更新日:2020年2月12日(水)
米労働省が発表した12月の求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は642.3万件。市場予想の692.5万件を大幅に下回り、下方修正された11月(678.7)からも急低下、続落となって2017年12月(620.4)以来、2年ぶりの低水準。
前年同月比では-14.12%となり、2009年12月(-18.70%)以来、ちょうと10年ぶりの急減。また、前年割れは7ヵ月連続となり、これも2009年12月以来。
長期的に見れば依然として高水準にある求人件数は、2018年11月の762.6万件が過去最高となってピークアウト、それ以降は減少傾向が1年余り続きます。
減少度合いは世界金融危機でリセッションとなった時期以来の落ち込みとなり、10年ぶりの低迷期を形成しています。
なお、失業者数は2019年9月と12月に575.3万人、およそ19年ぶり低水準を2度つけて1月は589.2万人、5カ月ぶり高水準へと増加。ダブルボトムを形成して流れが変わり始める可能性にも要警戒、という状況にもなっています。
この結果、12月時点の求人件数と失業者数との差は+67.0万件。
求人件数が失業者数を上回る状態は2018年3月から続いていますが、12月はその2018年3月(+40.1)以来、1年9カ月ぶりの低水準へと急縮小。
パウエルFRB議長はこの日、下院での議会証言で「FRBは完全雇用と物価安定という2つの責務の達成のみに注力している」と発言し、トランプ大統領の横槍ツイートや利下げ催促発言などには動じない姿勢を明確に示しました。
しかし、その「完全雇用」には今年、黄色信号が灯る可能性もありそうです。
11日のNY金相場は-9.4ドル、0.6%安となって5日ぶりの反落。2月6日(1570.0)以来、1週間ぶりの安値水準。予定どおりの調整で時間外には1570ドル半ばから1570ドル近辺までの小幅安、NY朝には1570ドル台後半へと反発後に戻り売り、一時1560ドル台半ばまで下落。しかし、20日移動平均線(1567.5)にもサポートされてNY引けにかけては1570ドルを回復。パウエルFRB議長の議会証言では「COVID-19」と命名された新型コロナウイルスへの警戒感を示しながらも米経済は良好であり、大幅な評価見直しがない限り様子見状態の金融政策に変更の必要なし、と従来からのスタンスを踏襲。多少のハト派姿勢も見られず、押し上げ要因にはならず。保ち合いレンジ上限を1590ドルから1580ドルへと切り下げ、これを上抜けることになれば高値更新再トライへと向かう可能性も。下値は引き続き1550ドルが当面のサポート、これを割り込んだ場合には今年安値1520ドル近辺までが下値目安に。
NYプラチナは+6.6ドル、0.68%の反発。960ドル台後半での揉み合い推移からNY朝に970ドルを回復も高値は970ドル台後半まで。変動値幅は15ドルに届かず、今年の平均25ドルを大幅に下回り、今年2番めの小動き。日々上下動を繰り返す展開が1ヵ月近く続き、軟調推移から横ばい推移へと流れも変わり、960ドルから990ドルのレンジを維持して方向感を探る展開にも。ここ半月では950ドル台の安値を2度つけてダブルボトムの可能性を残し、年初からの1ヵ月半では950ドル台をネックラインとする三尊天井形成の可能性も。
ドル円はわずかに数銭上昇も、ほぼ前日から変わらず、3営業日連続109円70銭台での横ばい推移。東京朝とNY終盤につけた109円70銭台が安値となり、高値は欧州時間とNY時間につけた109円90銭台まで。値幅は24銭にとどまり、今年の平均47銭のほぼ半分、今年4番めの小動き。横ばい推移の20日移動平均線(109.53)にサポートされながら、110円ラインの抵抗感は根強く、突破にはそれなりの材料が必要にも。上抜けできれば110円台半ば辺りまでは上値を伸ばす可能性もありそうだが。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/11終値とチャート
12日の国内金価格は-16円、0.26%安で4日ぶりの反落。オシレータ系指標のダイバージェンスが示唆したとおりの反落、今年2番めで2度めの6050円超の高値をつけたあとの反落となり、中期的にはダブルトップも警戒しながらネックラインとなる5946円を下限として広めの保ち合いレンジ継続も意識される状況にも。高値圏での横ばい推移が続く9日移動平均線(6017)が目先のサポート候補にも、その下には21日移動平均線も6000円の大台超え、6004円まで上昇してレンジ半ばに。これを下回るようなら徐々に下値警戒感が高まることにも。
プラチナ価格は+9円、0.24%高で3日ぶりの反発。過去には比較的素通りしがちだった3700円から3800円までの真空地帯の上限付近と下限付近でもたつく展開となり、これまでの流れに変化も。3700円近辺が新たにサポート水準として意識されやすい水準となるか、もしくは3800円近辺が新たな抵抗水準と意識されることになるか、過去の真空地帯が新たな保ち合い水準に。
※参考:金プラチナ国内価格2/12とチャート
2020年2月12日(水)時点の相場
国内金:6,037 円 2/12(水) ▼16(0.26%)
国内プラチナ:3,722 円 2/12(水) ▲9(0.24%)
NY金:1,570.1 ドル 2/11(火) ▼9.4(0.60%)
NYプラチナ:973.5 ドル 2/11(火) ▲6.6(0.68%)
ドル円:109.78 円 2/11(火) ▲0.03(0.03%)
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