更新日:2019年9月5日(木)
米商務省が発表した7月の貿易収支は539.9億ドルの赤字。赤字幅は市場予想の534億ドルを上回りましたが、6月の555億ドル、今年最大となった5月の558.5億ドルを下回り、4月(519.8)以来3カ月ぶりの低水準へと縮小。
米国の貿易赤字は昨年末(608.1億ドル)をピークに縮小傾向となりつつあります。
輸入は2613.9億ドルで6月からは0.1%減、2カ月連続の減少で過去最大となった昨年10月の2668.2億ドルを下回る状態が9カ月続きます。
輸出は2074億ドルで6月からは0.6%増となりましたが、6月は前月比-1.9%となっていました。また、過去最大となったのは昨年5月の2133.4億ドルで、これを下回る状態は1年2カ月続いています。
なお、1月から7月までの合計額を昨年の1-7月と比較すると、輸入は昨年よりも1.38%増加していますが、輸出は0.23%の減少となっています。
7月には米中貿易戦争も一服状態となっていましたが、8月に激化したことを考慮すると8月の貿易額も低調となることも想定されます。
現状、輸出入ともに過去最大を更新できずに頭打となっている状態に過ぎませんが、明確に低下基調へと転じるようだと要注意の状況となります。
貿易赤字が縮小し、輸出入ともに増加するのが理想となりますが、貿易赤字が縮小し、輸出入も同時減少し始めた時、過去にはリセッション入り、となっていました。
4日のNY金相場は+4.5ドル、0.29%の続伸。2013年4月11日(1564.9)以来、6年5カ月ぶりの高値水準。香港での逃亡犯条例撤回報道を好感したリスク回避の巻き戻しの流れとなった東京午後から欧州時間にかけては1550ドル台から1540ドル台前半まで軟調推移。旧宗主国の英国では下院でEUからの「合意なき離脱」を阻止する離脱延期法案が可決したことが好感され、前日まで売り込まれたポンドの買い戻しが急速に進行。イタリアでの左派「五つ星運動」と中道左派「民主党」などによる連立政権発足見通しなどからユーロも連れ高となり、欧州通貨買い主導によるドル高の巻き戻しが進行したこともあり、NY市場で金は反発。午前のうちに1550ドルを回復すると午後には1560ドル台へ、一時8月26日につけた今年最高値1565.0ドルをわずかに上回る1566.2ドルまで上昇。上値目標1570ドル前後にもほぼ到達した状態にもなり、一服感からの調整も予想されるところだが。週末にかけての米指標結果次第で下方向には1520ドル台がサポート、割れると1500ドル付近まで。
NYプラチナは+28.6ドル、2.99%の大幅高で7日続伸。7日続伸は7月以来、今年2度め。今回の7日間合計での上昇値幅は128.9ドルに達し、7月の11日続伸での合計上昇値幅66ドルのほぼ倍の勢いで昨年2月28日(988.1)以来、1年半ぶり高値水準に到達。過熱感を振り切ってコンスタントに上値を切り上げる展開となり、NY午前には一時994.3ドルまで上昇し、いよいよ1000ドルの大台ラインを意識せざるを得ない水準に。ここまでの展開を考慮しても、勢いで大台到達の可能性は高まり、到達とともに利益確定売りが集中して急反落へ、といった乱高下の展開も想定されそう。ひとたび調整に入れば急加速となって950ドルから900ドル前半も。
ドル円は40銭強のドル高円安へと反発。香港情勢、英国のブレグジットを巡る政局対応動向、イタリア政局などを好感したリスクオンの流れとなってドル安円安、ドル円ではドル高円安となって東京朝の105円80銭台から欧州・NY時間の106円40銭台まで、コンスタントに水準を切り上げる展開に。今朝の東京時間には10月前半に米中協議開催が報じられて106円60円台へと急騰。105円台後半から106円半ばまでの保ち合いレンジ上限付近に達しており、週末にかけての米指標結果次第で上抜けることになれば、反発局面形成となり、上値目標は108円前半辺りまで。ネガティブ・サプライズなどで流れが反転し、下方ブレイクとなれば下値トライ再開で104円前後を試すような展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/4終値とチャート
5日の国内金価格は+34円、0.6%高となり横ばいをはさんでの3日続伸。上値目標5640円近辺を突き抜ける形で2日連続で21世紀最高値を更新。サイクル的には上昇一服からの調整局面入りの様相となった状態からほとんど調整が進まないまま再び上値トライ再開も、という中立状態に。NY金が上昇一服からの調整となれば追随へ、5570円までが当面の調整目安、割り込めば5500円の大台付近まで。しかし、予想外の指標結果や米中対立動向やトランプ発言なども引き続き警戒され、さらに水準を押し上げられる展開にも。
プラチナ価格は+110円、3.17%の大幅続伸。上げ幅100円超は8月29日(+105円、3.31%)以来、今年3度目で今年3番目の大幅高。上昇率3%超は8月29日以来、今年4度目。なお、昨年は100円超(または3%超)は1回のみ、2017年も1回のみ。今年高値となっていた4月22日の3498円と3500円の節目を一気に突き抜けて早くも3600円の大台も意識される水準となり、昨年3月1日(3609)以来1年半ぶりの高値。中長期的に重要な節目3500円を超えてきたことで、当面はこれを維持できるかどうかがポイントとなり、重要なサポート水準にも。これを下回ると6月安値からここまで上昇幅の23.6%戻し(3439)辺りがサポート候補にも。
※参考:金プラチナ国内価格9/5とチャート
2019年9月5日(木)時点の相場
国内金:5,665 円 9/5(木) ▲34(0.60%)
国内プラチナ:3,584 円 9/5(木) ▲110(3.17%)
NY金:1,560.4 ドル 9/4(水) ▲4.5(0.29%)
NYプラチナ:984.2 ドル 9/4(水) ▲28.6(2.99%)
ドル円:106.36 円 9/4(水) ▲0.42(0.40%)
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