更新日:2019年2月22日(金)
減速基調が続いたユーロ圏の製造業PMI、2月速報値ではドイツの2カ月連続節目50割れに伴い、ユーロ圏も遂に節目50割れ。5年7カ月続いたユーロ圏製造業PMIの拡大基調は終了し、減速基調を通り越して5年8カ月ぶりの景気縮小フェーズ入り。
フランスが12月の49.7から単月の節目割れにとどまって51.2、51.4へと2月にかけて反発基調となっているのとは対照的に、ドイツの状況がユーロ圏の数値を押し下げています。
ドイツ製造業PMIは1月の49.7からさらに急低下、2月速報値は47.6となり、6年2カ月ぶり低水準。製造業生産指数も1月の50.3から2月は48.0へと節目50割れ、これも6年2カ月ぶりの低水準。
輸出注文が6年半ぶりの大幅な落ち込みとなったことが影響し、引き続き自動車部門での受注が減少、特に中国からの需要減が浮き彫りとなった様子。
製造業の低迷をサービス業がフォローする構図となり、サービス業PMIが5カ月ぶり高水準となる55.1へと拡大したことで、総合PMIも2カ月連続上昇で52.7となり、4カ月ぶりの高水準となっています。
ユーロ圏としても、製造業PMIは1月の50.5から2月は49.2へと節目割れで5年8カ月ぶりの低水準。製造業生産指数も1月の50.5から2月は49.2へと節目割れ、5年9カ月ぶり低水準に。
サービス業PMIが12月と1月の51.2から3カ月ぶり高水準となる52.3へと上昇し、総合PMIも1月の51から2月は51.4へと小反発、直近3カ月では最高水準へと持ち直し。
この日公表されたECB理事会議事要旨での「リセッションの可能性は低い」ものの「不確実性は高い」との指摘どおりの状況が2月も続くことに。
なお、日本の製造業PMIも1月の50.3から2月は48.5へと急低下、2年半ぶりの節目割れで2年8カ月ぶりの低水準となっています。
米国も予想を下回り、1月の54.9から2月は53.7へと急減速、1年5カ月ぶりの低水準に。
グローバル化が進んだことで貿易の不調によって景気減速が相手国に波及する傾向が強まり、12月に中国の製造業PMIが節目50を割れると、1月にはドイツが節目割れ、そして2月にはユーロ圏も節目割れ、これに追随する形で日本も節目割れ。
主要エリアでは唯一拡大基調を維持する米国でも、この状況に影響され、減速基調が強まりつつあるようです。
21日のNY金相場は4日ぶりの反落で-20.1ドル、1.49%の大幅安。下げ幅としては昨年安値圏での8月13日(-20.1ドル、1.65%)以来、半年ぶり。短期上値目安1340ドル台到達に伴い、一服おいての戻り売りで調整局面が一気に進行。ドイツとユーロ圏の2月製造業PMIの悪化が止まらずユーロ売りドル買いが進行すると1340ドル割れ、NY市場では2月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が14.0の予想に対して-4.1と大幅下振れで2年9カ月ぶり低水準、12月耐久財受注も予想を下回り、1月米中古住宅販売件数も494万件で3年2カ月ぶり低水準など、軒並み低調となった米指標にも調整の勢いは止まらず1330ドル割れ。2.6%台での保ち合い推移が続く米10年債利回りが反発基調となり、ドル高優勢の流れとなったことも下押し圧力となり、前日のFOMC議事要旨では年内利上げの可能性も残される状況となったことなども背景材料に。目先、前日高値でわずかに届かなかった1350ドルが上値抵抗水準となり、下値は20日移動平均線(1316.5)近辺がサポート候補。上限突破できれば昨年4月高値1360ドル台が次の上値目標に、下方向に1310ドルの節目を割れるようだと下落局面拡大で年初の保ち合い水準1290ドル前後が下値目安にも。
NYプラチナ相場も4日ぶりの反落で-7.9ドル、0.95%安。短期上値目標、今年最高値836.5ドル更新トライを終えての調整局面。欧州時間序盤までは金に連れる形で820ドル付近まで下落も、NY市場にかけては金とは逆行、一時830ドルを回復するなど底堅さも。今年最高値830ドル台後半で2度上値を押さえられた形にもなり、当面の強めの抵抗水準となる可能性も。これを突破することができれば11月の戻り高値水準850ドル台が次の上値目標にも。水平状態の90日移動平均線(820.9)にいったん下値を支えられた形にもなっており、これが目先のサポートとなるかどうか。
ドル円は10銭ほどのドル安円高となって5日ぶりの小反落。東京時間午前には豪RBAの利下げ観測報道での豪ドル急落に連れる形で110円50銭台まで売られ、米中貿易交渉では知的財産権や技術移転問題など主要構造問題での覚書を準備との報道を好感する形で110円80銭台へと急反発、しかし午後には豪中関係悪化懸念から再び豪ドル売りに連れ安となる場面も。NY時間には一連の米指標悪化を受けての軟調推移も110円50銭台までで下げ渋り、米10年債利回りの上昇局面に追随する形で一時110円80銭台まで上昇。上下動を繰り返す展開にもこの日も値幅は30銭に満たない小動き。110円台後半での保ち合い推移も続き、最近の傾向となってきた移動平均線の収束を待って上下どちらかへ水準を切り替える展開も予想される状況にも。下方ブレイクから109円台前半へと水準を切り下げる展開か、上方ブレイクで112円付近へと水準を切り上げる展開か。リスク後退傾向など、情勢としてはわずかに後者優勢か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/21終値とチャート
22日の国内金価格は-61円、1.2%の大幅安となって10日ぶりの反落。ようやく、の感もある調整局面入りで昨年10月9日(-66円、1.4%)以来、4カ月半ぶりの大幅下落となって過熱感も一気に解消。1年1カ月ぶり高値となった5090円台が当面の上値抵抗水準となる可能性を残しながら、目先の下値は1月末以降の急騰トレンドをサポートしてきた9日移動平均線(5012円)が最初の目安にも。その下には右肩上がりを維持する21日移動平均線(4956円)も。さらに昨年8月安値からの上げ幅の23.6%戻しでも4942円。浅めの調整で終えて上値再トライとなり、今年高値再更新の場合には昨年高値5127円更新トライ、5130円台までが次の上値目標にも。
週間ベースでは+53円(1.06%)で続伸。
プラチナ価格は-9円、0.29%安で5日ぶりの反落。過熱感もそれほど高くはなかったこともあり、調整幅も限定的に。しかし、90日移動平均線(3152)にしっかり上値を押さえられた形にもなり、昨年11月高値3397円から今年1月安値2982円までの38.2%戻し(3141)付近に収束。もう一段の調整進行となれば23.6%(3080)近辺までが意識されやすく、上値再トライとなれば50%戻し(3190)を試す展開にも。
週間ベースでは+146円(4.87%)の大幅高で3週ぶりの反発。昨年10月末(+163円、5.11%)以来、4カ月ぶりの大幅上昇。
※参考:金プラチナ国内価格2/22とチャート
2019年2月22日(金)時点の相場
国内金:5,030 円 2/22(金) ▼61(1.20%)
国内プラチナ:3,147 円 2/22(金) ▼9(0.29%)
NY金:1,327.8 ドル 2/21(木) ▼20.1(1.49%)
NYプラチナ:826.3 ドル 2/21(木) ▼7.9(0.95%)
ドル円:110.71 円 2/21(木) ▼0.11(0.10%)
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