更新日:2019年11月6日(水)
米商務省が発表した9月の貿易収支は524.5億ドルの赤字。赤字幅は8月の550.4億ドルからは4.7%縮小、4月(-519.8億ドル)以来、5カ月ぶり低水準。赤字縮小率としては1月(-12.6%)に次いで今年2番めの大幅縮小。昨年末以降の貿易赤字縮小傾向も続いています。
しかし、輸出入の減少傾向も続いています。
輸出は2059.9億ドル、前月から0.9%減少し、4月以来、5カ月ぶり低水準。輸入は2584.4億ドルで前月比-1.7%でこちらも5カ月ぶり低水準。
輸出額は過去最大となった昨年5月から1年4カ月間これを下回る状態が続き、輸入額も過去最大を更新できない状態が11カ月続いています。
今年1月から9月までの総輸出額では、昨年の同じ期間と比較して0.76%増加していますが、輸入額は前年比-0.37%と減少しています。赤字額も5.43%拡大しています。
対中国のモノの貿易額は、9月は-316.2億ドルの赤字。赤字幅は3カ月ぶりの水準へと縮小。輸入額は402.2億ドルで前月から2.3%減となり、3カ月ぶり低水準。輸出額は86億ドルで前月から8.8%減となり、5カ月ぶり低水準。
米中貿易戦争が過激化した9月は米国の輸出入額も、対中国輸出額も5カ月ぶり低水準へと減少し、単月での赤字額は縮小傾向も、通年では赤字拡大ペースにあり、輸出も減少ペースとなっています。
今月中にも通商協議「第1段階」の合意、署名を目指す米中両国が、歩み寄りを見せて予定通り進行するのかどうか、関税撤廃の有無を含め、貿易額減少に歯止めをかける意味でも年末に向けての重要なポイントとなりそうです。
5日のNY金相場は-27.4ドル、1.81%の大幅安となって3日続落。米中協議進展期待や米経済指標の好結果などを材料にリスク選考ムードが強まる流れにも下げ渋っていたNY金もさすがに耐え切れず、急落。下げ渋っていた分もまとめて消化する形となって下げ幅は9月30日(-33.5ドル、2.22%)以来、1カ月ぶりで今年4番目の大幅下落。水準としては10月15日(1483.5)以来3週間ぶりの安値。90日移動平均線(1486.2)割れは5月30日以来、5カ月ぶり。欧州時間からユーロ安ドル高の流れに連れる形で徐々に水準を切り下げ、NY朝にかけて1500ドルの大台を割れると下げ幅拡大。注目度が高まっていた米10月ISM非製造業景況指数が予想を上回る好結果となったこともあり、一段安となって1490ドル割れ。日足レベルでは三角保ち合い上抜け後に切り返して下抜けへと乱高下状態となり、方向感が定まりきらない感も。可能性としては、1490ドルのサポートを割れたことに伴う一段安の展開となれば8月初旬の急騰前水準1430ドル台までが当面の下値目安にも。ただし、1480ドルから1510ドル台まで保ち合いレンジを拡大しただけの可能性も残され、9月末安値圏1470ドルもサポート候補にも。
NYプラチナは-8.1ドル、0.86%の続落。時間外には940ドル台前半へと小反発したところから、金の急落に連れる形となってNY朝には一時930ドル割れ。この930ドル前後の水準は10月末と9月末にも保ち合いを形成したサポート候補。これを維持できず、910ドル台のサポートも割れるようだと10月初旬の安値保ち合い水準890ドル台までが次の下値目安に。上方向には950ドル台の直近高値を超えることができれば今年高値圏再トライへの可能性も。
ドル円は60銭弱のドル高円安となって3日続伸、5月30日(109.61)以来、5カ月ぶりの高値水準に。米中貿易協議進展期待を背景にリスクオンの流れは続き、米株はダウとナスダックが小幅高ながらも連日の過去最高値更新となり、為替は円安基調となって欧州時間には109円手前までゆるやかに上昇。NY時間には10月のISM非製造業景況指数が予想を上回り、9月からも2.1ポイント上昇して54.7の好結果となったことをきっかけに109円台へ。200日移動平均線(109.02)を超えるのは4月29日以来、半年ぶり。短期的流れはドル高円安方向へと傾斜、当面の上値目標は5月半ばの戻り高値、4月高値から8月安値までの76.4%戻しにも相当する110円台半ばまで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/5終値とチャート
6日の国内金価格は-61円、1.06%の大幅安で4日ぶりの反落。下げ幅60円超となるのは9月26日(-64円、1.13%)以来で今年4番目の大幅下落。前回も今回も高値更新翌日の急落。上下動を繰り返しながらも水準を切り上げてきた上昇トレンド継続なら反発へ。21日移動平均線(5672)から5660円台のサポート水準を割れるようだと短期トレンド転換、調整局面入りへ。NY金が一段安へと向かうようなら追随する展開となり、5600円付近までが当面の下値目安にも。
プラチナ価格は-12円、0.34%安で5営業日ぶりの反落。4年越しの下降チャネル上限ラインとの攻防となって上値も重い状態にも。ただし、短期的には上値目標3560円近辺までもう少しの上昇余地も。攻防ラインに跳ね返されて調整へと向かえば3480円台が当面のサポートに、これを割れると9月末安値水準3420円台までが次の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格11/6とチャート
2019年11月6日(水)時点の相場
国内金:5,680 円 11/6(水) ▼61(1.06%)
国内プラチナ:3,536 円 11/6(水) ▼12(0.34%)
NY金:1,483.7 ドル 11/5(火) ▼27.4(1.81%)
NYプラチナ:930.6 ドル 11/5(火) ▼8.1(0.86%)
ドル円:109.15 円 11/5(火) ▲0.58(0.53%)
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