更新日:2017年12月12日(火)
3年連続の12月利上げが既定路線となるFOMCまであと3日。今回の追加利上げに疑いの余地はなく、市場の焦点は来年の利上げ見通し予想を示すドットチャートとその中央値。
パウエル新体制となり、メンバーの入れ替わり、欠員の穴埋め等も予想される来年のFOMCで決定する金融政策の動向を、現体制メンバーで予想することにどれだけの意味があるのかという一抹の疑問を抱えながらも、基本政策はイエレン体制からの延長線上との見方が妥当と思われます。
9月FOMCに続き今回のFOMCでも、2018年末の予想FF金利中央値は2.125%維持が見込まれます。
そして、利上げ期待からのドル高優勢、金利のつかない金は売り優勢という展開もFOMCを境に反転へ。
チャートは12月FOMCの10日前の相場を100とした指数でその後のドル円とNY金の推移を比較。
2015年も2016年も、ドル円はFOMC直前にはドル高円安となり、FOMC明けの日がピークとなってドル安円高へと流れが反転しました。
対象的にNY金は利上げが予想されるFOMC前直前は2年連続の軟調推移。そしてFOMC明けの日が底値となって反発の流れが強まりました。
3年連続で12月FOMCでの利上げが決定すれば、事実確認で流れ反転の展開も繰り返され、年末にかけては3年連続ドル安円高・金高の流れとなる確率も高まります。
11日のNY金相場は0.12%の小幅安となって3日続落。7月20日(1245.5)以来、4カ月半ぶり安値をわずかに更新。CBOEのビットコイン先物が時間外でスタートしたこの日、脇役へと追いやられた金は1250ドル付近で静かに小康状態。重要指標等の発表もなく、FOMCを控えて軟調推移となっていた週初の米長期金利と米ドルがNY市場で反発に転じると金は売り再開となって前週末安値もわずかに更新。下げ止まりそうで下げ止まり切れない状態も、水準的には7-9月上昇幅の76.4%戻しとなる1241.4ドル付近に到達し、格好の下げ止まり水準にも達したことにはなりそうだが。FOMC通過までは明確な下げ止まりは難しい状況か。1240ドルを割り込んだ場合には7月安値1204ドルまでが意識される可能性も。
NYプラチナ相場は1.03%の大幅高となって7日ぶりの反発。NY市場では金の下落に反して890ドル台前半へと反発も、引け後には890ドル割れへと小反落しており、日足レベルではいったんは下げ止まった形も下値警戒感は残る状況。短期下値最大目安800ドル半ばに向けての到達確率は若干低下した可能性もあるものの、目先は880ドルラインが当面の底値となりうるかどうかがポイントに。この水準を維持できないようなら、860ドル台辺りまでの下値再トライも。
ドル円はわずかに0.05%のドル高円安となって3日続伸。ほぼ1カ月ぶりのドル高円安水準となる113円70銭近辺で上値を押さえられて軟調推移の展開も、下値も113円20銭台では底堅く、NY市場での米10年債利回りの反発とともに113円台半ばを回復。FOMCを前に明確な方向感は出難い状況ながら、短期的な流れはゆるやかに上方向を維持。FOMC前後にも114円程度までの上昇余地は残される状況か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/11終値とチャート
12日の国内金価格は0.49%の反落。前日の反発分を帳消しとし、8月28日(4859)以来3カ月半ぶりの安値水準。ゆるやかな上昇基調を維持する200日移動平均線(4872)との攻防状態となり、わずかに下抜けの兆し。目先は一段安へと向う可能性が若干高まる状態となり、4820円台辺りまでが下値目安に。反発方向へは、200日移動平均線を上抜けても4890円までが抵抗水準となりやすく、これをしっかり上抜けることができれば4950円近辺までの上値余地拡大も。
プラチナ価格は0.23%の小幅安で7日続落。昨年10月27日(3473)以来、1年1カ月半ぶり安値をわずかに更新し、今年最長となる続落記録も更新。目標水準3450円台に向けての流れは終盤にさしかかっている兆候も見られ、NYプラチナがしっかりと下げ止まるようなら底打ちも。ただしそのタイミングは早くともFOMC明けか。
※参考:金プラチナ国内価格12/12とチャート
2017年12月12日(火)時点の相場
国内金:4,866 円 12/12(火) ▼24(0.49%)
国内プラチナ:3,481 円 12/12(火) ▼8(0.23%)
NY金:1,246.9 ドル 12/11(月) ▼1.5(0.12%)
NYプラチナ:892.8 ドル 12/11(月) ▲9.1(1.03%)
ドル円:113.55 円 12/11(月) ▲0.06(0.05%)
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