更新日:2018年8月13日(月)
トルコのエルドアン大統領は11日、通貨リラの急落は経済のファンダメンタルズとは無関係の「変動」であり、通貨危機には陥っているとの見方を否定しました。
エルドアン大統領はまた、「2016年7月のクーデター未遂を企てた者が経済を通じてトルコを標的に」しているとし、「わが国の現実や実体経済、生産と全く関係のない通貨に関する策略を展開している」との見方を示し、これらの攻撃に対して「反撃する」と言明しました。
その上で、「通貨の策略」から抜け出す方法は、「生産を拡大し『金利を最小に抑える』ことだ」との独特の持論を展開。
「金利を最小に抑える」ことにより、売りポジションにかかるコストが押さえられ、仕掛け的な売りが入りやすい状況は、まだまだ続きそうです。
国内金価格の20週移動平均は13日時点で4841円。2017年9月4日からの週(4834)以来、11カ月ぶりの安値水準となっています。
今朝時点で4621円まで下落した国内金価格の20週移動平均からの乖離率は-4.5%。2016年1月11日からの週(-4.7%)以来、2年7カ月ぶりの水準まで拡大しています。その週の安値は4385円、2015年以降の最安値となっていました。
20週移動平均下方乖離率がこの3年半余りの期間での最大水準に到達した現在、確率的には縮小方向へと反転する可能性が極めて高い状況、とも言えそうです。
しかしながら、トルコリラ急落が他の新興国通貨にも波及し、リスク回避的な株安円高地合いにも発展しつつあり、夏休みシーズンの薄商いを狙った不安定な値動きも散見される現状では、金価格の下げ止まりにも時間を要する可能性も警戒されます。
13日の国内金価格は-20円、0.43%の反落。トルコショックをきっかけにリスク回避の流れは週明けも続き、株安・円高にドル高の勢いも強く、ドルインデックスは節目の95ポイント台を突破して1年1カ月ぶり高水準となる96ポイント台へと上昇しており、これを嫌気するようにNY金は時間外で1210ドル台後半での軟調推移スタート。ドル円も110円50銭近辺へと円高スタートとなったことで、国内金価格は2016年12月29日(4602)以来、1年7カ月半ぶりの安値水準で節目の4630円台も割り込む水準に。ドル高にNY金の上値が押さえられ、そのドルよりも円買いの勢いが若干上回り始めた様子もあり、金価格の下押し圧力も増大。目先は4600円の大台前後までを試しに行く可能性が高まり、4590円台までが下値目安に。4650円台が当面の抵抗水準となり、切り返してこの水準を突破できるようなら4700円台回復を目指す展開にも。
国内プラチナ価格の20週移動平均は13日時点で3325円。2009年5月4日からの週(3292)以来、9年3カ月ぶりの安値水準となっています。
9年5カ月ぶり安値3117円まで下落した今年7月3日の2週間後には、20週移動平均からの乖離率は-7.2%まで拡大し、2016年10月17日からの週(-9.9%)以来、1年9カ月ぶりの水準となっていました。その後先週末には-4.6%まで急縮小し、今朝時点では-5.0%。
行き過ぎた下方乖離からの縮小基調一服も、過去のパターンからは縮小基調継続へと向かう確率のほうが圧倒的に高い、と見ることはできます。
しかし、本格的な下げ止まりと基調好転に向けては、20週移動平均線自体の下げ止まりが必要です。また、価格水準と20週移動平均線が接近してきた場合には、再び急落リスクへの警戒感も高まることにもなります。
13日のプラチナ価格は-27円、0.85%の反落。トルコリラ急落の影響で新興国通貨売りも進行、なかでも影響を受けやすい南アランドも9カ月ぶりのランド安へと軟調推移となり、NYプラチナの上値も重く、週明けは820ドル台半ばでの軟調推移スタート。金の軟調推移によって上値を抑制されていたプラチナにとってはユーロ安や南アランド安というマイナス材料も加わり、下方圧力が強まりやすい地合いに。3150円台の保ち合い下限をなんとか維持する状態も、これを維持できなくなれば安値更新再トライへと向かう可能性が高まり、当面の下値目安は3020円近辺まで。3190円の保ち合い上限突破へと切り返すことができれれば3300円台回復を目指す流れとなる可能性も残されるが。
※参考:金プラチナ国内価格8/13とチャート
2018年8月13日(月)時点の相場
国内金:4,621 円 8/13(月) ▼20(0.43%)
国内プラチナ:3,159 円 8/13(月) ▼27(0.85%)
NY金:1,219.0 ドル 8/10(金) ▼0.9(0.07%)
NYプラチナ:829.6 ドル 8/10(金) ▼4.5(0.54%)
ドル円:110.81 円 8/10(金) ▼0.28(0.25%)
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