更新日:2018年1月6日(土)
米労働省が発表した12月雇用統計で、平均時給は26.63ドル。前月比では+0.34%となり、前年同月比では+2.50%。いずれも市場予想どおりの水準となりましたが、賃金上昇率の低迷状態は継続中、という結果に。
2016年12月と2017年2月の前年比+2.8%台、9月の2.79%がピークとなって伸び悩む状態が続きます。
賃金上昇率の3カ月平均では3カ月連続の低下で12月は+2.43%となり、2015年11月以来、2年1カ月ぶりの低水準となっています。
なお、3カ月平均での最近のピークは2016年12月と2017年2月の+2.75%。
タカ派寄りと見られるフィラデルフィア連銀のハーカー総裁はこの日、賃金の伸び悩みなどを踏まえて「今年は2回の利上げが適切」との発言。
少なくとも11月頃までは2018年も「3回の利上げが妥当」としていましたが、低インフレへの警戒感が高まる状況から、見通しにも変化が見られるようです。
12月FOMCでは2018年も年3回の利上げがコンセンサスとなっていましたが、賃金上昇率が3カ月平均で前年比+2.75%を超えられない状態が続くようだと、見通しを引き下げるFOMCメンバーも増加することになりそうです。
5日のNY金相場は0.05%の小幅高で11日続伸。11連騰は過去40年で最長となり、9月15日(1325.2)以来3カ月半ぶり高値を更新。この日も米株主要3指数が揃って過去最高値を更新し、独英の欧州主要株式指数も過去最高値更新など、世界同時株高が年初から続くなかでの堅調推移。ドル安基調の巻き戻しの展開に伴い、1320ドル割れへと調整の動きで迎えた米12月雇用統計には1324ドルまで急騰後、1314ドルまで反落と小幅に乱高下。米11月の貿易赤字が5年10カ月ぶりの水準まで拡大し、12月ISM非製造業景況指数が55.9と予想を下回る急低下となったことなどもあり、1320ドル台を回復。しかし、前日高値1327ドルを超えることは出来ず、調整ムードも漂い続ける状態。12月半ばからの上昇幅の23.6%戻しでも1306.3ドルとなり、1300ドルラインが当面の重要なサポート水準にも。
週間ベースでは+13.0ドル(0.99%)、7カ月ぶりの4週続伸。
NYプラチナ相場は0.52%上昇し、9日続伸。7月末から8月初旬にかけての12日続伸以来、5カ月ぶりの続伸となり、9月14日(980.9)以来3カ月半ぶりの高値水準。960ドル台後半での揉み合いから雇用統計後に970ドル台半ばへと小幅に一段高となると、この水準を維持しての高値引け。過熱感は金と同レベルとなるほぼMAX状態まで高まる状態でもジリジリと上値を切り上げる力強さも。世界の株式市場への資金流入が続き、コモディティにも流入、最も弱かったプラチナにもようやく回ってきた状態か。9月高値から12月安値までの61.8%戻し(967.6)を達成しており、調整にも程良いタイミング。12月からの上げ幅の23.6%戻し951.2ドル近辺が目先のサポートライン候補に。
週間では+41.0ドル(4.39%)の大幅高、昨年1月第1週以来1年ぶりの大幅上昇。2016年5月以来、1年8カ月ぶりとなる4週続伸。
ドル円は0.29%のドル高円安となって小幅に3日続伸。東京市場午後に日経平均の一段高に触発されてドル高円安の流れが強まると、112円70銭台から雇用統計発表前までに113円30銭近辺まで上昇。雇用統計では雇用者数の伸びが予想以上に下振れたこともあり113円割れへと急落も、平均時給の伸びなどが予想どおりとなったこともあって元の水準へと反発。しかしISM非製造業景況指数の下振れなどをきっかけに伸び悩み、週末の調整へ。日足レベルでは9月安値から下値を切り上げるサポートラインを年初に割り込んだものの、3日以降の反発でドル高円安基調となり、11月高値から切り下がる上値抵抗線との攻防に。三角保ち合い上抜けトライの状態に戻して新年第1週を終えた形。113円半ば以上へと抜け出せばドル高円安の流れが加速する可能性もあり、目標水準は11月高値114円台後半へ。巻き戻しの展開で112円前半へと下抜けトライとなった場合には112円が重要なサポート水準に。
週間ベースでは+0.36円(0.32%)と小幅反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/5終値とチャート
2018年1月6日(土)時点の相場
国内金:5,124 円 1/5(金) ▲51(1.01%)
国内プラチナ:3,706 円 1/5(金) ▲41(1.12%)
NY金:1,322.3 ドル 1/5(金) ▲0.7(0.05%)
NYプラチナ:975.2 ドル 1/5(金) ▲5.0(0.52%)
ドル円:113.07 円 1/5(金) ▲0.33(0.29%)
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