更新日:2019年3月14日(木)
米労働省が発表した2月の生産者物価指数(PPI)は前年比+1.9%。市場予想に一致も1月の+2.0%からは低下、2017年6月(1.90)以来、1年8カ月ぶり低水準で2%割れ。昨年7月に6年8カ月ぶり高水準となる3.36%まで上昇してピークアウトすると、年末からは急減速となってきました。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+2.45%。市場予想の+2.6%を下回り、昨年5月(2.41)以来、9カ月ぶりの低水準。昨年7月に6年10カ月ぶり高水準となる+2.76%まで上昇したのがピークとなり、11-12月にも+2.74%の高水準となりましたが、今年に入って失速状態となっています。
食品とエネルギー、さらに貿易サービスも除いたコアPPI2は前年比+2.33%。2017年12月(2.31)以来、1年2カ月ぶりの低水準。昨年7月には+3%台まで上昇し、9月には過去最高となる+3.13%を記録し、10月までの4カ月間3%台で高止まりの状態となっていましたが、その後は急失速。
また、コアPPI2は2017年11月から2018年12月までコアPPIを上回り続けましたが、1月には1年3カ月ぶりにコアPPIを下回りました。
この傾向はPPIとコアPPIとの関係も同様で、インフレ加速フェーズではPPIがコアPPIに先行して上昇し、インフレ減速フェーズではPPIがコアPPIを下回る水準での推移が続き、現在そのフェーズがスタートしています。
消費者物価指数(CPI)に続き、生産者物価指数(PPI)も減速基調が鮮明となり、FOMCの辛抱強い姿勢をサポートすることになります。
また、期限が迫るブレグジットを巡って迷走が続く英国議会とEUとのやりとりも、その不透明感が市場の警戒感となってFOMCの姿勢をサポートする形にもなり、足下のドル安基調と金の反発基調のサポート材料にもなってきているようです。
この日、英国下院で可決した「合意なき離脱を回避する案」は賛成321票に対して反対が278票。比率では53.6%対46.4%。
これまで2度の離脱協定修正案が大差で否決され、今度は「期限延期」案が可決される見込みとなっているようですが、46.4%が「合意なき離脱」を支持している状況で新たな修正案がまとまるのかどうか、その行方は全く見通せない状況が続きます。
13日のNY金相場は+11.2ドル、0.86%の続伸で2月28日(1316.1)以来、2週間ぶりの高値水準に。前日NY引け後に1300ドルを超えるとコンスタントに水準を切り上げる展開となり、この日のNY市場では1300ドル台後半、引け後にはトランプ米大統領のボーイング737MAX機の運行停止発言を受けてボーイング株急落でNYダウも急落、ドル安も追随する形となり、NY金は一時1310ドル超え。今朝の時間帯には1310ドル割れへと小幅に値を戻して小康状態に。節目の1300ドルを超えたことでもう一段の上昇も見込めそうな状況となり、20日移動平均線(1312.1)が抵抗線とならなければ、今年高値保ち合い下限付近、1320ドル台までが目先の上値目標に。
NYプラチナ相場は+9.8ドル、1.18%の大幅続伸。時間外には830ドル台半ばでの小幅揉み合い状態が続きながらも、ゆるやかに上昇する20日移動平均線(833.4)にサポートされた形となり、NY朝には850ドル手前まで上昇。12月安値から2月高値までの38.2%戻し(841.2)は抵抗水準とはならず、逆にサポート水準となる可能性も。そうなれば23.6%(856.0)近辺が次の上値目安水準にも。
ドル円はわずかにドル安円高となって3日ぶりの小反落。東京時間には日経平均の大幅安とともに前日安値水準111円10銭台まで下押し後に反発。欧州時間にはポンド円の堅調推移にも牽引される形で111円40銭台まで上昇。しかし米2月PPIが予想を下回る低調な結果となったことを受けて失速、1月の耐久財受注は前月比+0.4%と予想を上回る好結果となったこともあり、下げ渋る展開もNY時間にはダウ急落に連れて一時111円00銭台まで下落する場面も。
110円台半ばから112円までの広めのレンジ内で、3月に入ると小幅保ち合いを形成する主要レンジを111円台後半から前半へとシフトしてきた形にもなり、200日移動平均線(111.41)が目先の抵抗線にも。これを超えると112円まで、111円を割れると110円台半ばまで、FOMCまではこの広めのレンジ内推移が続きそうな状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/13終値とチャート
14日の国内金価格は+23円、0.46%の続伸で3月1日(5029)以来、2週間ぶりの5000円台。小幅保ち合い上抜けに伴う上値再トライの動きは続き、地合いも回復傾向に。ただし、次週のFOMCまでは大きな流れには発展し難く、目先の上値目標は1月安値から2月高値までの23.6%戻し(5022)近辺から今年高値保ち合い下限(5030)辺りまで。
プラチナ価格は+16円、0.5%高で3日続伸。2月後半からの急騰局面では3月1日の3329円まで上昇後、11日の3114円まで215円の急反落。そこから3日間で111円の急反発となり、3月前半の急落幅の半値戻し(3222)を達成。90日移動平均線はほぼ水平状態を維持し、中期的にはトレンドレス状態。短期的な反発局面が続けば61.8%戻し(3247)近辺が次の上値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/14とチャート
2019年3月14日(木)時点の相場
国内金:5,012 円 3/14(木) ▲23(0.46%)
国内プラチナ:3,225 円 3/14(木) ▲16(0.50%)
NY金:1,309.3 ドル 3/13(水) ▲11.2(0.86%)
NYプラチナ:841.7 ドル 3/13(水) ▲9.8(1.18%)
ドル円:111.30 円 3/13(水) ▼0.05(0.04%)
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