更新日:2019年1月7日(月)
雇用統計の好結果に米景気減速懸念が後退し、パウエルFRB議長発言に株式市場が好感してリスクオフムードも後退。年初のドル円急落からは円安方向へ戻り基調となり、年初まで堅調推移が続いたNY金は調整の動きに。
FRBの柔軟対応は本来、金にとってもサポート材料。短期的には株価の回復基調が続けば金の調整局面がもう一段進行する可能性もありそうですが、中期的には金の堅調推移も続きそうな状況とも言えそうです。
CMEフェドウォッチでは、アップル・ショックで米株急落となった3日に年内1回の利上げ確率は0%まで急落し、据え置きも73.5%から50.7%へと急落。そして年内1回の利下げ確率が9.2%から36.1%へと急騰しました。
翌4日のパウエル柔軟対応発言を受けて、年内1回の利上げは3.8%へと小反発、据え置きは69.7%へと急反発。年内1回の利下げは23.4%へと反落しています。
年末年始の波乱相場を反映し、市場の利上げ織り込み度合いも乱高下状態になってきており、年末に逆転したばかりの利上げと利下げへの思惑は、今後の地合い回復次第では再逆転もあり得そうですが、しばらくは双方とも40-50%以下の、低水準での争いが続きそうな状況でもあります。
今週もパウエルFRB議長発言や米中次官級協議も予定され、引き続き米指標動向やFOMC議事要旨なども踏まえてリスク要因の動向などにも大きく影響されそうですが、市場の思惑としての当面の基本線は「据え置き」ということになりそうです。
年内利上げ打ち止め観測が、少なくとも新年序盤は金のサポート要因となりそうです。
国内金価格は12月に52週移動平均線を上抜け、20週移動平均+4%乖離ライン手前で失速。年を明けて52週移動平均線(4818)を下抜け、8月から続いた上昇トレンドの下値サポートラインも下抜けた状態となりました。
20週移動平均線(4729)が当面のサポートとなる可能性もあり、反発方向に向けては52週移動平均線との攻防がポイントとなり、これを上抜けて直近高値更新へと反発基調再開となれば、右肩上がりの20週移動平均+4%乖離ライン(今週4918)付近が中期的な上値目標にもなりそうです。
7日の国内金価格は年末から-51円、1.05%の大幅反落。12月3日(4778)以来、1カ月ぶりの安値水準。NY金の堅調推移も年初のドル円急落をカバーし切れず、年末の高値保ち合い下限となる4810円を割り込んでの2019年スタート。短期的には調整局面形成へと向かう可能性が高まり、当面の下値目安は11月の保ち合い水準、4720円台辺りまで。切り返して4850円超へと反発できれば上値トライ再開の可能性も残され、そうなれば6月高値4950円台が上値目標に。
国内プラチナ価格は11月高値で52週移動平均線と20週移動平均+6%乖離ラインに上値を押さえられて反落すると、20週移動平均線を突き抜けて20週移動平均-6%乖離ライン付近まで下げて反発した状態です。
11月高値からの急落局面のレジスタンスラインを抜け出しつつもあり、下げ止まった状態にある20週移動平均線(今週3164)を回復できるかどうかが当面の課題。これを超えることができれば、中期的には右肩下がりの52週移動平均線(今週3329)から20週移動平均+6%乖離ライン(今週3353)付近を目指す流れとなる可能性も想定できそうです。
7日のプラチナ価格は+16円、0.52%高となって3営業日続伸。短期的なサイクルとしては上方向への流れが強まり始めた状態となり、8月安値と12月安値とで二番底をつけての反発基調がスタートした可能性も。ただし、11月高値から12月安値までの38.2%戻しとなる3146円を上抜けできるかどうかが当面のポイントにも。この水準を超えることができれば反発基調がもう一段進行する可能性が高まり、50%戻し(3194円)から3200円の大台回復が次の上値目標水準に。
※参考:金プラチナ国内価格1/7とチャート
2019年1月7日(月)時点の相場
国内金:4,797 円 1/7(月) ▼51(1.05%)
国内プラチナ:3,072 円 1/7(月) ▲16(0.52%)
NY金:1,285.8 ドル 1/4(金) ▼9.0(0.70%)
NYプラチナ:827.2 ドル 1/4(金) ▲27.9(3.49%)
ドル円:108.53 円 1/4(金) ▲0.84(0.78%)
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