更新日：2018年12月29日(土)
全米不動産業者協会（NAR：The National Association of Realtors）が発表した11月の中古住宅販売成約指数は101.4。前月比では+1.0％予想に対して-0.7％と下振れ、10月の前月比-2.6％に続いて2カ月連続のマイナス圏推移となりました。
指数の101.4は2014年6月（101.3）以来、4年5カ月ぶり低水準となり、3カ月平均も102.8で2014年8月（102.1）以来、4年3カ月ぶり低水準。
7月以降の5カ月間では4カ月が前月比マイナスとなっており、前年比では11カ月連続のマイナス圏となっています。
米商務省が閉鎖中のため、11月の新築住宅販売件数の発表は無期延期となりましたが、NARが発表する中古住宅販売件数は11月に532万件と予想を上回りました。しかし、昨年11月の572万件からは減少傾向が続いており、前年同月比では-7.0％となり、9カ月連続のマイナス圏で2011年5月以来の大幅な落ち込みとなっていました。
この中古住宅販売件数の先行指標となる販売成約指数も2016年をピークに減少傾向が続きます。
足下では住宅価格も伸び悩み始め、住宅市場の景況感指数も減速傾向が続き、米景気減速懸念を推進するような状態となっています。
なお、最近の米株式市場の混乱によりVIX指数は跳ね上がり、24日には36台まで上昇しました。ピーク水準としては2月のVIXショックを上回るまでには至っていませんが、注目すべきはその平均水準。
2月のVIXショック以降は下値を切り上げ、200日移動平均で見ると12月に入ってからは16台へと上昇。2016年9月以来、2年3カ月ぶりの高水準となっています。
米住宅市場は2016年から減速傾向が続くのに対し、株式市場のボラティリティはブレグジットで混乱した2016年6月のレベルに近づきつつあります。
28日のNY金相場は+1.9ドル、0.15％の小幅高で4日続伸。6月14日（1308.3）以来、6カ月半ぶりの高値水準で短期上値目標1280ドル台到達後も堅調推移は続き、下値も上値も切り上げて欧州時間には一時1280ドル半ばまで上昇。NY時間には米12月シカゴPMIが予想外の好結果となったこともきっかけにややドル高となって1280ドル割れも一時的、NY午後には1280ドル台を回復。米政府機関の一部閉鎖は年越しの様相となり、米10年債利回りの低下基調も続き、11月初旬の3.2％台から今や10カ月ぶり低水準となる2.7％台、ドル高の勢いも抑制されて金は堅調推移を維持した状態で週末から月末、年末年始へ。短期的な流れとしては伸び悩みやすいところだが。
週間ベースでは+24.9ドル（1.98％）で続伸。半年ぶりに52週移動平均線（1271.8）も上抜け。
NYプラチナ相場は0.82％の続落。欧州時間には800ドルの大台再トライも一時的に上抜けただけでまたも反落、NY市場では790ドルをはさんでの揉み合い状態に。790ドル割れでは底堅さも見られるものの800ドルの抵抗水準が超えられない状態が継続。堅調推移の金に追随し切れず、価格差は前日の485ドルから493.4ドルへと過去最大を更新。800ドル台へと水準を切り上げることができれば11月末の保ち合い水準850ドル近辺を目指す流れへ、780ドル台のサポートを割れるようだと750ドルの安値更新トライにも。
週間ベースでは-6.2ドル（0.78％）の反落。
ドル円は70銭弱のドル安円高となって続落。前日と同じような展開となり、NY終盤の高値111円10銭台から東京・欧州時間にかけては軟調推移となって110円20銭台へ。下方向への節目水準でもあり、この水準ではサポートされやすくNY時間には横ばい推移。長期金利低下に連れての軟調推移が続き、国内10年債利回りも昨年9月以来1年3カ月ぶりのマイナス圏入り。短期的には二番底をつけて反発か、底割れかという状態となり、110円20銭を完全に下回れば底割れで109円台前半までは下げやすく、反発に向けては200日移動平均線（111.03）から111円30銭台までが抵抗水準となりやすく、超えることができれば112円台半ばまでの一段高も。
週間ベースでは-0.99円（0.89％）で続落。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場12/28終値とチャート
2018年12月29日(土)時点の相場
国内金：4,848 円 12/27(木) ▲35(0.73％)
国内プラチナ：3,056 円 12/27(木) ▲56(1.87％)
NY金：1,283.0 ﾄﾞﾙ 12/28(金) ▲1.9(0.15％)
NYプラチナ：789.6 ﾄﾞﾙ 12/28(金) ▼6.5(0.82％)
ドル円：110.27 円 12/28(金) ▼0.67(0.60％)