更新日:2017年10月23日(月)
想定どおりとは言え、自民・公明の与党だけでも改憲発議可能となる3分の2以上の議席を獲得して圧勝したことにより、安倍長期安定政権確立への流れを好感する海外勢は日本株買いに続き、円安の流れもサポートした様子です。
野党分裂の結果でもあり、他に選択肢がなかったというのが本音という人も多かったのではないかとも思われますが、それでも最近の欧米先進各国と比較すれば日本の長期安定政権は際立つことになります。G7首脳のなかではメルケル独首相に次ぐ長期参加者の座を維持し、そのメルケル首相も連立で苦労していることを考慮すれば、民主主義国のなかでは世界で最も安定した長期政権ということにもなりそうです。
5000円台の高値圏を維持した国内金価格の20週移動平均は、今朝時点で4895円まで上昇し、2015年8月24日からの週(4895)以来2年2カ月ぶり高水準となっています。価格はこの20週移動平均から+2.3%上方乖離しており、強気相場が続いていることになります。
過去には、2012年末の総選挙で安倍第1次政権誕生後のリフレ期待で翌2013年4月の日銀バズーカと呼ばれた量的質的緩和発表までの時期にも円安基調が加速し、NY金の軟調推移をカバーして国内金価格高騰期を形成しました。
2014年秋には、黒田バズーカ第2弾となった日銀追加緩和と消費増税延期で円安が加速、この時も国内期金価格を押し上げることになりました。いずれもその時期の前後で国内金価格はその年の高値を記録しています。2013年4月には5255円まで上昇し、2015年1月には5298円まで上昇しました。
今回は、欧米の金融政策が緩和出口に向かっていくのに対し、日本では大規模緩和継続を支持する政権続投となることで円安期待も若干高まることにはなりましたが、さらに円安期待が高まるような新たな材料には乏しく、過去2回ほどの急激な円安が進みそうな状況ではなさそうです。
長期政権をある程度好感し、円安基調にも支えられて高値圏での保ち合いを維持する国内金価格ですが、期待感がいつ剥落することになるのか、疑心暗鬼の保ち合い状態?という可能性にも警戒が必要かもしれません。
23日の国内金価格は先週末からわずに1円上昇し3日続伸。与党圧勝を受けての円安に支えられて5000円台を維持し、今年高値圏での保ち合い状態が継続。週明けの東京市場朝はドル円が7月11日以来、3カ月半ぶりの114円台にワンタッチしたところで一服状態となり、時間外のNY金は1270ドル台で下げ渋る状況。過去最長となる15連騰をかけた日経平均もやや伸び悩み、ある程度織り込み済でもあった国内総選挙の結果は既に消化済の状態に。目先は4970円台から5020円台までのレンジで方向感を探る状況となり、上抜けて行くようなら2015年6月高値圏となる5100円近辺が目標水準、下抜けてしまうと調整局面拡大で4880円台辺りまでが下値目安に。
プラチナ価格の20週移動平均は3620円台での横ばい推移が続いています。低水準での安定推移、という状態となってきました。価格レベルはこの20週移動平均をはさんでの保ち合い傾向となり、2016年後半から下値を切り上げてきたサポートラインを一時割り込んだものの、再びこのライン近辺まで戻してきたところです。
長期三角保ち合い圏内に完全回帰となるのかどうかは、やや微妙な状況でもあります。
新たに、3550円の水平ラインが比較的長めのサポートラインにもなりそうな状況ともなってきています。
23日のプラチナ価格は0.56%高となって3営業日ぶりの反発。時間外のNYプラチナは軟調推移でのスタートとなり、920ドル割れを試す状況。これを円安がカバーし、今年安値圏へと再度押し込まれつつあった流れを押し戻した状態に。3590円台から3650円台までの保ち合い形成の様相となり、上抜けなら3700円台回復を目指す展開へ、下抜けなら今年安値再トライへと向う確率が高まり、下値目安は3520円台まで。
※参考:金プラチナ国内価格10/23とチャート
2017年10月23日(月)時点の相場
国内金:5,008 円 10/23(月) ▲1(0.02%)
国内プラチナ:3,616 円 10/23(月) ▲20(0.56%)
NY金:1,280.5 ドル 10/20(金) ▼9.5(0.74%)
NYプラチナ:926.8 ドル 10/20(金) ▲0.9(0.10%)
ドル円:113.50 円 10/20(金) ▲0.96(0.85%)
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