更新日:2020年5月28日(木)
リッチモンド連銀製造業指数は4月に過去最大の急落で過去最低となる-53となった後、5月は市場予想の-40程度を大幅に上回る-27へと急反発。前月比では+26.0となり、2016年3月と並び調査開始の1993年11月以降で最大の急騰となりました。主要構成指数もほぼ4月が過去最低となって5月は急反発。
この傾向は各地区連銀の製造業景況指数も同様。
NY連銀では4月の-78.2から5月は-48.5へと急反発。フィラデルフィア連銀では4月の-56.6から5月は-43.1へ、ダラス連銀も-74から-49.2へ。いずれも4月は過去最低、もしくは数十年ぶりの低水準に落ち込んだ状態からの急回復(の兆し)となりました。
とりあえず4月に11年ぶり低水準となったISM製造業景況指数も5月にはそれなりの回復基調を示すことにはなりそうです。
調査期間が4月から5月中旬までのベージュブック(地区連銀経済報告)でも、「経済活動はすべての連銀地区で低下し、大半の地区で急激な落ち込みを示した。」とされたものの、多くの企業で「最悪期は過ぎ去った」との回答。感染者数最大のNY州を管轄するNY連銀でも「5月初旬に経済活動が上向き始めた初期の兆候」が確認されたとの指摘も。
規制緩和がスタートした影響が大きく、センチメントは改善方向にあり、これが各地区連銀の製造業景況指数の急反発と株価の反発基調にも現れているようです。
しかし、米国経済は過去最大規模の落ち込みとなり、広範囲にわたる事業が閉鎖され、失業者急増は現時点でも続いています。
「回復の兆し」が見られるだけであり、景気の早期回復は「ほぼ見込まれない」との見方も同時に示されています。
各地区連銀の製造業PMIの回復基調が6月以降も同様のペースで続くのかどうか、米株がこのままコロナ前の水準まで回復するのかどうか、いずれも不透明感も漂います。
27日のNY金相場は+21.2ドル、1.24%の反発。ワクチン開発進展期待からの欧米株高の流れは続き、ダウは2日連続500ドル超、2日合計1000ドル超の急騰で3月6日以来、2ヵ月半ぶり高値で25000ドル台を回復。ダウ先物の堅調推移にも押される形でNY金は1700ドルまで売り先行の展開。しかし本日の全人代で可決見込みの香港を対象とする「国家安全法」をきっかけに米中対立激化への警戒感もあり、NY市場では買い戻しの展開に。短期下値目安1700ドル近辺到達に伴う自律反発で20日移動平均線(1720.1)超えへと回復した形も上値は1730ドル手前で失速、5月18日高値1775.8ドルを起点に上値を切り下げ続ける調整局面も継続。節目の1740ドルを超えることができればトレンド変化へ、1760ドル近辺までの上値トライの可能性も。逆に下方向へは1700ドルの大台を割れると1670ドル台までが下値目安に。
NYプラチナは+4.8ドル、0.55%の反発。保ち合い下限860ドル台で下げ渋るとNY朝には860ドルちょうど付近まで下げて切り返し、870ドル台へと小幅に急反発。NY引けにかけては880ドルラインでの攻防状態、保ち合い下限を870ドルに切り上げ、890ドルの上限までのレンジ半ばで方向感を決めかねる様子。引き続き上値は200日移動平均線(885.0)にも押さえられる形にもなり、これを突破して890ドルの節目超えとなれば上値トライ再開で920ドル近辺までが上値目標に。下方向に870ドルを割れると90日移動平均線(842.4)近辺、840ドル前後までが下値目安に。
ドル円は20銭のドル高円安で0.19%の反発。ワクチン相場によるダウ先物の上昇をきっかけに欧州時間に107円50銭台から107円90銭台まで上昇。しかし、またしても108円手前で失速するとNY時間には107円60銭台まで戻り売り。107円台後半の狭いレンジでの保ち合いが続き、日足・一目均衡表の雲の中での推移も続き、雲の上限は108円半ばでピークアウトして下降基調へ。右肩下がりの90日移動平均線(108.22)も抵抗線候補となり、徐々に上値余地は限定的となる可能性も。早期108円超えできれば108円半ばまでの上昇余地も、107円半ばを割れると107円前後までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/27終値とチャート
28日の国内金価格は+31円、0.48%高で3日ぶりの反発。最高値圏での小さなダブルトップのネックライン(6525)割れに伴う下値目安6450円近辺をオーバーランして戻ってきた状態に。上値を切り上げて下値も切り上げる中期上昇トレンドを維持する形となり、6530円が当面の抵抗水準となり、上方向への節目にも。ここを超えると短期上値トライ再開となって6600円の最高値付近までを試しに行く可能性も。下方向に6420円台を割れるようだと一段安の展開で中期上昇トレンドに変化の兆しにも、6380円近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+67円、2.15%の大幅反発。もう一段の下げ余地もあった状態から、急上昇中の9日移動平均線(3138)にサポートされて切り返し、上方向への節目3170円台を上抜けたことで上値トライ再開への可能性。一度は跳ね返された90日移動平均線(3218)を突破できれば中期トレンド好転に向けた第一歩。短期的な上値目安は3250円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格5/28とチャート
2020年5月28日(木)時点の相場
国内金:6,459 円 5/28(木) ▲31(0.48%)
国内プラチナ:3,185 円 5/28(木) ▲67(2.15%)
NY金:1,726.8 ドル 5/27(水) ▲21.2(1.24%)
NYプラチナ:878.1 ドル 5/27(水) ▲4.8(0.55%)
ドル円:107.74 円 5/27(水) ▲0.20(0.19%)
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