更新日:2020年3月3日(火)
ユーロ圏2月製造業PMIは49.2。速報値からは0.1ポイント上方修正されて2019年2月(49.3)以来、1年ぶり高水準。これで13ヵ月連続で節目50割れも、2019年1月(50.5)以来となる50台回復も目前、という状態まで回復してきました。
生産と新規受注は依然として節目50を下回る縮小傾向を示す水準での推移が続くものの、生産は9ヵ月ぶり、新規受注は15ヵ月ぶりの高水準へと急回復傾向が続きます。
しかしながら、1月に節目50超も目前に迫る水準まで回復していた輸出受注は2月に1年半ぶり低水準へと急減。新型コロナウイルスの感染拡大により、サプライチェーンの混乱とともに、海外需要回復の腰折れが警戒される状況にもなってきているようです。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2020年2月>
1位:ギリシャ=56.2=続伸で10ヵ月ぶり高水準、33ヵ月連続50超、13ヵ月連続1位。
2位:オランダ=52.9=大幅続伸で4ヵ月ぶり50超、13ヵ月ぶり高水準。5ヵ月ぶり2位浮上。
3位:アイルランド=51.2=9ヵ月ぶり高水準となった1月から0.2ポイント低下、2ヵ月連続50超。
4位:スペイン=50.4=続伸で9ヵ月ぶり50超、13ヵ月ぶり高水準。
5位:オーストリア=50.2=続伸で11ヵ月ぶり50超、12ヵ月ぶり高水準。
6位:フランス=49.8=7ヵ月ぶり低水準、7ヵ月ぶり50割れ。
7位:イタリア=48.7=8ヵ月ぶり高水準となった1月から0.2ポイント低下、17ヵ月連続50割れ。
8位:ドイツ=48.0=大幅続伸で13ヵ月ぶり高水準、14ヵ月連続50割れ。13ヵ月連続最下位。
欧州での新型コロナウイルス感染者が最大となっているイタリアも、極端な悪化とはなっていませんが、低迷状態が続きます。
このまま順当に回復基調が続けば混戦状態の下位グループの順位変動も激しくなり、14ヵ月ぶりにドイツの最下位脱出もありそうです。
しかし、ドイツやフランスでも今後コロナウイルスの影響が拡大する事態も警戒され、ユーロ圏の数値でも節目50回復に失敗する事態も警戒されます。
2月27日には-1190.95ドル、過去最大となる4.42%の下落となっていたNYダウは2日、+1293.96ドル、5.09%の大幅反発で今度は過去最大の上昇。底入れの動きか、下落途中の戻り局面かの判断にはもう少し様子を見る必要も、とりあえず主要中銀の協調緩和などを期待してリスク回避の流れはいったん大きく巻き戻された形に。
2日のNY金は+28.1ドル、1.79%の大幅高となって5日ぶりの反発。1週間前には7年ぶり高値1691.7ドルまで急騰し、その後の急反落で週末安値1564.0ドルまで大きく水準を切り下げた後は1680ドルまで反発して越週。主要中銀の協調緩和とFRBの大幅利下げ観測も台頭し、週明け時間外から反発局面継続で1590ドルを回復、欧州時間には一時1612.1ドルまで上昇。結果的に7年ぶり高値から先週末安値までの下落幅に対する38.2%戻し(1612.8)付近まで反発し、23.6%戻し(1594.1)付近に落ち着いた状態。1560ドル台が当面のサポート水準となり、38.2%戻しラインが抵抗水準とならなければ次の節目は50%戻し(1627.9)辺りを目指す展開にも。
NYプラチナは-5.3ドル、0.61%安となって8日続落。8日続落は2017年9月(11日続落)以来、2年5ヵ月ぶり。金も株価も反発局面となった流れに追随した時間外には一時880ドル台半ばまで上昇。NY市場にかけて米株などが一段と上値を伸ばす展開となったのに対し、失速気味となった金とともに反落すると一時860ドル割れ。昨年5月安値788.3ドルから今年1月高値1046.7ドルまでの76.4%戻し(849.3)を先週末安値(846.2)で達成し、この日の安値(851.0)では下回らず、そろそろ下げ止まるのにも都合の良い水準。NY引け後には870ドル台へと反発の兆しも見られる状態。短中期の地合い回復に向けては200日移動平均線(900.2)超えを目指したいところ。
ドル円は25銭ほどのドル高円安となって3日ぶりの反発。107円台前半へと下方窓開けスタート後、黒田日銀総裁の緩和示唆発言を受けて反発へ。日銀のETF買い入れ額が過去最大となる1002億円となったことも好感されて株高のながれとともに一時108円50銭台まで上昇。2月後半から続くドル安の流れはFRBの大幅利下げ観測から一段と加速し、株高円安の流れを相殺、欧州時間にはユーロ圏2月製造業PMIの好結果もあり、ユーロ高ドル安の流れにも押される形でドル円も軟調推移。米2月ISM製造業景況指数が市場予想を下回る50.1と再び節目50割れも意識される水準となったタイミングでは107円40銭近辺まで下落。しかし、米株の一段高の流れにサポートされるように108円50銭台まで反発。株価に連れてボラティリティも高まる状態となり、目先は協調緩和なども期待されるドル安とリスク選好の円安要因が重なる不安定な展開にも。108円を維持できなくなるようだと107円付近まで一段安の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/2終値とチャート
3日の国内金価格は+58円、0.96%高となって3日ぶりの反発。NY金とドル円の同時反発によって押し上げられる展開も、米株の大幅反発でリスク回避の巻き戻しムードが強まってNY金の戻りはやや限定的に。株高と円安の流れにも大幅利下げ観測にともなうドル安の流れで相殺されてドル円の上値も限定的。今年高値6397円から前日の6017円まで380円の急落となり、下げ止まりを確認するためには23.6%戻し(6107)が目安にも。短中期トレンド回復に向けては21日移動平均線(6129)回復も。3月安値を更新するような展開となった場合には2月安値(5959)付近、5960円台辺りまでが下値目安にも。
プラチナ価格は+60円、1.84%の大幅高で7日ぶりの反発。昨年6月以降、下値を切り上げ続けた中期上昇トレンドは1月16日につけた高値3921円でピークアウト、高値保ち合い形成後、2月末にはサポートラインを突き抜けて急落。3月2日の3260円までの下落幅は661円、下落率は16.86%の大幅下落で調整局面入り。2日の3260円でいったん底入れなら、23.6%戻し(3416)が当面の目安水準。3400円台は過去の保ち合い形成水準でもあり、できれば早期回復を目指したい水準だが。
※参考:金プラチナ国内価格3/3とチャート
2020年3月3日(火)時点の相場
国内金:6,075 円 3/3(火) ▲58(0.96%)
国内プラチナ:3,320 円 3/3(火) ▲60(1.84%)
NY金:1,594.8 ドル 3/2(月) ▲28.1(1.79%)
NYプラチナ:859.4 ドル 3/2(月) ▼5.3(0.61%)
ドル円:108.33 円 3/2(月) ▲0.25(0.23%)
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