあることを示します。
歴史的にも、これ以上ボリンジャーバンドが縮小し続けることは想定し難く、今後は拡大傾向へと向かいやすい状況にあり、新たなトレンド形成への前触れを示唆する状況とも言えます。
足下では、6月後半に21週移動平均を下回り、7月に入って-1シグマをわずかに下抜けた水準となり、昨年10月安値から右肩上がりに推移してきたサポートラインを割り込み、6月7日の4867円を起点に上値を切り下げる展開がスタートしているようにも見えます。
NY金がダブルトップを形成して下値模索の展開へと向う可能性が出てきたことや、国内価格の短期見通しとしては保ち合い下抜けの兆しとなっていることなどから、今後ボリンジャーバンドの拡大傾向が進行した場合には、下方向への流れが加速して行く展開を予想せざるを得ない状況となってきました。
10日の国内金価格は前週末から変わらず。最近の保ち合いから下抜け始め、3月27日(4764)以来3カ月半ぶりの安値水準での横ばい推移となり、下げ渋る状態も短期トレンドは下向き。週末の米雇用統計を好結果と捉える見方が優勢となり、NY金の上値の重さが国内金価格の重石に。今朝の東京市場では時間外のNY金が1210ドル台前半での小動き、為替は1ドル=114円台へとややドル高円安方向への推移となって一時的には国内価格を下支え。短期的にはドル円の上値は114円前半で押さえられる可能性もあり、NY金も1200ドルの大台ラインが目先のサポート水準となることも想定され、国内価格の変動幅も限定的となる可能性も。ただし方向感が変わらない限り、ゆっくりと下落基調が進行するとの見方も変わらず、当面の目標水準は4680円台辺りまで。
プラチナ価格の21週標準偏差は7月10日時点で104。金との価格水準との違いも考慮すれば、ボラティリティはそれほど低下していない、とも言える状況です。しかし、プラチナ価格として104という数値は2015年6月末(87)以来、2年ぶり低水準。100を下回る水準となったのは、2009年以降ではこの2015年6月末の週と2014年8月から9月までの6週間の合計7週のみ。プラチナ価格の場合も、歴史的には最低水準レベルの低ボラティリティとなり、ボリンジャーバンドは若干の縮小余地はあり得るものの、拡大傾向へと転換しやすい時期に来ているとも言えそうです。
プラチナの場合は4月以降、下向きの-1シグマラインでのバンド・ウォークが続く下落基調。しかし足下では-1シグマラインは下げ渋り、-2シグマは既に反転、バンドは急縮小傾向となり、価格ラインは2月末高値からの下落トレンドのレジスタンス・ラインを上抜けの兆し。ただし、21週移動平均線は依然下落基調が続く状態にあり、現状は下げ止まりをかけた攻防中、という状況。
10日のプラチナ価格は0.82%上昇し、3営業日ぶりの反発。NYプラチナが雇用統計後の下落でも900ドルの大台を割れずに反発した流れを維持していることにサポートされ、国内価格は3540円から3600円までのレンジ下限付近から反発に転じた状態。金との価格差も5月30日(1177)以来、2カ月半ぶりの1200円割れとなる1195円へと縮小。ただし、今朝の時間外でNYプラチナは910ドルラインで上値を押さえられて小幅に反落の兆しもあり、国内価格の持続的なサポートを期待できる状況にもなさそう。流れとしてはゆっくりと反発方向へと傾斜しつつある状況にも見えるものの、今年の底値圏での保ち合いからは抜け出し切れない状態も継続。3600円超へと抜け出すことができれば上昇トレンド形成への可能性が高まり、当面の目標水準は3月後半高値圏となる3750円近辺まで。逆に3540円ラインを割れると今年安値(3529円)更新とさらなる下落トレンド形成への可能性が高まり、目標水準は昨年10月安値圏3350円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格7/10とチャート
2017年7月10日(月)時点の相場
国内金:4,770 円 7/10(月) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,575 円 7/10(月) ▲29(0.82%)
NY金:1,209.7 ドル 7/7(金) ▼13.6(1.11%)
NYプラチナ:904.1 ドル 7/7(金) ▼6.2(0.68%)
ドル円:113.92 円 7/7(金) ▲0.70(0.62%)
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