更新日:2018年9月19日(水)
住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指数の9月は67となって8月からは横ばい推移。市場予想の66を上回ったことで一時ドル買いの勢いが強まりました。
67という数値は好不況の節目50を大きく上回り、依然として高水準にあり、住宅市場としてはポジティブな状態が続いていることを示します。
ただし、18年ぶり高水準となった昨年12月の74からは水準を切り下げ、8月の67は11カ月ぶりの低水準。ピークアウトの兆しとなる低下基調が9カ月続いていることになります。
リーマン・ショック後、2011年から上昇基調を強めたこのNAHB住宅市場指数は現在も上昇基調が続いている可能性もありますが、調整局面を形成している状態でもあります。
2015年10月には65のピークをつけて2016年7月の58まで、9カ月の調整局面を形成しましたが、その後反発してピーク水準を更新する流れとなりました。
その前、2013年8月には58のピークを記録して2014年5月の45まで、9カ月の調整局面を形成しました。
そして現在も調整局面9カ月め。リーマン後の上昇基調がまだ継続中なら、今後まもなく反発し、ピーク水準を更新するかどうかはともかく、調整局面は終了することになるはずです。
9月の構成指数、現況指数は11カ月ぶり低水準となった8月の73から9月は74へと上昇。18年ぶり高水準となった昨年12月の80を下回る水準での推移が続きます。
半年先の見通し指数は1年9カ月ぶり低水準となった8月の72から9月は74へと上昇。13年ぶり高水準となった2月の80を下回る状態は続きます。
購買見込み客足指数は10カ月ぶり低水準となった8月の49から9月は横ばい推移。19年ぶり高水準となった昨年12月の58を下回る状態が続き、2カ月連続の節目50割れとネガティブな状態が続きます。
次月以降もNAHB住宅市場指数の調整局面が続くようなら、米住宅市場のピークアウトを疑う状態となりそうです。
18日のNY金相場は-2.9ドル、0.24%の反落。米国の対中制裁関税第3弾への報復関税として中国はこの日、600億ドル相当の米製品への関税賦課を24日に発動することを発表。米中貿易戦争がエスカレートしていくなか、米中の経済的な影響への見極めを含めて一服感も漂い始め、リスク回避ムードも限定的となって株高の流れが加速。米株主要3指数は揃って上昇し、やや出遅れ感もあったNYダウは1月以来8カ月ぶりに過去最高値に迫る勢い、米10年債利回りは5月以来4カ月ぶりに3.0%台へと急上昇。ドル高は進まず、むしろわずかにドル安傾向となったものの、リスクオンの流れが金の上値を押さえた形となり、NY朝の高値でも1208ドルまで、ただし安値でも1200ドル台を維持し、小康状態が継続。1190ドル台から1210ドル台までの小幅保ち合い推移で上下双方向に40-50ドルの変動へと動き出す前段階の様相。
NYプラチナ相場は+14ドル、1.75%の大幅続伸で8月10日(829.6)以来、1カ月ぶりの水準を回復。時間外から堅調な推移でNY朝には820ドル手前まで上昇、金とともに反落局面でも下げ渋る形となり、株高の流れに支えられるように810ドル台を維持。上昇基調の20日移動平均線(793.0)にもサポートされ、これまで抵抗線となってきた50日移動平均線(810.6)も2月以来7カ月ぶりに上抜け。上値目標850ドルを目指す流れが進行し始めた様子。
ドル円は50銭のドル高円安となって反発。7月19日(112.44)以来、2カ月ぶりのドル高円安水準。中国が米国の追加関税に対して報復する以外に選択肢はないと表明した場面、600億ドルの報復関税を24日発動と発表した場面などではリスク回避の流れがやや強まって円高となるもいずれも限定的に。ドル安円安の流れでも米10年債利回り急騰で日米金利差も4カ月ぶりの水準へと急拡大したことがサポート材料に。20日投開票の自民党総裁選挙では安倍首相の3選濃厚と見られ、これを好感する海外勢の日本株買いで日経平均が7か月半ぶり高値となり、今朝の東京市場でも23700円台とさらに水準を切り上げていることも円安をサポート。本日の黒田日銀総裁会見では出口論への質問集中も予想され、円高に傾く場面も予想されるものの、基本的にはドル高円安方向への流れが若干優勢の状態も続きそうな地合いに。当面の上値目標は今年高値113円台前半から、12月高値113円台後半まで上値を伸ばす可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/18終値とチャート
19日の国内金価格は+23円、0.5%の反発。円安にサポートされてゆるやかな反発基調を維持し、平行状態で上昇し始めた9日移動平均線(4606)と21日移動平均線(4591)にもサポートされそうな状態に。先週末高値4640円を上抜けできれば4680円台程度までが次の上値目標に、9日移動平均線を下回るようだと4550円台辺りまでが調整の目安にも。
プラチナ価格は+79円、2.59%の大幅反発。7月4日(+86円、2.76%)以来2か月半ぶり、今年2番めの大幅高となって8月13日(3159)以来、1カ月ぶりの水準を回復。抵抗線となる可能性もあった3100円の節目をあっさり上抜けたことで上値目標3140円台にもあとわずかのところまで急騰。21日移動平均線(3037)との揉み合いが続いていた9日移動平均線(3050)がようやくこれをゴールデンクロスしてサポートラインに。この水準を割り込んだ場合には3000円前後までが反落の下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格9/19とチャート
2018年9月19日(水)時点の相場
国内金:4,637 円 9/19(水) ▲23(0.50%)
国内プラチナ:3,130 円 9/19(水) ▲79(2.59%)
NY金:1,202.9 ドル 9/18(火) ▼2.9(0.24%)
NYプラチナ:814.9 ドル 9/18(火) ▲14.0(1.75%)
ドル円:112.33 円 9/18(火) ▲0.49(0.44%)
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