更新日:2017年11月23日(木)
米商務省が発表した10月の耐久財受注は、前月比+0.3%程度の市場予想に反して-1.2%と大きく下振れました。輸送用機器を除く数値では前月比+0.4%も市場予想の+0.5%をやや下回る水準となり、民間設備投資の先行指標とされるコア受注(航空機を除く非国防資本財)は-0.5%となり、6月(-0.1%)以来4カ月ぶりのマイナス。
低調な結果を受けてNY市場ではこの後、金利低下と株安ドル安の流れが進行しました。
ただし、受注関連では低調となったものの、製造業の出荷ベースでは好調を示す結果となっています。
GDPの設備投資の算出に用いられる、コア資本財(航空機を除く非国防資本財)の出荷は前月比+0.4%となり、市場予想の+0.3%程度を上回り、9月の+0.9%も+1.2%へと上方修正されています。
これで、コア資本財出荷は9月連続の前月比プラスとなっています。前月比で一方的な拡大傾向がこれだけ続くのは稀で、9月連続となるのは1994年4-12月以来、ほぼ23年ぶりのこと。これに続くのは2005年8月から翌年3月までの8カ月連続、最近では2011年の6カ月連続。
なお、3カ月平均で見ると14カ月連続のプラスとなり、2009年9月から2011年10月まで(26カ月連続)以来7年ぶり。
2011年から2014年までの時期のように、極端な上振れがないためにその反動減もないことで、ゆるやかな増加傾向が続いている状態とも言えますが、出荷ベースでは歴史的好調期を形成中であり、いずれこの反動を警戒する時期が訪れることにもなりそうです。
22日のNY金相場は0.82%の大幅続伸。欧州市場にかけてはゆるやかなドル安の流れで1280ドル半ばへとジリ高推移、NY市場では米長期金利低下と株安の流れも加わりドル安も加速したことを受けて一時1290ドル半ばまで上昇。米10月の耐久財受注が予想を下回ったこともドル安の歯止めとならず、ユーロ圏の11月消費者信頼感指数が16年10カ月ぶり高水準となったことでユーロ高の流れが一段と強まったこともドルを押し下げ、FOMC議事要旨では低インフレを理由とする利上げ延期論やインフレ目標未達長期化懸念も存在することが示されてドル安金高の流れを後押し。上昇基調の90日移動平均線を上抜けて再び1300ドルトライのチャンスも。12月FOMCでの利上げは揺るがないものの来年の見通しはハト派的となりそうで、いずれ1300ドル台到達へ、年末にかけては今年高値圏1350ドルトライも。
NYプラチナ相場は0.29%の小幅続伸。前日の大幅反発からはやや失速、金の上昇の勢いには追随し切れず、先週末の急騰前の抵抗水準940ドル付近で頭打ち。水平状態の90日移動平均線(950.4)を下回る水準での横ばい推移に戻りつつあるような状態にも。反発基調再開に向けては90日線超えが当面の課題に。
ドル円は1.09%の大幅続落。1円20銭超の下げ幅はロシアゲート疑惑が強まった5月17日(2円30銭)以来半年ぶり、水準としては9月15日(110.85)以来2カ月ぶりのドル安円高、90日移動平均線を下回るのも9月15日以来。東京市場朝の112円半ばからゆるやかに、ほぼ一本調子のドル安円高の流れが続き、NY市場で112円を割り込むとその流れが強まり、FOMC議事要旨で一段安。今朝の東京市場は祝日の閑散状態で一時111円割れをうかがう場面も。9月から11月高値までの上昇幅の38.2%戻し(11.90)割れで50%戻し(111.03)にほぼ到達し、いったんは下げ止まりやすいところ。しかしNY市場も休場となる為、不安定な動きとなって111円を割り込むようだと110円台前半から61.8%戻しとなる110円10銭台辺りまでの急落にも警戒要か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/22終値とチャート
2017年11月23日(木)時点の相場
国内金:4,962 円 11/22(水) ▼3(0.06%)
国内プラチナ:3,623 円 11/22(水) ▲13(0.36%)
NY金:1,292.2 ドル 11/22(水) ▲10.5(0.82%)
NYプラチナ:940.7 ドル 11/22(水) ▲2.7(0.29%)
ドル円:111.22 円 11/22(水) ▼1.22(1.09%)
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