更新日:2020年3月31日(火)
3月10日、中国以外では世界最初にロックダウンに入ったイタリアの新型コロナウイルス感染者数は3月31日朝時点で10万1千人超。8万2千人超で小康状態の中国を押さえ、3位に浮上したスペインの8万7千人超を上回り、16万3千人超となった米国に次いで2番め。足下では感染者数の増加ペース鈍化の兆しも伝えられてはいますが、死者数では世界一の不名誉な状態は続き、ロックダウンはイースター(4月半ば)まで延長を決めた模様。
イタリア、スペイン以外のユーロ圏ではドイツが6万6千人超で5位、フランスが4万5千人超で6位、ベルギーが10位、オランダが11位、オーストリア14位など軒並み上位に入っています。
そのユーロ圏の3月景況感指数は94.5。市場予想こそ若干上回ったものの、5ヵ月ぶりの反落となって回復基調は腰折れ、はもちろんのこと5年2カ月ぶりに長期平均100を下回り、2013年8月(91.7)以来、6年7ヵ月ぶりの低水準。2月の103.4からは-8.9ポイントとなり、リーマンショック後の2008年12月(-7.2)を超えて調査開始の1985年以降、過去最大の急低下。
業種別では製造業が-10.8となって2013年5月(-11.7)以来、6年10ヵ月ぶりの低水準。サービス業は-2.2となり、2013年8月(-3.5)以来、6年7ヵ月ぶりの低水準。
なお、業種別では過去に好調だっだ時期が長かったドイツの落ち込みが大きく、ドイツ製造業は-17.2となって2009年12月(-19.2)以来、10年3ヵ月ぶりの低水準。サービス業も0.6となって2009年7月(-6.6)以来、10年8ヵ月ぶり低水準。景況感指数でもドイツは92で2009年11月(91.4)以来、10年4ヵ月ぶり低水準となっています。
調査元の欧州委員会によれば、調査時期や移動制限措置などの影響もあり、正確性にもやや欠ける可能性もあるとのことで、フランスの景況感指数は100.6と長期平均を下回らず。ただし、フランスの調査の大半は移動制限前とのこと。しかし、ドイツとイタリアでもそれに近い状態だった模様。
ユーロ圏19カ国のうち、3月の景況感指数が長期平均以上の100ポイント台となったのはフランスとギリシャ、キプロス、リトアニア、ルクセンブルクの5カ国のみ。それ以外はほとんどの国が90ポイント台。そんななかで80ポイント台まで落ち込んだ国は2つ。ロックダウンが続くイタリアと、シチリア島の沖に浮かぶ小さな島国マルタ。
マルタの景況感指数は87.5。イタリアは83.7。ユーロ圏最低となり、2013年6月(82.0)以来、6年9ヵ月ぶりの低水準。2月の101.3からは-17.6となり、リーマンショック後の2008年11月(-7.2)の急落などを超え、これまで過去最大の急低下となっていた1996年2月(-9.2)の1.9倍の暴落状態。
ユーロ圏の景況感を過去最大の急落へと牽引したのは、やはりイタリアでした。
この経済危機打開に向けて、イタリアはスペインとともにユーロ圏共通債となる「コロナ債」発行を要求していますが、ドイツやオランダは反対しています。
今朝、発表された中国の3月製造業・非製造業PMIはいずれも過去最低となった2月から急回復を示す節目50超となりましたが、同じように4月にイタリアとユーロ圏の景況感が急回復するのは、まだ難しそうです。
30日のNY金相場は-10.9ドル、0.66%安で3日ぶりの反落。週明け時間外スタート直後に1670ドル前半まで上昇したのが高値となり、株価の反発とドル高の流れに押される形で軟調推移、一時1630ドル半ばまで下落。株高とドル高一服となった欧州・NY時間にかけては1640ドル台での小幅保ち合い推移も引けにかけては1640ドル割れ。1660ドル以上の水準では上ヒゲでの推移が続き、下値は1630ドル付近でサポートされる状態も継続。やや方向感喪失気味の状態から、保ち合いレンジ下抜けとなれば1600ドルの大台ライン付近までが下値目安に、上抜けることになれば1680ドル台を目標に水準を切り上げる展開にも。
NYプラチナは-17.8ドル、2.4%の大幅反落。安値圏からの急反発一服で小幅保ち合いとなり、20日移動平均線(752.9)が抵抗線となりつつある状態のなかで時間外には軟調推移、740ドル台から710ドル付近まで30ドル超の急落。しかし先週後半以降の安値圏700ドル付近では底堅さもあり、揉み合いながらの反発基調となってNY市場では720ドル台を回復。700ドルラインが当面のサポート候補となり、割り込んだ場合には660ドル台が下値目安候補。750ドルの節目と20日線を突破できれば今年高安の半値戻し(804.4)が上値目標に。
ドル円は10銭弱、0.08%のドル安円高となって4日続落。東京朝に108円トライに失敗すると戻り売りの展開となって107円10銭台まで下落。しかし、これがこの日の安値となり、株価の反発基調とともにドル高の流れも強まって夕方までに108円20銭台まで反発。欧州・NY時間にかけては107円半ばから108円30銭近辺まで、108円をはさんでの揉み合い推移。3月のダラス連銀製造業活動指数が-70となって過去最低、最大の急落となったものの反応は限定的に。20日移動平均線(107.62)にサポートされた格好にもなっており、9日安値から24日高値までの38.2%戻し(107.70)と合わせて、この水準が目先のサポート候補に。上方向には90日移動平均線(109.04)から23.6%戻し(109.23)辺りまでが反発の目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/30終値とチャート
31日の国内金価格は-12円、0.2%安で4日続落。1週間ぶり安値水準での小幅安で、3月17日の今年安値5648円から25日の6356円までの38.2%戻し(6086)にちょうど到達。急落前の3月半ばに保ち合いを形成した水準でもあり、下げ止まるのにも都合の良い水準。9日移動平均線(6035)が21日移動平均線(6034)をわずかに上抜け、90日移動平均線(5903)の上で推移。並びだけはパーフェクトオーダーとなり、下落基調が続く21日線が位置関係を維持しながら上向きへと転じることになれば、再び上値を試すような強気相場状態にも。
月間では-224円、3.55%安で4ヵ月ぶりの反落。下げ幅は2015年11月(-286円、6.0%)以来、4年4ヵ月ぶりの急落。
プラチナ価格は-59円、2.06%の大幅続落。横ばい推移となった時点で反発の勢いは既に削がれていた状態となり、反落すべくして反落したような展開に。ただし、現時点では安値再トライへと向かうような展開も想定し難く、急反発後の一定の調整が見込まれる状態に。2850円の節目を割り込んだことによる下値目安2750円近辺まで、もう少しの下落余地も。切り返して2870円台の節目を上抜ける展開となれば、3000円の大台トライが目標に。
月間では-675円、19.41%の大幅続落。下落率ではリーマンショック直後、2008年10月(-1112円、30.29%)以来、11年5ヵ月ぶりの急落。
※参考:金プラチナ国内価格3/31とチャート
2020年3月31日(火)時点の相場
国内金:6,086 円 3/31(火) ▼12(0.20%)
国内プラチナ:2,803 円 3/31(火) ▼59(2.06%)
NY金:1,643.2 ドル 3/30(月) ▼10.9(0.66%)
NYプラチナ:723.8 ドル 3/30(月) ▼17.8(2.40%)
ドル円:107.85 円 3/30(月) ▼0.09(0.08%)
Copyright(C) Let's GOLD