更新日:2018年10月12日(金)
米労働省が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.4%予想に対して+2.28%。7月の+2.95%、8月の+2.7からも急減速となり、2月(+2.21%)以来7カ月ぶりの低水準となりました。
食品とエネルギーを除くコアCPIも市場予想の前年比+2.3%を下回る+2.17%となり、7月の+2.33%から2カ月連続の低下、4月(+2.12%)以来5カ月ぶりの水準へと減速しています。
ガソリン価格が8月の前年比+20.3%から+9.1%へと急減速し、中古車価格は8月の+1.3%から9月は-1.5%へと下落に転じたことなどが影響したようです。
インフレ減速は株式市場にとっては安心材料となって11日の米株は反発スタートとなっていましたが、NY午後には戻り売り優勢となって反落、NYダウはまたも前日比500ドル超の下落となり、この2日間で1300ドル超、5%超の下落となりました。ナスダックも欧州株も1%超の続落となり、世界同時株安は2周めを迎えた状態です。
1周めには極めて限定的な反応となっていた金市場は、2周めに入って急騰しています。
世界全体の金ETFの3割を保有するSPDRゴールド・シェアの保有高は、今年最大となった4月末の871.2トンから減少が続き、10月3日には730.17トンとなってピーク時の16.19%が売却され、2016年2月以来、2年7カ月ぶりの低水準となっていました。そして7月24日を最後に増加することなく減少の一途となっていましたが、今月10日には8.82トンの増加。2カ月半ぶりの増加となり、3月19日(+10.62トン、+1.26%)以来7カ月ぶりの急増となっています。
金ETF市場でもおよそ半年間続いた売り基調が、ようやく底打ちの可能性を示しています。
11日のNY金相場は+34.2ドル、2.87%の大幅高となって3日続伸。上げ幅としては2016年6月24日、ブレグジットの日(+59.3ドル、4.69%)以来2年4カ月ぶりの大幅上昇。水準としては8月1日(1227.6)以来、2カ月半ぶりの高値水準。東京市場を終えて世界同時株安一周後、欧州市場スタートとともに買われ始め、1200ドルの大台突破で勢いを増すと長期金利低下とドル安の流れにもサポートされてNY朝には1210ドル超え、NY午後には米株安の再加速もあって1220ドル超え。高値では1230ドルにもワンタッチ。これでようやく8月急落前の保ち合い水準を完全に回復した状態に。およそ半年ぶりの90日移動平均線(1227.8)突破目前で上値を押さえられた形にもなってはいるものの、上抜けできれば4月高値1369.4ドルから8月安値1167.1ドルまでの38.2%戻し1244.4ドルを上値目標に、もう少しの上昇余地も。
NYプラチナ相場は+19.3ドル、2.33%の大幅反発。7月20日(+23.2ドル、2.88%)以来3カ月ぶりの大幅上昇となり、7月9日(853.5)以来3カ月ぶりの高値水準。時間外では一時820ドル割れへと売られる場面もあったものの、徐々に金に追随。NY朝に830ドルを回復すると上げ幅拡大、7カ月ぶりに90日移動平均線(830)を上抜けたことでNY午後には節目の840ドルも突破して一時850ドル手前まで上昇。失速しかけた反発基調の流れ再開となり、当面の上値目標は6月後半高値圏870ドル台。
ドル円は10銭ほどのドル安円高となり、7月以来3カ月ぶり、今年3回目の6日続落。9月17日(111.84)以来およそ4週間ぶりのドル安円高水準。下値目安112円台半ばから前半に到達し、今年安値104円60銭台から今年高値114円50銭台までの23.6%戻し(112円20銭台)も達成したことによる調整局面一服となり、日経平均が一時1000円安となるなかでも112円20銭付近を中心に小動きとなって下げ渋る展開に。米9月CPI下振れにも112円近辺では底堅く、米株反発スタートにも連れて一時112円50銭台まで反発。しかし、米株の売り再開で112円を割れると111円80銭台まで下落。ただし50日移動平均線(111.83)にも支えられて112円台を回復。今朝の東京市場でも日経平均の下げ渋りとともに112円台前半での堅調推移に。目先は株式市場の落ち着きとともに112円台での足場固めも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/11終値とチャート
12日の国内金価格は+97円、2.1%の大幅高となって6日ぶりの反発。上げ幅としては2016年6月27日、ブレグジット明けの月曜日(+107円、2.33%)以来2年3カ月半ぶりの大幅上昇。下値トライの可能性もあった状態は予想どおり一時的なオーバーランに終わり、ドル円の下げ渋りとNY金の大幅高によって切り返し。一度は上抜けながらも抵抗線となっていた90日移動平均線(4701)から9日移動平均線までをまとめて上抜け、短期トレンドも再度好転、今度は上値トライのチャンスをうかがう状態に。4730円を超えることになれば、当面の上値目標は7月高値4830円台。
週間ベースでは+11円(0.23%)で続伸。
プラチナ価格は+58円、1.83%の大幅反発。行き過ぎからの巻き戻しで90日移動平均線(3185)と9日移動平均線(3223)をまとめて上抜け、短期トレンド逆転を回避し、堅調地合い延長へ。乱高下の不安定な状態にはあるものの、可能性としては反発基調再加速の兆しも。10月高値を更新する展開となれば、当面の上値目標は6月後半高値3320円台へ。下方向には3170円台が重要なサポート水準となり、割り込んでしまうと9月半ばの水準3050円近辺が下値目標にも。
週間ベースではわずかに-1円(0.03%)と小反落。
※参考:金プラチナ国内価格10/12とチャート
2018年10月12日(金)時点の相場
国内金:4,713 円 10/12(金) ▲97(2.10%)
国内プラチナ:3,235 円 10/12(金) ▲58(1.83%)
NY金:1,227.6 ドル 10/11(木) ▲34.2(2.87%)
NYプラチナ:846.6 ドル 10/11(木) ▲19.3(2.33%)
ドル円:112.11 円 10/11(木) ▼0.13(0.12%)
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