更新日:2019年4月24日(水)
欧州委員会が発表した4月のユーロ圏消費者信頼感指数の速報値は-7.9。市場予想の-7.0を下回り、3月の-7.2からも低下。12月には-8.3で1年10カ月ぶり低水準となり、その後は3カ月連続の上昇で底打ちの可能性も示していましたが、いったんこれを否定する形にもなりました。
トレンドを示す6カ月平均で見ると4月は-7.6となり、13カ月連続の低下で2017年6月(-7.6)以来、1年10カ月ぶりの低水準。
ユーロ圏の消費マインドはピークアウト後の減速基調が1年以上続いています。
なお、EU全体の数値では4月速報値は-7.7。ユーロ圏の数値を若干上回る水準での推移が1年以上続きます。
3月分まで発表されている国別の指数では、ドイツが-2.0で4カ月ぶり高水準、ユーロ圏の長期平均-11.3も大きく上回る水準での推移が続きます。
フランスは3月に-10.8。12月には5年ぶり低水準となる-17.5まで急低下した後は急上昇し、3月にはユーロ圏の長期平均レベルまで回復。
イタリアは-13.1。昨年7月に11年半ぶり高水準となる-8.8まで上昇後は低下基調が続き、2月以降はユーロ圏の長期平均を下回ります。
ユーロ圏の4月速報値が反落していることから、フランスの反落やイタリアは一段と低下することも予想されます。
製造業PMIでは、ドイツの低迷がユーロ圏の足を引っ張る構図となっていますが、個人の消費マインドではイタリアやフランスがユーロ圏の足を引っ張り、ドイツはユーロ圏の数値低迷回避に向けての牽引役となっています。ドイツでは輸出の低迷を内需が支える構図が確認できます。
しかし、牽引役は違えど製造業景況感も消費センチメントでもユーロ圏の低迷が続いており、通貨ユーロが売られやすい状況も続きます。
結果的に消去法的なドル高地合いも続き、ユーロドルでもドル円でも、ドルインデックスでもドル高は今年高値水準にあり、円安批判も聞かれそうな状況にもなっています。
23日のNY金相場は-4.4ドル、0.34%の反落。原油高は続きNY原油は10月29日(67.0)以来半年ぶり高値水準へと3日続伸となるなか、株高の流れも続き米S&Pとナスダックは今年初の過去最高値更新、ダウも最高値まで100ドル余りに迫り三尊天井リスクを払拭する勢い。イースター休暇明けの欧州株もDAXが半年ぶり、FTSEは7カ月ぶり高値と堅調推移。その4連休明けの欧州市場スタートとともにユーロ売りドル高基調も進行し、ユーロドルは今年安値圏での攻防状態となり、4月の消費者信頼感指数速報値が予想を下回る低調な結果となった場面では1.12ドル割れ。同じタイミングで軟調推移のNY金も1270ドル割れ、NY引けにかけては1270ドル台を回復したものの、12月26日(1273.0)以来4カ月ぶり安値水準で上値の重い状態が継続。水平状態を維持する200日移動平均線(1253.4)近辺までが意識されやすく、12月半ばの押し目形成水準1240ドル台までが当面の下値目安に。
NYプラチナ相場は-8.4ドル、0.93%の続落。時間外の906ドルを高値に欧州時間にはユーロ安の流れとともに軟調推移、NY朝にかけて900ドルの大台を割り込むとNY市場では一時890ドル割れ。1週間ぶりの水準へと上値を切り下げ、右肩上がりの20日移動平均線(884.5)に下値をサポートされて三角保ち合いを形成。短期的には調整局面継続優勢の状況でもあり、880ドルを割れると三角保ち合い下方ブレイクとダブルトップのネックライン割れ、当面の下値目安は3月末の急騰前の水準840ドル台まで。確率的には低そうだが910ドル以上へと三角保ち合い上方ブレイクとなれば高値更新で940ドル台までが次の上値目標にも。
ドル円は小幅に反落。東京市場朝の小幅急落で111円60銭台がこの日の安値となり、東京午後には111円90銭台へと元の水準を回復。4連休後の欧州勢参入後にはユーロ主体の売買となり、ドル高進行にもドル円は円高で相殺する形となり、111円90銭台を中心に再び膠着相場の様相にも。112円10銭台までが抵抗水準となる状態はもう少し続きそうな状況でもあり、月末の米指標やFOMCなどが膠着打破へのトリガにも。目先は112円10銭を超えることができれば112円半ばまでの上昇は見込まれやすく、111円半ばではサポートされやすく、下抜けても111円前後が次のサポートにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/23終値とチャート
24日の国内金価格は-10円、0.2%の続落。節目の4910円割れに伴う下値トライへの流れがじわりと進行、1月29日(4891)以来3カ月ぶり安値水準での軟調推移の様相となり、ここから4850円台までは真空地帯でもあり、比較的短期間で水準を切り下げるような展開もありうる状態にも。当面の下値目安は200日移動平均線(4799)と今年安値4797円近辺、4790円台まで。
プラチナ価格は-38円、1.09%の大幅続落。RSIと価格のダイバージェンスが示唆したとおりの下落局面が進行、ただし9日移動平均線(3443)を少し下回る水準でもあり、この辺りで下げ止まることができれば強気状態を維持する展開にも。また、中長期節目水準でもある3400円近辺でサポートされる可能性も。サポートされない場合には一段安の展開が想定されやすくなり、当面の下値目安は3月末の急騰前の保ち合い高値3280円近辺へ。
※参考:金プラチナ国内価格4/24とチャート
2019年4月24日(水)時点の相場
国内金:4,899 円 4/24(水) ▼10(0.20%)
国内プラチナ:3,434 円 4/24(水) ▼38(1.09%)
NY金:1,273.2 ドル 4/23(火) ▼4.4(0.34%)
NYプラチナ:893.8 ドル 4/23(火) ▼8.4(0.93%)
ドル円:111.88 円 4/23(火) ▼0.05(0.04%)
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